SEKIRO感想─ゲーム性編

せっかくなのでゲームとしての感想もあげておく。
まず総評として全体的に面白いゲームだったという感想。

・剣戟アクションの爽快感
 SEKIROの醍醐味オブ醍醐味。
 これがなかったらあまり面白くはなかっただろうと思えるほどの良システム。
 同時にこれがSEKIROの難易度の高さの要因とも言えるが(
 攻撃を連続で弾く爽快感、忍者らしさ、和の剣戟らしさ
 それらが全て上手く盛り込まれたシステム。
 最初はタイミングがぜんぜん掴めず、ガードになるか食らうかだし体幹はがんがんたまるし体力はモリモリ削れるしでイライラ要素になるが、掴めてくるとノーリスク行動になる。
 そして爽快感もさることながら、何より通常のアクションゲームのような“攻めたもん勝ち”ではないシステムが良い。
 最初の何十回かは死んでもいいのだ。
 弾くタイミングを覚えながら、相手の動きをひたすら見るだけ。
 それだけでだんだん敵のモーションが理解できる。
 そしてこの防御行動が相手の体幹ダメージとして生きているのだ。
 ゆえにおおよそ覚えて隙に攻撃を差し込めるようになった頃には、弾きと合わせて相手の体幹を削りきれるようになっている。
 脳死で強いモーションだけ出してればいいアクションとは違う、考えながら戦うができるゲームだ。
 それでいて近年のハイスピード志向にも耐えうるゲームスピードにしあがっているだろう(私は最近のやたら早さを求める流れについていけないが)

・とはいえ、これが同時にネック
 というのも、本当に弾きのタイミングが難しい。
 よくコツとして「攻撃が当たる直前」だとか「リズム」だとか言われるが、私の脳では「攻撃の振り始め」に合わせるのがジャストタイミングだった。
 リズムは露骨にずらしてくるやつが多いのでそれこそ覚えゲーしないと無理である。
 ゆえに未だに抜刀斎の二人は傘でないと倒せない。
 手元が光ったら?刺さるんですが?
 そういうレベルである(
 どれだけパターンを覚えようと、中には(人によっては)超反射を要求される攻撃があるのがネックだ。

・それでも周回クリアできるゲーム
 だが安心して欲しい。
 弾けなくても倒せるようになっている。
 最速でないというだけの話だ。
 先ほどの抜刀斎の話のように、対抗策はある。
 もちろん“誰でも超簡単”みたいな動画にある戦法でも苦戦すると思う。
 それでもがんばって超反射弾きしようとするよりはいくらか楽になる。
 走り回りながら“相手がこれを振ったら一発殴って逃げる”という攻撃を決め打ちしてもクリアできる。

・とはいえ、悪い面もあるもので
 皆が言うように、まさに死んで覚えるゲーム
 回生という復活システムもまさに斬られて覚えてくださいと言わんばかりである。
 だがこの死んで覚えるタイプであるにも関わらず、再戦に難がある
 セーブポイント自体はだいたい近いのだが…場所によっては毎回ムービーからだったり、連戦の最初っからだったり
 結構この空白の時間の多さが再戦への意欲を削ぎがちだと思う。
 特に連戦の最初っからは、一段階目・一人目を完封できるくらいまで慣れなければ本命の練習すらできないのだ。
 だいぶ折れる。
 修羅ルートエマなんかはもう途中から「瓢箪使ってるようじゃそこで終わりだからもうエマでは飲まん」という謎の縛りをすることになったくらいだ。
 まぁ、そこで折れずにがんばった結果、エマはほぼ回復なしで倒せるようになったわけだし、諦めないことが大事なことに変わりはない。

・攻略動画にありがちな嘘
 正しくは嘘ではない。攻略動画さんの情報はどれも正しく、大いに参考になる。
 だが例えばエマで「ロックして右回り(反時計回り)で歩いていればエマの左側の判定がスカスカなのでよけれる」というのがあり、確かに動画では避けれていたのたが、実際やると最速で振ってくる初弾の袈裟切りの切っ先がよく刺さる。
 他にも「横に歩いていれば」「危が見えたらバックジャンプすれば」系もだいたい刺さる。
 これは動画が嘘なのではない。
 正しくは「あるタイミング、ある距離、ある速度」が正しかったときにそうできる、という話なのだ。
 でも動画ではそうは説明されていないので、実際やると「なんでやー!」ってなるわけだ。
 動画の攻略情報は参考になるが、最終的にはそれらを組み合わせて自分なりの攻略を組み立てることになる。
 それを組み立てられるまでが本当に折れそうになる…
 なお私くらいのレベルになると「それが見えてから反応しても間に合わないぞ」って攻略法も出てくる。
 まぁ、そういったことも何度も斬られながら覚えるのである。
 そういうゲームだ。
 いつかは覚えれるし手癖もできる

・死に覚えはするが、やり込みゲー…とまではいかないと思う
 あくまで個人的な感想というか不満ではあるが、SEKIROは面白いにも関わらず、ある程度クリア、ある程度周回したらもういいかな…と思う。
 それはキャラメイクができないからだ。
 ダクソなんかは各ビルド分キャラを作った。
 同じビルドでも主力にする武器を変えて何キャラか作った。
 おかげで周回ルートもボス攻略もかなり安定した。
 だがSEKIROはビルドができないので、何周しても同じ狼さんだ。
 だから全エンディング見たらもういいかな、となってしまう。
 一応アプデで姿変えというスキン変更システムもきたが、見た目だけだしね…
 逆に言えば周回に踏み込みやすいという面もあるが。
 ダクソだとビルド別にキャラを作るのに忙しくて、ほぼ周回してない。
 2週目に踏み込んだキャラもいくつかあるが、祭祀場だったりマデューラで眠っている(
 そういう意味ではとりあえずで周回を始めれたのはSEKIROのよいところである。

・結局のところ
 剣戟アクションは楽しい。難しいけど楽しい。
 敵によってはまともに打ち合えないけど(
 まぁそれはそれで忍者っぽいし、いいかなと思う。
 だが変り映えしないキャラ、変り映えしないアイテムと周回しやすさに反して周回する意欲はあまり得られない。
 せめてDLCが来てたら、もう少し遊べたかなと思う。
 そんなゲームだった。
 面白いのでお勧めはしたいゲームである。
 お米ちゃんのお米をもらうためだけにやってもいい

お米は、大事。(本当に最後のお米のおかげで怨嗟の鬼倒せた狼

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