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『キング・アーサー』『七人の侍』人物対応リスト

フークア版『キング・アーサー』は『七人の侍』

…をひろめたく、同じフークア監督の『マグニフィセント・セブン』と『荒野の七人』も含め、キャラクターの共通点で対応リストを作りました。

※注意:それぞれの作品で誰がどのように死ぬかネタバレしてます。

アントワーン・フークア監督版『キング・アーサー』(エイダン・ギレンが出てない方。マッツ・ミケルセンが出てる方。2004年公開)は、アーサー王の物語(歴史仮説)・人物を『七人の侍』と『荒野の七人』の枠組みに当てはめて作られている。(と、思う。)

したがって、これをアーサー王の話(もしくはローマ兵の話)だと思って観ると、残念な思いをする

『七人の侍』とそっくりなシークエンスもあるし、強弱はあるものの人物の関係も同じ構図を持っている。
(『キング・アーサー』では敵味方集団が4つなのと、ガウェインの影が薄いですが…。あと、バトルシーンのカットはそれほど似せてない。)

個人的には、
 イケメン枠のランスロット→バスケス
 久蔵→ブリット→トリスタン→ビリーの変遷
 最年少枠にエマが入ってくるなど村の娘=女性の扱い変遷
が注目ポイント。

基本情報

『七人の侍』 Seven Samurai
1954/米国1956 監督:黒澤明 Akira Kurosawa

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
1960/日本1961 監督:John Sturges

『キング・アーサー』 King Arthur
2004 監督:Antoine Fuqua

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
2016/日本2017 監督:Antoine Fuqua​

1 侍・ガンマン1:リーダー・戦術家

『七人の侍』 Seven Samurai
島田勘兵衛(志村喬):
刀も弓も戦術もできる武芸者。ほかの6人を集める。 村に柵を作り、野武士を少しずつおびき寄せて数を減らす戦法。

『荒野の七人』The Magnificent Seven
Chris Adams(Yul Brynner)クリス:
最初に農民に依頼を受け他の6人を集める。義の人。腕利きガンマン。

『キング・アーサー』
Arthur(Clive Owen)アーサー:
アルトリウス・カストゥス。ローマ人。サルマート人に設定された円卓の騎士6人を従える。理想主義者。サクソンを迎え撃つため、ブリトン人指導者マーリンに戦略家として指揮を請われる。ハドリアヌスの城壁で煙幕、火矢の戦術。

『マグニフィセント・セブン』The Magnificent Seven
Sam Chisolm(Denzel Washington)チザム:
エマの依頼を受けて他の6人を集める。罠を仕掛け悪党にわざと町に立ち入らせて迎え撃つ作戦。煙を活用。悪党のボスとは訳あり。

2 侍・ガンマン2:奔放/子どもに慕われる/相打ち

『七人の侍』 Seven Samurai
菊千代(三船敏郎):
ケンカが強い。長刀を持ち歩く。本当は百姓で戦災孤児。勘兵衛に憧れ、一度は追い払われるも後を追い仲間に加えられる。奔放。魚取り上手。泥酔したり、警報を鳴らして百姓を集めて叱ったりする。野武士の頭目に銃で撃たれるも相打ちに持ち込む。

『荒野の七人』The Magnificent Seven
Chico(Horst Buchholz)チコ:
酒に酔ってクリスに絡む。彼らの後を追いかけ川で魚を捕る。ガンマンに憧れている。抜け駆け(菊千代もやった)の自慢をする。
Bernardo O'Reilly(Charles Bronson)オライリー:
メキシコ人とアイルランド人を親に持ち、出自にコンプレックス。子どもに慕われる。死ぬ。

『キング・アーサー』 King Arthur
Lancelot(Ioan Gruffudd)ランスロット:
敵の副将にクロスボウで撃たれるも相打ちに持ち込む。
Bors the Younger(Ray Winstone)ボース:
恋人との間に子だくさん、子煩悩。粗野。武器は斧。
Dagonet(Ray Stevenson)ダゴネット:
助けた子どもに慕われる。
Arthur(Clive Owen)アーサー:
出生に秘密。

