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【続いてる写経 829日め】〜再読『鴨川ホルモー』で出会ったシーン

最近、以前読んだ本を再読する機会が多いです。今回はわが子の修学旅行に絡んで買った万城目学氏の『鴨川ホルモー』

初めて読んだ時分は、前半の”レナウン娘”エピソードが最も印象的で、そこに大笑いしたのですが、再読したら「ここまで世界観構築されてたんだ〜」と感心することしきりでした。

細かく語られる京都の様子や、地理関係はもとより、ホルモー(これが何かはネタバレになるので書きません)のチーム名が陰陽五行と方位に基づく色合わせ、北は玄武(黒)、南は朱雀(赤)、西は白虎(白)、東は青龍(青)に基づきチームカラーが決められていること。『三国志』に因んでつけられた仇名など、最初に読んだ時は、全然スルーでした。全く気づいてなかったです。

要は読み手側の知識がやっと追いついたのですね(笑)

あとは、主人公の親友・高村くんの部屋に飾られていた言葉が、
「色即是空 空即是色」でございました。
般若心経の、もっとも有名とも言える一説でございます。

「教義上のことは詳しくはわからないけど、何事にも捉われない心を指すらしい」(中略)
「考えたんだ。虚無とはまさに何もないことだろ。一方で空も何もないこと。でも、何もない状態も含めて、ある、と考えるのが空なんじゃないか、って。だって、実際の青空には、何もないように見えて、生命の営みを司る、すべての要素が存在しているだろ?僕も虚無を乗り越えて、空に至ろうと考えたんだ」
万城目学・著
『鴨川ホルモー』p192~193より

なーんか、他の「般若心経」本よりも腹落ち感がありました。
続きは、

「で、至れたの?」
「至れるわけないだろ、お釈迦様じゃないんだから。ただ心意気を書き認めただけだよ」
同上

なるほど、ワタシも日々「心意気」を確かめている感じですね。なかなか悟るに至れる感じはしませんが…。

ここのページを拾っただけで、再読の価値があったと思ったのでした。

それにしても、京都ならではのキテレツ・ファンタジー、「ホルモー」なる競技を考えだした万城目学氏、やっぱり実際やってたんじゃないの?とか思っちゃいますね。

あと、主人公の名前は「安倍」でした。
もちろん、「安倍晴明」からとられていることは、明らかなんですが。

このタイミングで「安倍」が主人公の小説を再読してしまうのも、シンクロですなあ…。

余談ですが、先の事件で押収した銃を持っている警察官の写真、まるでストームトルーパーでした。フツー押収したときってモノ見せびらかさないよね。
気になるなあ…。

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