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【続いてる写経 1558日め】”江戸しぐさ”は虚構だったらしい

前回書いた『反オカルト論』において興味深かったというか、結構ショックだったのが、”江戸しぐさ”の話。

”江戸しぐさ”というのは、「江戸商人のリーダーたちが築き上げた、上に立つ者の行動哲学」と定義されているそう。

この”江戸しぐさ”、芝三光という経営コンサルタントが1974年に「江戸の良さを見直す会」を設立し、企業教育に取り入れたことが発端。
そのうちに話に尾鰭がついて、教義となっていったと推測される模様。

芝氏が亡くなると、弟子の一人が受け継ぎNPO法人も設立
コンサルタント叩き上げで、普及活動が上手だったのか、小学校や中学校の教科書、副読本にも取り上げられたそう。

(もちろん、ワタシの時代には聞いたことありませんでしたけど)

けれども、ある歴史研究家の方がこれらの行動に疑問を呈し、徹底的に調べ上げたところ、”江戸しぐさ”の根拠となる歴史的資料は何一つないらしいのです。

それに対し、NPOの代表者は、
・口承のみで伝わった
・継承者の多くは明治政府に虐殺された

とか、言っているらしいです。

この部分だけでも、
江戸時代に口承のみで継承され、明治政府に継承者が虐殺されて、
よく平成まで伝わったよな〜って疑問
がわきますね。

江戸しぐさとして有名な”傘かしげ”ですら、この時代傘をさす人がそもそも少なかったことに加え、この時代の和傘ならばすぼめたほうが早かったとか。

つーか、そもそも虐殺するほどの内容でも、教えでもないじゃん。。
GHQがすべて焼いちゃった、とかのほうがまだ説得力あるわ。

Wikiでも経緯がよくわかります。

かえって面白いですよね、ここまで普及がうまくやれたら。

この事件から察するに、過去からの伝承として、現在もっともらしく残されているものも、発端はこんな感じだったのかもしれません

”江戸しぐさ”ですら、数百年後には、

昭和から平成にかけて復権運動が行われたが、捏造が疑われた。
しかし、その教義は歴史的な根拠に欠けるものの、道徳教育においては意義が認められ、今日ひろく普及してる…。

とかなんとか、書かれてしまうかもしれない。
辞書には掲載できないと判断された過去があるので、このシナリオはないと思いますけど…。

後世に何を残すか、取捨選択する人って責任ありますねえ…。

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