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
Joshua Faraday(Chris Pratt)ファラデー:
敵の兵器と数人を道連れに戦死。
Jack Horne(Vincent D'Onofrio)ジャック・ホーン:
山男。武器は斧。村の女性に繕い物してもらったり。死ぬ。

3 侍・ガンマン 3:リーダーの右腕/イケメン

『七人の侍』 Seven Samurai
片山五郎兵衛(稲葉義男):
腕試しの待ち伏せを見抜く。戦術家として勘兵衛の右腕。イケメンではない。菊千代が持ち場を離れたときの戦いで戦死。

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
Vin Tanner(Steve McQueen)ヴィン:
クリスの右腕。時にクリスに意見。賭博場にいる。明るい。イケメン枠。女好きそうなセリフあり。ヒロインと直接会話しないが言及あり。死なない。

『キング・アーサー』 King Arthur
Lancelot(Ioan Gruffudd)ランスロット:
アーサーの右腕。時にアーサーに意見。酒場で賭博している。明るくはない。超絶イケメン枠。女好きそうなセリフあり。ヒロインと会話あり。強い。二刀流。敵の副将と相打ちで死ぬ。

『マグニフィセント・セブン』The Magnificent Seven
Joshua Faraday(Chris Pratt)ファラデー:
ギャンブラー。二挺拳銃。銃うまい。一応イケメン枠。よくしゃべる。ヒロインと二人会話するシーンあり。敵数人と兵器を道連れに死ぬ。
Vasquez(Manuel Garcia-Rulfo)バスケス:
メキシコ人。二挺拳銃。首をかしげる仕草がランスロットそっくり。死なない。

4 侍・ガンマン4:最年少・人と違う道を行きたい

『七人の侍』 Seven Samurai
岡本勝四郎(木村功):
最年少、10代半ば~18歳くらい。勘兵衛に憧れ志願。子どもだからと最後まで勘定にいれてもらえない。志乃と恋愛。

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
Chico(Horst Buchholz)チコ:
一番若く、村の娘と恋愛。

『キング・アーサー』 King Arthur
Arthur(Clive Owen)アーサー:
ヒロインの恋愛相手。
Galahad(Hugh Dancy)ガラハッド:
一番若く、時にアーサーに反発。

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
Red Harvest(Martin Sensmeier)赤い狩人:
多分一番若い。長老に『お前の道は他とは違う』と言われた。エマが敵に狙われたとき代わって対抗。
Emma Cullen(Haley Bennett)エマ:
「自分も銃を持って戦う」と2回チザムに言うが、まともに取り合ってもらえない。(「戦いたい」と言うエマにチザム冷たくない?と思ってたけど、ここに入ると気付いて納得)

5 侍・ガンマン5:凄腕ナイフ/偵察係

『七人の侍』 Seven Samurai
久蔵(宮口精二):
一番か、勘兵衛の次くらいに剣術に長ける。一度断ったが思い直して参加。敵陣に乗り込み火縄銃を奪って来たりする。勝四郎に憧れられる。最終決戦で野武士の頭目に撃たれて死亡。

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
Britt(James Coburn)ブリット:
ナイフの達人。一度断ったが後で参加。偵察に行く。クール。チコに憧れられる。最終決戦で死ぬ。

『キング・アーサー』 King Arthur
Tristan(Mads Mikkelsen)トリスタン:
偵察係。偵察に行ってクロスボウをぶんどってくる。一番の武芸者で強い。ナイフも上手い。「真ん中に当てればいい」とアドバイスして呆れられる。東洋(モンゴル)っぽい武装、侍斬り。敵の大将と戦って死ぬ。

