3DCGアニメを見ることを迷わない
※アニメ好きとしての知識にプラスして色々調べてこの感想を書いておりますが、実際のBanG Dream! It's MyGO!!!!!制作がどうなっているかは全くわかりませんので、あくまで個人的な感想と推測というところを念頭に置いて読んでいただければと思います。
3DCGに対する基本的な考え方は前回記事に記載しております
3Dアニメを作るのが目的ではなく、作品のための3Dになっている
BanG Dream! It's MyGO!!!!!を見た時に一番に思ったのは、没入感があることです。3Dだからどうとか関係なく、ストーリーに入り込めました。
今考えると映像のクオリティが「3DアニメBanG Dream! It's MyGO!!!!!」ではなく「アニメBanG Dream! It's MyGO!!!!!」を作るのに最適だったのがフル3Dだったというところまで来ているということだと思いました。
4つの要素に分けてしっかり考えていきます。
①3DCGならではの演出方法(日常シーン)
日常シーンにおける、3DCGの生かし方というのは、未開拓の分野ですが、BanG Dream! It's MyGO!!!!!には効果的な演出がいくつも散りばめられています。
・全編回想、燈の1人称目線(3話)
一番わかりやすく、大胆かつ3Dでしかできない、とても効果的な演出でした。燈の過去の回想で1話まるまる使うという脚本もすごいですが、それを成立させた演出に脱帽です。
3Dでは下を向いて手元を見ている状態から前を向く、倒れる、振り向く、自由自在のカメラワークで、リアルな燈目線で感情移入が半端ないです。
3話ラストは切なすぎて心がギュッとなりました。
まさに3Dの良さを生かした、最適な演出です。
・楽屋定点カメラ演出(7話)
第7話5人での初ライブ前のシーン、楽屋全体を映してそれぞれが勝手にやってまとまってないことを表現するシーンになります。2Dの場合は一人一人が写っているカットを作ってそれぞれの行動を描く必要があるところを、一つの画面で短い時間でこの様子が伝えられます。目立たない所ですが、これほど効果的な3Dの使い方を見たことがないというくらい物凄く良い演出でした。
・足元まで映るシーン
全国の脚フェチの皆さま、拡散お願いいたします。
2Dアニメは背景とキャラクターを全く別の方法で書くやり方から、足元や椅子に座っている脚を描くのに物凄く手間がかかるので、あまり見られません。こんなにキャラクターの脚が見られるのは3Dアニメだからこそです。
この事実だけでもBanG Dream! It's MyGO!!!!!観る価値があると思います。
②3DCGモデルの進化
そもそも3Dモデルがめちゃくちゃ進化してます。自然に見えるような工夫が随所に見られます
・キャラに合った多彩な表情パターン
3Dモデルだと同じような表情になってしまうことが多いですが、同じ状況に置かれたキャラクターがそれぞれ個性に合った表情になっているのが素晴らしいです。丁寧にモデルを制作し、シーンに合わせて動かしていることがわかります。微妙な変化でこれだけキャラクターの差をつけられているのが本当にすごいです。10話以降のそよちゃんも表情から心境が変わっていることが読み取れるの本当に素晴らしいです。
・目線
3Dアニメだけでなく2Dアニメでもそうですが、キャラクターが人形っぽく感じたり、絵のように感じるときは、焦点が定まっていなくてどこ見ているか分からない時だと個人的に思ってます。このアニメのキャラクターは目でもしっかりと演技していて感情を感じます。細かい所ですが、明らかにここにこだわって作られているシーンが多く、技術の進化と制作者のこだわりを感じます。おそらく目線を細かくいじれるように技術が進化しているのではないかと推察されます。
③2Dの使い方
・感情の爆発するシーン
感情が爆発するシーンの表情は、3Dで表現しきれないと判断してしっかり手書き2Dのアニメを利用している所に、制作の作品への真摯さが伝わってきます。
実際にどこまでモデルで動かしていて、どこまで手書きしているのかはわかりませんが、大事なシーンでアップの表情は手書きしていると感じました。3Dという手法にこだわるのではなく、作品の良さを最大限に表現するために手間を惜しまず制作されているからこそ魅力的な作品になっていることがわかります。
下画像のシーンの祥子ちゃんの髪の毛の揺れもおそらく手書きで書かれていて非常に印象的でした。
・ロリシーン
これは余談ですが、幼少期のシーンはモデルがないので手書きですね!
全員の幼少期設定見せてほしいですね。
・オーナー
画像はありませんが、オーナーも手書きですよね。オーナーが3Dモデルになってライブするまでは皆さんバンドリを応援しましょう。
④圧巻のライブシーン
これは説明は不要かと思います。なぜならここに違和感なくつなげるためにそもそも3Dで制作されているので、見れば全ての技術やこだわりがここに詰まっているとわかります。
詩超絆(アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」#10 挿入歌)
・楽曲がフル尺で楽曲中にドラマを入れる
これが他のアニメではほとんど見られない最大の強みかと思います。楽曲を売りたいアニメであればどうしてもCD音源で完璧なパフォーマンスを劇中で行う形で制作されます。この場合フル尺でライブしてしまうと物語が動かない時間が長すぎて、アニメとしての尺がカツカツになってしまいます。
さらに、ライブだけ3Dアニメの場合は、物語を入れようとすると3Dの映像に突然2Dの映像がカットインしてくる形になるので見ている側にノイズを与えてしまうというデメリットもあります。
対して「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」の場合は、演奏の出だしを失敗したり、最初声が出なくて歌えなかったり、MCの途中でBGMかけてそのままライブに突入したりなど、ドラマ部分とライブ部分がシームレスになっていて音楽と映像表現とお芝居が渾然一体となって感情を揺さぶってきます。
フル3Dであることを活かした最高の演出だと感じています。
これは本当に凄い挑戦であり、結果として素晴らしい作品になっています。
フル3DCGアニメのターニングポイントになる作品
素晴らしい作品なのはもちろんですが、日常的な世界観でのフル3DCGアニメを今後制作するとなった時に教材になるレベルの作品です。
3DCG苦手だという人もここから、見られるようになるかもしれないので、ゴリ押ししてでも見せた方がいいかもしれないです。
本当に後悔させないので、1回見てください!
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