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息の長い趣味サークルの作り方

好きなものを誰かと共有したくてサークルに参加または立ち上げしたけれど、うまくいかずに解散になってしまったこと、ありませんか。
私はそういうことを思い出すたび、「続けるって難しいな」と思います。
ただ、いくつかサークルに入ってはやめたり作ってはつぶしたりしたものの、あるサークルだけは20年以上続けられているので、ここでその理由を分析してみようと思います。

メンバーとのやりとりは実はそんなに重要ではない

活動内容はしっかり決まっているか
一番重要なのが「活動内容」でした。
サークルとして集まってはみたものの、活動内容が決まっていないことは意外とあるんです。
同じ趣味でも範囲の違いで合う合わないというのはありますから、ここは明確にしておく必要があります。

決めた活動内容をきちんと実行しているか
決めても実行されなければ、何のためのサークルでしょう。

運営スタッフと参加者は平等か
スタッフもメンバーも平等です。「メンバーはお客さんではない」「スタッフは管理者ではない」ことを常に分かってもらうのを意識しました。

お金の管理がしっかりしているか
簿記ほどの明確さは必要はありませんが、「1回の活動費の明細を出す」、「現在の黒字/赤字額を聞かれたらすぐ調べて答えられる」くらいは必要ですね。

運営面がきちんとしていれば安心して参加できるので、サークルメンバーとのやりとりは「事務連絡のついで」くらいでも充分だったりします。

活動内容や費用が決まっているべき理由

活動内容について
活動内容とは「活動期間」「期間内の活動回数」「何をするか」です。

例えばハイキングのサークルなら
「活動期間は毎年4~10月、その間に4回、景色の良い近場の低山に登る」
などですね。

これがはっきりしていれば、メンバーも
「次はいつ頃、何の準備をしておけばいいか」
の心づもりができ、参加率が高くなります。
参加率が高くなれば回を重ねるほどメンバーの親密度も高くなっていくので、続く確率も上がっていきます。
これは、実際に会って何かするサークルでも、オンラインだけのサークルでも手紙だけのサークルでも、変わらないと思います。

実行するには
サークルができたての頃は代表者が覚悟して実行するしかないのですが、サークル運営に関することを常々全員にもれなく伝えていると、参加常連さんが「次はいつ?」などと教えてくれたりします。
これは前述した「活動内容が決まっている」メリットでもあります。

連絡もれもしないようにします。連絡がうまくいっていなかったためにできたはずのことができなかったり、余計な費用がかかったりすると次回以降の参加率は下がります。
全員に連絡するはずが特定の人たちだけ漏れたら、漏れた相手を傷つけるしトラブルにもなります。つぶれてしまったサークルでは、それがきっかけで去った人もいました。

平等について
趣味事のサークルなので、活動内容はみんな好きで集まっているはずです。
つまりスタッフも同時にメンバーとして参加したいので、
「一般メンバーもスタッフを手伝えるときは手伝ってください」
と常に言っていました。
その方がスタッフとメンバーの垣根がなくなり、スタッフも楽しく、続けやすいです。

お金の管理
1対1でもお金のトラブルは簡単に人間関係を壊しますが、同じことだと思います。
できれば家計簿レベル以上の明細をつけて、いつでも明らかにできるように保存します。
あと、「1周年企画」「サークルとしてよそのイベントに参加」などの通常活動以外の費用をどうするかは、

「サークル立ち上げ時に決めておく」(メンバー募集時に明らかにしておく)
「決めていなければ別枠で参加者のみが出す」

が基本ですね。
話し合いは不満を生みやすいのでおすすめしません。
私もメンバーとして参加している時に話し合いで決めたことがあるのですが、結論よりも決め方に納得がいかなかったので後日そのサークルは辞めてしまいました。
不満を言わずに去る人は多いですが、お金の問題は特にその傾向が強いと感じます。

20年以上続いている例

私は、20年以上前に立ち上げた漫画系の小さなサークルを続けています。それは「半年に1回、1人4ページ以内の会誌を出す」といったものです。
この場合、
・活動期間 → 半年ごと
・期間内の活動回数 → 1回
・何をするか → 1人4ページ以内の会誌を出す
になります。

これが決まっているので、次が遅れると常連さんから「今期まだ?」と問い合わせが来たりします。
あとは、会誌発行時に「次は○月発行の予定です」と言ってしまう。約束なのでやりますね。

今は一人で編集しているのですが、以前スタッフ集まってやっていた時は各自が「より好きなこと」でかかわれるよう、お互い調整していました。
「送られてきた原稿を最初に見る」とかのささいなことでも担当を決めるとけっこう楽しくできましたね。

お金の問題は、活動が半年ごとなので“会期”を半年として、
・該当会期に活動する人は会費を払う
・参加しない人は「会費を払って会誌も入手する(会誌発行までの連絡も参加する人と同じ)」「会誌のみ買う(仕上がったときのみ連絡)」「支払いなしで会誌もなし」を選べる
という形にしています。おおむね好評です。
個人的には、赤字も黒字もないか、数百円以下の「わずかに赤字」くらいが最適だと思っています。黒字がたまると預かっている心の負担があるんですよね。

メンバーとのやりとりは本当に「事務連絡にちょっと追加」な感じですが、それだけでも、20年もやっているとけっこうお互い分かってる感じがするから面白いです。

堅実がいちばん。

書いてきたように

・活動内容が細かく具体的に決まっている
・活動内容として決めた内容を実行している
・メンバーとスタッフに差をつけない
・お金の管理がしっかりしている

といったものが大事で、要は堅実であることが長く続く秘訣ではないかと思います。


好きなものを共有する仲間がいるのは楽しいです。
そんな仲間と心地よい関係を築いて、趣味とも長く付き合いたいですね。

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