専業Kagglerを経て、就職活動して就職が決まったのでまとめたよ

こんにちわ。カレーちゃん(@currypurin)です。
2018年7月に、公務員から専業でKaggleをやるという決断をして、退職しkaggleをやってきました。
2019年12月くらいから、就職活動をして、4月末に就職先が決まり、6月から働くことになりました。

「完全未経験からKaggleをやって、若くもない中途での就職活動って採用されるの?」という疑問に答えるため、どのような就職活動だったか書いてみます。

なお、具体的な企業名は書いていないので、ご了承ください。


ざっくりとプロフィールや、Kaggleの戦績

・大学は数学科卒
・大学卒業後は、国税(税務署で働くやつ)に就職し、そこから出向して財務省などでも働く
・2018年6月末で公務員を退職し、「専業Kaggler」(貯金を食いつぶす生き方)になる
・Kaggleでは金メダル3つのKaggleMaster(2018年7月金メダル、2019年4月KaggleMaster、2019年5月金メダル、2020年1月金メダル・kaggleプロフィールページ
・2020年3月、実践Data Scienceシリーズ PythonではじめるKaggleスタートブック を出版
・「専業Kaggler」の間は、基本的にKaggleをしていたが、週に1度のKaggleの講師と、1ヶ月間の機械学習案件のお仕事、本の執筆は行った。

就職活動の概要

就職活動の概要は、次の通りです。

・2019年12月、アルバイトでの採用が決まりそうになるが、就職先の事情が変わってしまい、不採用に。

・2020年1月、とても働きたいと思う企業を紹介してもらい応募。面接が進むが、3月に不採用通知をもらう。

・3月、twitterで就職先を探していると投稿し、twitter就活開始。LAPRASでも「就職活動をしている」という設定にして誘いを待つことにする。
いくつか声をかけてもらい、カジュアル面談などを実施。働きたいと思う会社3社に応募。
3社ともに内定をもらい、うち1社で6月から働くことにする。

3月に幅広く就職活動をしてからは、お誘いをうけることができ、Kagglerに対する需要を感じました。
2020年3月のコロナの影響が出始めたあたりでの、30代後半・ほぼ業務未経験・Kaggle金メダル3つという経歴でも就職はできるようです。

以下、時系列順にもう少し詳しく書いてみます。

前半(3月まで)の就職活動

どうして、専業Kagglerから就職活動をすることになったのかは、Kaggle days tokyoでの登壇で説明しました。以下に動画を貼っておきます。

簡単にいうと、Kaggleで自分でたてた目標(金メダルを5個獲得しグランドマスターになること)が達成ができなかったら就職するという約束だったので就職活動をしました。(実際に業務でKaggleで得た知識を試してみたいという気持ちもありました)


2019年12月にアルバイトで決まりそうだったところは、週3勤務である程度の給料ももらえて、残りの日はKaggleをできそうだったので、Kaggleの活動を続けるには丁度良い条件かなということで、応募しました。

...が、相手方の事情が変わり、年末に不採用の連絡をもらいました。


次の2020年1月から3月にかけての就職活動は、声をかけてもらいカジュアル面談をしたところ、働いているデータサイエンティストのレベルがとても高く、一緒に働いてみたいなと思い、応募した会社です。

3回目とか4回目の面接で、決定権のある日本で1番偉い方に面接してもらい、「未経験だからデータサイエンティストとしての採用は厳しいが、教育(講師)とデータサイエンティストを半々という職務内容であれば検討できる」ということを言われ、その後の6回目までの面接も良い感じに終わったので、採用されるかなと思ったのですが、3月に不採用という連絡がありました。

当然ながら不採用になることもあるので、1社だけを相手に採用活動をするのはリスクが高いということを改めて感じ、次からは複数の企業に応募することにしました。

後半(3月から)の就職活動

twitterでツイートをして募集したり、LAPRASでも「就職活動をしている」に設定したりしていたところ、いくつかお話をいただけて、多くの企業(8ぐらい?)とカジュアル面談をしました。

カジュアル面談は、時期的にもまだコロナの影響も小さかったこともあり、実際に会社に訪問して行えたのはとても良かったと思います。

会社の雰囲気とか、働いている人の様子とかって、実際に訪問してみないとわからない部分があるので。

カジュアル面談をさせてもらった会社の中から、是非働きたいなと思う会社3つに、応募して面接・試験が進んでいきます。(その他、日本の大手1社と外資の大手1社も連絡先を送るなどしましたが、連絡がなく次の段階へ進めなかったということもありました)

時期的に、いずれの企業も、ほぼオンラインでの面接・試験でした。

オンラインでの面接は、30分から1時間程度、自宅からテレビ電話で話すだけで終わるので、時間的には有り難いですが、面接としてはとてもやりづらかったです。慣れていないこともありますし、テレビ電話でのやりとりは、やはり会って行うよりもスキルが必要ですよね。

