【続いてる写経 1248日め】『ウーマン・トーキング』は、”現代”の話だった
話題になっていた『ウーマン・トーキング 私たちの選択』を鑑賞。
2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を元に描かれた小説の映画化。
キリスト教の一派であるメノナイトの村は、自給自足の生活を送る。
この村の女性たちは教育を受けられず、読み書きすらできない。
女性たちの多数は、何者かによる性的暴行を受けていたけれど、
男性は訴えを「妄想だ」、「悪魔の仕業だ」と否定し相手にしなかった。
村の女性たちは反証することもできず、苦しみに耐えていたのでした。
ある日、一人の女性が犯行現場を目撃し、事件が発覚。
犯人たちは牛用の催眠スプレーをもちいて、標的の一家を全員眠らせ、犯行に及んでいたのであった。
男性たちが犯人の男の保釈金を払いに行っている2日間。
村の女性たちは、今後について話し合いを行う。
「加害者を赦すか/戦うか/去るか」
様々な意見が飛び交い、各自が置かれている状況が語られ、
事件の被害者となった女性たちのトラウマも描かれ、正直つらい。。
犯人は”牛の催眠スプレー”なる文明の利器を使って、悪事を働きつつ、
嘆き悲しむ女性には”妄想”と決めつける。
人間性の否定もはなはだしく、これがキリスト教の一派と思うと悲しくなる。
女性たちが出した結論は、ネタバレになるので書きませんが、
どう転んでも、困難が待ち受けている
厳しい現実。
事件の当事者たちは、実際どうしたのかが不明なのですが、
女性の立場は、古い価値観の共同体では圧倒的に弱いこと
これが見せつけられる。
驚きなのは、この映画元となった事件は、2010年のことだそう。
つまり21世紀。
牧歌的で美しい田園風景の雰囲気から、『大草原の小さな家』くらいの時代の話かと思っていたら、現代だった…。
この閉塞性に対し、立ち向かう女性たちの芯の強さに魅せられました。
しっかし、いわゆる先進国と言われる社会でも、自覚なきハラスメントの横行が続いてるのですよね。
サッカー女子ワールドカップの表彰式で、スペインサッカー連盟の会長が、優勝チームの選手の頭を押さえて無理矢理キスしたとか…。
なんやこのオッサン、#Me too運動とか、知らんのか⁉️
晴れの舞台で、興奮してつい…
とか言いわけしているのですかね⁉️
いわゆる公人にあたる人物ですらこれではねぇ。。。
女性蔑視という点に関しては、『ウーマン・トーキング』は、
ワタシたちの生きる世界においても、地続きの問題だと思ったのでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?