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海外でマッチングアプリを介したら何故か合コンになり殺されそうになった話

仕事の関係で海外で仕事をしていた頃の話を是非聞いたもらいたい。



海外生活が半年を過ぎ生活リズムや生活様式にも慣れてしまい日々の生活にハリが無くなってきていた。日本に居た頃は毎週末大学時代の友達と美味しいご飯を食べに行ったり、青山でショップを巡ったりしていた。その頃からそういう事が自分のストレス発散だったり、リフレッシュ法というのは知っていた。


しかし、海外での生活ではそういうリフレッシュ法を何一つ見つけられずに居た。周りには父親世代の人しかおらず、ご飯に誘われても気を使ってお喋りをしたり。休日は家でyoutubeとゲームとジムのルーティーン。たまに誘われるゴルフに行ったり行かなかったり。気持ちのリフレッシュというものがないまま日々鬱々と生活していた。


このままじゃ駄目だと思い、半年が過ぎた頃僕はマッチングアプリに登録をした。海外で同じように仕事をしている人を探すことにしたのだ。そこで1人の女性と仲良くなり、多睡眠不足になるほど話が盛り上がり連絡を重ねていた僕らは、次の土曜日遊ぶことになった。久々の同年代の人との遊び、そして女性。僕は相当浮足だっていたことは明白だろう。


僕は海外の田舎に住んでいたので、その女性に会いに行くのに2時間電車に乗って会いに行った。激空きの電車なのに何故か僕の隣に人が座ってきたことも相まってか2時間の電車はとても長く感じた。ホテルも二人分の部屋で予約して絶対に…という気持ちでいた。彼女は寝坊したようで「ほんとにごめん!遅刻しちゃう!」と連絡が来たけどここは懐の広さをアピっておこうということで、「全然大丈夫!てきとーに時間つぶしてるよ!」と連絡してまず初手のマウントは取った。彼女は30分ほど遅れてきた。「ほんとごめんね!お腹すいてるよね?」と心地いい気遣いをしてくれたので、「大丈夫!けどお腹は空いてる!」と男の余裕と無邪気さを見せた。「遅刻したからランチは奢ってね!」「うそー!」なんて談笑をして、ランチをした。もちろん彼女がトイレに行っているスキに僕がお代を払った。その後は、今日のデートのメインイベントのデパートで最近趣味の化粧品を一緒に見て回った。Dior・CHANEL・YSL・CLARINS・コスデコ…趣味の化粧品を女性と一緒に見て回るということがここまで楽しいとは思わなかった。久々のデートandデパートでの買い物は僕の体力を思いの他削ってきていてカフェで休憩することに。この時間になってくるともう既に彼女との仲はだいぶ縮まってきていると確信できるほどになり大事な夜のコースについて相談するタイミングだと思った。僕は「夜はどうするー?」なんて話をすると彼女の口から衝撃的な言葉が出てきた。



「アプリで知り合った別の男も夜合流するよ」




「…」

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夜の食事は何故か3:3の合コンスタイルになる予定だと聞かされた。
しかも僕は女の人はもちろんだし、普通は仲間で有るはずの男の人も知らない人だ。しかも前情報によると男は歳上。
終わりだ。結局気を使う飲み会だろうと予想は簡単に立った。


1次会はイタリアンだった。女の子がどのピザにしようか一生悩んでてイライラしたことは覚えている。(大人数でのピザはテキトーに2,3枚頼んでおけばみんなテキトーに食べんねん!!)1次会の食事中にも残り二人の男たちが、2次会は自分たちの家で飲もうという流れにしていた。「今日は朝まで帰さないよー」なんて言っていたからそのギラに乗るために「うわー僕もそんなセリフサラッと言えるくらいかっこよくなりたいですー」と皮肉まじりに言った。


その後買い出しをして移動して家飲みになった。その男たちは慣れていて直ぐにギラついて女の子といい感じになっていた。「氷買いに行ってくる!」と言って二人でどこかに行った。「帰ってくんな!!」と思ったけど意外とあっさり帰ってきた。心の中では強い言葉を使う僕だが外見ではその歳上の男の人達に嫌われないようにヘコヘコしながら場を楽しませるピエロと化していた。なんせ海外だ。しかも僕が住んでいる土地から2時間近くかかる土地勘がない場所。もし嫌われて家から1人出させたら終わりだからだ。家に着いたのは10時頃だったはずだが盛り上がったのかふと時計を見ると2時を回っていた。あの飲み会の時間がトリップする感覚はなんなんだろうか?


すると今までいい感じだった女の子が急に我に返ったのか分からないが「身体触ってくる!止めて!」と大きな声で言い出した。もうこうなるとダルい。ギラついていた男たちが上手くいって楽しい夜を過ごせるならそれはそれでいい。しかし女の子がグダり始めたらもう面倒くさい。既にチン○ンに脳を支配された男が周りの女の子や俺に見られながら下手くそなグダを崩しにかかる滑稽な姿を俺は見れない。

そこまで必死にやりたくもないフォローやらアシストをしていた僕は頭の糸が切れたようで、

気づいたら、男のズボンを後ろから下げていた。

理由は覚えていない。口説こうとしていた女の子の前で恥をかかせたかったのか、もうこの場がどうにでもなれ!と思ってやったのか。その理由を知る酔っ払った自分はもうどこにも居ない。

それが原因で僕は漫画やドラマの様にその男たちに髪の毛を捕まれ、Tシャツの首元の捻り上げられ床に叩きつけられた。海外の家の床は石で出来ていた為とても痛くクーラーによってキンキンに冷えていた。このままでは殴られて最悪殺されると思い必死に土下座した。真にだせぇ。それで女の子たちが冷めたのか「私達帰るね」と言って帰る準備をし始めた。男たちはそれを必死に引き止めていた。僕はそのスキに「お先に失礼します!すいませんでした!」と言って1人で帰った。

俺は海外の地で何をしてるんだ…と思いまだ朝日の見えない空を眺め、マッチングアプリを消した。

カレーを食べます