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
Billy Rocks(Byung-hun Lee)ビリー:
ナイフ投げ。強い。寡黙。東洋人。死ぬ。
Red Harvest(Martin Sensmeier)赤い狩人:
偵察係。ネイティブアメリカン。

6 侍・ガンマン6:忠実/報酬/戦線離脱

『七人の侍』 Seven Samurai
七郎次(加東大介):
勘兵衛の昔の家臣なので忠実。

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
Vin Tanner(Steve McQueen)ヴィン:
クリスと最初に知り合い。クリスの右腕。
Harry Luck(Brad Dexter)ハリー・ラック:
クリスの昔の知り合い。やたら報酬を気にする。一度戦線を離れる。死ぬ。

『キング・アーサー』 King Arthur
Dagonet(Ray Stevenson)ダゴネット:
忠実(マリウス救出作戦に異を唱えない)。氷上の戦いで身を挺して敵の足を止め死ぬ
Gawain
(Joel Edgerton)ガウェイン:
一番最初に報酬(退役証)をもらおうとする。

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
Joshua Faraday(Chris Pratt)ファラデー:
チザムと最初に知り合い。割とチザムの右腕。
Vasquez(Manuel Garcia-Rulfo)バスケス:
チザムの知り合い(賞金首)。
Goodnight Robicheaux(Ethan Hawke)グッドナイト:
チザムの知り合い。一度戦線を離れる。死ぬ。

7 侍・ガンマン7:腕に不安

『七人の侍』 Seven Samurai
林田平八(千秋実):
茶店で代金代わりの薪割り。武芸の腕前は中の下。旗を作る。7人の中で最初に落命。

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
Bernardo O'Reilly(Charles Bronson)オライリー:
宿屋で代金代わりに薪割り。
Lee(Robert Vaughn)リー:
クリスの昔の知り合い。賞金稼ぎ。自分の腕が落ちていることに不安、自分が殺した者たちの悪夢にうなされる。死ぬ。(WikipediaではLeeはオリジナルと書いてあるが、腕に不安という点が共通ということでここ。)

『キング・アーサー』 King Arthur
Bors the Younger(Ray Winstone)ボース:
Gawain(Joel Edgerton)ガウェイン:
二人とも戦場で割と攻撃を受けてけがしている。
Galahad(Hugh Dancy)ガラハッド:
「人殺しは好きじゃない」というセリフあり。

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
Goodnight Robicheaux(Ethan Hawke)グッドナイト:
南北戦争の凄腕狙撃兵だが、PTSDで銃を持ち人を撃つことを恐れている。死ぬ。
Joshua Faraday(Chris Pratt)ファラデー:
人を撃つことの後味悪さについてエマに講釈。

8 村の娘:恋愛要員→戦闘要員

『七人の侍』 Seven Samurai
志乃(津島恵子):
10代半ばくらい?男から身を守る目的で父親の万蔵に髪を無理矢理切られて男装させられる(本人は嫌がる)。勝四郎と恋愛。(男の道を邪魔する誘惑者みたいな描かれ方。最後は身分違いということで別れる。)

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
Petra(Rosenda Monteros) ペトラ:
父親に男装させられている。チコに会って惚れ合う。チコは最終的に村に残って彼女と結婚。

『キング・アーサー』 King Arthur
Guinevere(Keira Knightley)グウィネヴィア:
自分たちと一緒にサクソンと戦ってくれるようにアーサーを説得。アーサーと恋愛、結婚。自分をエサにしたところあり。 男装はしない。ドレスで弓を射たり、部族の武装で戦いサクソン副将も倒す戦士。父親にアーサーのことを聞いたというセリフあり。

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
Emma Cullen(Haley Bennett)エマ:
町を守るため用心棒を探しに出かける。自らも銃を構え戦線に加わる。 銃の練習中にファラデーが撃ち方を教えようとするも「父親がいたのよ」と断る。ファラデーに「戦うならズボンをはけ」と言われるもスカートで戦う(ズボンをはくことと銃を持つことは『荒野の七人』にセリフあり)。最終的に夫の仇をうつ。ラストのナレーションも彼女。恋愛はしない。

