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【続いてる写経 1495日め】當麻寺は、秘伝薬発祥の地でもある

當麻寺には、色々な興味深いエピソードがあります。

その一つは、授与所にバーンと展開されている医薬品、”中将湯”
これは、”中将姫”様のお名前にあやかってつけられた生薬かと思いきや、もっとちゃんとした理由がありました。

當麻寺の中之坊は、飛鳥時代に役行者さまが「陀羅尼助(だらにすけ)」を創製した和薬発祥の寺で、奈良時代には中将姫さまがこの寺で薬草の知識を学びました。

尼僧となった中将姫さまは、ある時、かつてお世話になった宇陀・ひばり山を訪れたところ、ご婦人が体の不調に悩んでいたので、その症状に合う薬草を教示したといいます。その薬草の処方が、代々、宇陀の藤村家に伝わっていました。

これが「中将湯」です。

https://www.taimadera.org/purpose/4/p6.html

中将姫が當麻寺に入山する前にお世話になった藤村家とは、現在のツムラ(津村順天堂)の、初代津村重舎氏の母の実家だそう。


藤村家に代々受け継がれていた婦人薬を、現在飲みやすくし売り出したのがツムラの初代。発売から100年以上のロングセラー商品なのでした。

すごいですねえ〜。
中将姫のご利益効いてますね。

まだお世話になったことはありませんが、中身をみるとトウキやシャクヤクなど一般に婦人薬と言われるものに使われる成分構成。
女性特有の冷え、生理痛や肩こりとか、いわゆる更年期障害などオールマイティに効くようです。

今度當麻寺行った時には、記念に買って帰ろうっと。

さらに、當麻寺は”中将湯”とならび、”陀羅尼助丸”という胃腸薬も、授与所で展開されてました。

この”陀羅尼助丸”、下痢にも便秘にも食あたりにも効く万能胃腸薬で、當麻寺に来る前から利用してたのでびっくりしました。

”陀羅尼助丸”は、修験道の祖・役小角(えんのおづぬ)が開祖だそうで、今ではいろんな会社さんが”陀羅尼助”を出されています。

どこが本家なのかしらん。。
と思って調べてみたら、どうやら”元祖”争いがあったようです。

ダラニスケとダラスケ  ところで、陀羅尼助は一般に「ダラスケさん」の略称で親しまれていますが、これに関しても面白い記録があります。

 江戸時代、吉野大峯と当麻中之坊が双方陀羅尼助の本家を主張して譲らず、やむなく裁判沙汰にまでなったといいます。両者とも役行者直伝の二大本家であるのだから、決着のつくはずもありませんでした。その時、名判官の大岡越前守は孔雀明王陀羅尼経の功徳による信仰と済世利人の本旨をとって、中之坊のを「陀羅尼助」、大峯のを「陀羅助」とするという裁きをつけたというお話です。

https://www.taimadera.org/purpose/4/p3_3.html

なんと、吉野と争ったのでした。しかも裁いたのは大岡越前守!
面白いなあ。

詳しい製作方法を読むと、當麻寺の陀羅尼助、効くのも当然と思えてくる内容です。

しかしながら、いまは厚労省による製薬基準(GMP規格)に適合し辛くなこの伝統的な製法は廃止されてしまったようで、現在は吉野のものが販売されているのだそう。

とはいえ、1300年を経て現代に伝わっている製法。

効かないはずないわ。

お試しあれ。


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