macOS/Steam版 #RPGツクールMZ を脱NW.jsして Electron で開発、テスト、デプロイする手順
Electron Mz Mac
Windows のみに対応していたトリアコンタンさんの Electron For Mz (https://qiita.com/triacontane/items/a8610bff9778ca2aaa3e) をオリジナルとして、Mac でも同様にRPGツクールMZをElectron上で開発、テスト、デプロイメントしようということでいろいろアレンジしたものです。この README.md もオリジナルを一部改訂したものです。
※2023-04-29 00:17 再度改訂
※2023-06-16 追記
この記事の内容からさらに一歩進めて「MZ+Electron+TypeScript」ということで、MZ用の TypeScript 開発環境を整えてそこで書いたプラグインで Electron のIPCをやりました。
Electronとは
Electronとは、NW.jsと同様にクロスプラットフォームで動作するデスクトップアプリケーションのフレームワークです。
NW.jsと比べて以下のメリットがあります。
将来的に見て安心(NW.jsには今後OSのアップデートに付いていけるか不安。特にMac)
パッケージングやインストーラを使ったデプロイメントが可能(electron-builderを使用)
本体v1.6.1時点で時点でまだ発生しているNW.jsのプロセスが終了後も残り続けてしまう問題を回避できる
macOS上ではそもそも NW.js が高頻度で起動に失敗する問題を回避できる
対象読者
macOS/Steam版RPGツクールMZを使用していて Nw.js の挙動に不安や不満があるひと
Node.jsのインストールとnpmコマンドが実行できるひと
フロント開発用のエディタ（VSCode等）を使ったことがあるひと
動作確認バージョン
macOS Ventura 13.2.1 on MacBook Air (M1, 2020)
Node.js v18.16.0
npm v9.5.1
Electron v24.1.3
electron-builder v24.3.0
準備
リポジトリのチェックアウト
https://github.com/cursed-steven/ElectronMacMz.git
以後のコマンドはすべてチェックアウトしたディレクトリで行います。
Node.jsのダウンロードとインストール
下記のサイトに従って推奨版(=LTS:Long Time Support)をダウンロード、インストールします。
https://nodejs.org/ja/download/
Electronのインストール
package.jsonに記載されたバージョンでよければ
npm installでもOKです(※)。
※これで electron-builder も一緒にインストールされます。
オリジナルよりだいぶバージョン上げてます。
個別にインストールする場合は、
npm install -D electron
npm install -D electron-builderRPGツクールMZのプロジェクトをコピー
チェックアウトしてできたフォルダの下の`project`フォルダの配下に、RPGツクールMZのプロジェクト(=game.rmmzprojectファイルが入っているフォルダの中身全部)をコピーします。
プラグインの有効化
RPGツクールMZ本体に本プロジェクトに同梱のプラグイン`CSVN_electronDebugHelper.js`を入れて有効化します。
https://github.com/cursed-steven/ElectronMacMz/blob/main/project/js/plugins/CSVN_electronDebugHelper.js
実行
通常起動
npm run startテストプレー
npm run testテストプレー(開発ツール起動)
npm run debugデプロイ
デプロイします。出力先はデフォルトでは ./dist です。build.js の outputPath で設定可能です。
npm run deployウィンドウサイズ
main.js の 以下の場所の width/height を修正してください。ツクール本体側に書いた内容は反映されません。
mainWindow = new BrowserWindow({
width: 816,
height: 624,
useContentSize: true,
webPreferences: {
nodeIntegration: true,
preload: __dirname + '/preload.js',
contextIsolation: true
},
icon: 'project/icon/icon.png'
});本プロジェクトの詳細解説
こちらは、 build.js 以外はオリジナル (https://qiita.com/triacontane/items/a8610bff9778ca2aaa3e) にゆずります。
build.js
macOS向けにビルドするためのファイルです。
https://github.com/cursed-steven/ElectronMacMz/blob/main/build.js
config: {
productName: 'electron-mz-mac',
appId: 'com.electron.${name}',
copyright: 'Copyright (c) 2020 Gotcha Gotcha Games Inc., 2020 YOJI OJIMA',
mac: {
icon: 'icon.png',
target: {
target: 'zip',
arch: ['x64', 'arm64']
},
category: 'public.app-category.games'
},
directories: {
output: outputPath
}
}`appId` に含まれる `${name}` は、 `productName` の値が反映されます。
`copyright` はひとまず MZ の著作権表示を入れておきました。
`icon`はアプリケーションやインストーラのアイコンに使われる画像です。512*512で用意します。とりえあずicoファイルでもOKです。
`target`はデプロイメント方法です。`zip`は文字通りzipファイルを作成します。プラットフォームごとに様々な設定があり、macOS でも pkg とか dmg とかできるようですがまだ試してません。試したら追記します。
`category`は Apple 側で決められているゲームアプリ用の固定値です。
詳細設定はドキュメントをご参照ください。
https://www.electron.build/configuration/configuration
最終的なフォルダ構成
xxxxxxxx@MacBook-Air ElectronMzMac % ls -l
total 464
-rw-r--r-- 1 xxxxxxxx staff 1070 4 28 13:07 LICENSE
-rw-r--r-- 1 xxxxxxxx staff 1078 4 28 12:37 LICENSE(ElectronForMz)
-rw-r--r-- 1 xxxxxxxx staff 8058 4 28 12:37 README(ElectronForMz).md
-rw-r--r--@ 1 xxxxxxxx staff 5515 4 29 00:07 README.md
-rw-r--r-- 1 xxxxxxxx staff 50 4 28 12:37 ReleaseNote(ElectronForMz).md
-rw-r--r-- 1 xxxxxxxx staff 50 4 28 13:10 ReleaseNote.md
-rw-r--r-- 1 xxxxxxxx staff 1161 4 28 13:18 build.js
drwxr-xr-x 13 xxxxxxxx staff 416 4 28 22:03 dist
-rwxr-xr-x 1 xxxxxxxx staff 22646 4 28 12:52 icon.png
-rw-r--r--@ 1 xxxxxxxx staff 2178 4 29 00:06 main.js
drwxr-xr-x 262 xxxxxxxx staff 8384 4 28 22:03 node_modules
-rw-r--r-- 1 xxxxxxxx staff 162059 4 28 13:40 package-lock.json
-rw-r--r-- 1 xxxxxxxx staff 426 4 28 13:08 package.json
-rw-r--r-- 1 xxxxxxxx staff 847 4 28 20:51 preload.js
drwxr-xr-x 15 xxxxxxxx staff 480 4 28 22:03 project※distは build 後にできます
参考資料
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