9 メイン百姓:依頼者・世話人

『七人の侍』 Seven Samurai
利吉(土屋嘉男):
村を襲わせないために妻が人身御供にされ、野武士のアジトで死ぬ。侍たちの世話をする。
茂助(小杉義男):百姓たちのまとめ役。
与平(左卜全):菊千代が持ち場を離れたときの戦いで戦死。

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
Miguel(Natividad Vacío)ミゲル:
村の有り金を持って銃を買い、使い方を教えてもらうために他2名とともにクリスに相談。

『キング・アーサー』 King Arthur
Guinevere(Keira Knightley)グウィネヴィア:
アーサーへの具体的な説得は彼女とマーリンから。
Merlin's Lieutenant(David Murray)ブリトン人兵士:
アーサーに命を助けられたり助けたりする。
Jols(Sean Gilder)ジョルス:
円卓の騎士たちの雑用係。武器の補佐、馬の世話。
Ganis(Charlie Creed-Miles)ガニス:
アーサーに助けられた農民で、ともに戦うことを志願。逃げる農民たちの先導を任されたり、ディレクターズカット版で「お前、農民じゃないだろ…?」という活躍ぶり。(菊千代要素)

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
Emma Cullen(Haley Bennett)エマ:
夫をボーグに殺された。食事の給仕してた。
Teddy Q(Luke Grimes)テディ:エマと一緒に用心棒探し。

10 サブ百姓:依頼側の内部アンチ

『七人の侍』 Seven Samurai
万蔵(藤原釜足):志乃の父親。勝手。(娘はお前の持ち物じゃねえ)

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
Hilario(Jorge Martínez de Hoyos)村長:
ミゲルと対立。(Petraの父親ではない)。ガンマンを出ていかせる。

『キング・アーサー』 King Arthur
Marius Honorius(Ken Stott)マリウス:
ローマ人有力者。アーサーたちに助けられたのに血迷った行動に出て死ぬ。

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
町の男:男たちを胡散臭そうに思う人もあり。娘を隠す父親も

11 長老

『七人の侍』 Seven Samurai
儀作(高堂国典):
侍を雇うことを提案。村はずれの水車小屋に住んでいる。死ぬ。

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
the old man(Vladimir Sokoloff):
銃の購入を進める。村はずれに住んでるがのほほんとしている。死なない。

『キング・アーサー』 King Arthur
Merlin(Stephen Dillane)マーリン:
ブリトン人の指導者。アーサーに自分たちの指揮を頼む。死なない。多分、グウィネヴィアの父親ではない。

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
牧師: チザムに礼を言う。死なない。

12 野武士頭目:戦闘での対立者

『七人の侍』 Seven Samurai
野武士頭目
『七人の侍』では敵役である野武士は名前もなく、顔が見えにくいなど無名性が高い。頭目とそれ以外の区別がつくくらい。
火縄銃撃ちまくる。菊千代と相打ち。

『荒野の七人』 The Magnificent Seven
Calvera(Eli Wallach)カルベラ:
『七人の侍』オリジナルと比べると、登場も農民・ガンマンとの絡みも多く印象に残る悪役。 クリスに撃たれる。

『キング・アーサー』 King Arthur
Cerdic(Stellan Skarsgård) セドリック:
サクソンの大将。トリスタンを斬り殺した後、アーサーにやられる。
Cynric(Til Schweiger)シンリック:
サクソンの副将の一人。クロスボウでランスロットを射る。ランスロットと相打ち。

『マグニフィセント・セブン』 The Magnificent Seven
Bartholomew Bogue(Peter Sarsgaard)ボーグ:
鉱山の採掘のために町の土地を奪おうとする資本家。下衆。エマに撃たれて死ぬ。

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