面接や試験では、SQLのコードが全然書けなかったり、アルゴリズムのことを聞かれて上手く答えられなかったりもしましたが、Kaggleでの実績などもおそらく考慮していただき、応募した3つの企業から内定をもらうことができました。

あと、カジュアル面談とか就職活動ってとても良いものですね。

カジュアル面談で、話すのはとても勉強になったので、もっと前からすれば良かったなと思いました。

就職活動も自分が何をこれからしたいのかとか、できるのかを考える良い機会となりました。
就職先は、とても迷いましたが(良いと思って応募しているのでとても迷う)、自分がこれから営業とか企画とかも含めた面白い仕事をやっていきたいという思いがあり、それが1番できそうな会社に就職することしました。

まとめ

公務員の時は、残業代抜きの年収が500から550ぐらい(ボーナス込みでこれくらいだったはず)でしたが、その年収よりも増える形での転職は、結果的にすることができました。(内定をもらった会社は、どこも公務員の時以上の額の提示がありました)

時期的なタイミングが良かったこともありますが、Kaggleに少しの期間、専念する生き方も悪くないようです。

今月末で23ヶ月間の「専業Kagger」も終わりになります。

来週は、専業Kagglerの振り返りのnoteも書いて、終わりにしようと思います。

質問があれば、コメントやマシュマロなのでお待ちしています。


業務未経験からKaggleを経て転職を試みる方へ

よく質問をもらうので、これも書いておきます。

本当に、データサイエンスやデータ分析が好きという理由であれば、この道へ進むのは良いと思います。しばらくは仕事もなくならないし、面白い仕事もできると思います。

ただ、給料が良さそうとか、楽そうという理由で進むのであれば、よく考えた方が良さそうです。

これからは、大学や大学院でしっかりとデータサイエンスを学んだ若手がたくさん社会に出てきます。採用ではその方と競争になります。
大学院生とか、本当に優秀ですしね、やばいです。

また、この分野は進歩が早いので、常に学んで行く必要があります。

Kaggleをやっている時とかにすごく実感しましたが、この界隈は大学院とかで学んだ後に会社に入り、昼に機械学習の仕事をしている方達が、仕事が終わって家に帰ってからKaggleや、その他の勉強を楽しそうにしている環境です。
そういう方との勝負なので、Kaggleで成績を残すのも難しいし、転職後もキャッチアップが大変なんじゃないかと。

このような世界に身を置こうとしているんだなという、知識だけは少なくとも持って決断した方が良さそうだと思いました。

(と書きつつ、自分はこの分野で、ずっと頑張れるかという、そこまでの覚悟もない、ゆるふわ勢ですが。)

Kaggleをやりたい方には、次の記事などに、進め方の案など書いていますので、よければ見てもらえらば。

参考

・この記事は、「営業マンが1年でSEになって機械学習エンジニアに転職する話」が、Kaggleでメダルを獲得して転職という選択をする人の参考になっていて、自分の経験も参考になればと思い書きました。

・来週書く予定の、専業Kagglerの振り返りの記事は、KaggleMasterになった方々の記録(例えば、Kaggle と出会ってから Master になるまで、そしてこれから。や、kaggle master への奇妙な冒険 〜ゴールドメダルはもらえない〜 など)がとても良かったので、自分も振り返りたいと思い書く予定です(頑張りたい)。

・この記事の内容は、5月22日20時10分から公開収録を行うpodcastでも話す予定です。(公開収録は次のアカウントで行います)


【追記】

面接で何を聞かれたとか、もう少し書けそうなことを追記します。

面接で聞かれたこと

サンプル数も少なく、そんなに一般化できないんですが、以下イメージです。

外資系と一部のベンチャーの面接では、「これまでの仕事で何をどのようにしたか」、「これから何をしたいか」ということを良く聞かれました。

公務員の時にどのような仕事をしてどのように取り組んだ・改善したか、Kaggleの講師をした時は何に気をつけたか、就職後のキャリア、就職後にどんな仕事をしたいかとかです。

〇〇について説明してくださいというのもあって、例えば交差検証・リーク・リストとセットの違いなどを説明しました。

自分がこれまで何をどのようにしたいか、これから何をしたかというのを良く整理しておくことが大切ですし、それ以前の働いている時から、良くベストプラクティスを考えて、その後の実績になるように取り組むことの重要性を感じました。

その他の企業では、志望動機や公務員をどうして辞めたのかや、Kaggleのことも良く聞かれました。

Kaggleの質問は、どのようなコンペに取り組んだか、何に気をつけたか、どうして金メダルが取れたのかとか。

また、就職後は、Kaggleのように精度を出す仕事ばかりではないが大丈夫かとか、PM寄りの仕事に興味はあるかなどですね。

Kaggleやっていましたと職務経歴書に書いての就職活動なので、それを話せるようにしたり、マネジメントに興味があるかどうかも明確にしておくと良さそうです。



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