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3DCGアニメだからBanG Dream! It's MyGO!!!!!を見ないって言う人について考える

BanG Dream! It's MyGO!!!!!は、日本製のアニメでは珍しいほとんどが3DCGで制作されたアニメです。これに対して「3DCGが苦手だから見れない」と言うコメントが少なくない数見られるので、「もったいない」と言う気持ちで考えています。

※アニメ好きとしての知識にプラスして色々調べてこの感想を書いておりますが、実際のBanG Dream! It's MyGO!!!!!制作がどうなっているかは全くわかりませんので、あくまで個人的な感想と推測というところを念頭に置いて読んでいただければと思います。

そもそも一般的なアニメと3Dアニメって何が違うのか?

一言で言うと作り方が違いで分類されています。

私たちが馴染みが深い一般的なアニメーションは2D(セルルック)アニメーションになり、それに対してBanG Dream! It's MyGO!!!!!のようなアニメを3D CGアニメーションとして簡単に説明いたします。

【2D(セルルック)アニメーション】
1枚1枚手書きで書かれた少しずつ異なる絵を連続で表示して動いているように見せる
イメージ:超高速ハイクオリティパラパラ漫画
 
【3DCGアニメーション】
コンピューター上に予め作られた3D空間とキャラクターのモデルを動かしてその空間に仮想のカメラを置いて撮影する
イメージ:実写の撮影をコンピューターの中で行なっている

このようにアニメーション=「動いているように見える絵」を制作すること以外は共通点がないほど根本的に考え方が違います。

2Dアニメと3Dアニメの使い分け

それぞれの手法には得意分野と苦手分野があります。ここで言う得意・苦手というのは「クオリティ」だけでなく「大変さ」や「難しさ」も考慮に入れています。

2Dと3Dの比較表

文章にすると長くなりすぎたので表でまとめました。

今の日本のアニメーションは主に2Dで作られていて、3Dの得意な部分で有効活用して組み合わせながら素晴らしい画面を作っています。

ちなみに私の中のベスト3Dはプリティーシリーズ(プリティーリズム、プリパラ、プリチャン、プリマジ)のライブシーンです。ダンスはもちろん衣装や演出、盛り上がりポイントの作り方などは圧巻なので一度でいいからご覧ください。一番おすすめはやはりプリパラです。

3Dアニメが敬遠される理由を考える

基本的な情報を整理したところで、
・「人形みたいで嫌だ」
・「背景と浮いているように見える」
みたいな意見が多かったように感じます。

ただ、大体のゲームに関しては、ほぼ3Dでキャラクターを描いているし、アニメでもアイドルのライブシーンやスポーツの一部のシーンではキャラクターが3Dで描かれていても、同じような文句は出ないのでもう少し深掘りする必要があります。

私は以下のような2つの大きな理由があると考えました。

①3DCGアニメの「演出」問題

3DCG特にアクションやダンスなど一般的にCGに向いているところ以外の、日常の会話シーンに違和感を感じる人が多いと思います。
3Dのモデルはもちろんキャラクターデザインに忠実で見た目としては可愛いかったり格好良かったりするのにも関わらず、なぜダメなのか。

順を追って説明したいと思います。

まずアニメ作品を作るときに一番に考えなければならないのは、作画のクオリティや精巧なCGではなく「物語やキャラクターの魅力を効果的に見ている人に伝えること」です。

見た目が正しい(設定に忠実)ことよりも、物語やキャラクターをそれに沿った表現で見ている人に分かりやすく伝えることの方が重要になります。

そしてこの点において2Dアニメは60年以上積み重ねた歴史があり、進化を続けています。

時には、人体ではありえないほど目を大きく見開いたり、首を傾げていたり、背景が謎の空間であったり、急にギャグテイストの絵柄になったりと、実写映像では作ることのできない自由な「演出」で物語、キャラクターの魅力を最大限引き出しています。

対して3Dは実写のように正確な動きやモデルをなめらかに動かすのは得意ですが、いわゆる日常シーンの会話劇を盛り上げるような、要素を抽出して強調するような演出は得意としていないのが現状です。

これは、フル3Dのアニメが日本で本格的に作られ始めたのも最近な上に、CGで日常シーンをやっているアニメの本数はとてつもなく少ないから仕方ない部分です。

どうしても「アニメ」の演出として2Dアニメでよく使われるような画面構成と表現を使った方が効果的かつわかりやすいので、3Dでその苦手な表現を行なっている作品が多いと感じます。

3Dアニメの作品に違和感を覚えるのは、2Dの効果的演出を3Dで表現しようとして苦手な「演出」を無理やりしてしまっているため多くの人が違和感を感じてしまうというところにありそうです。

これを克服しているのが大ヒットの某バスケットアニメです。あれはフル3Dとかいう次元も超えているような気もしますますが、既存の2Dの演出にはとらわれず3Dならではの演出で本当の試合を見ているかのような映像になっています。他のアニメでは見たことのないアングルが多様されてて勉強用に何度も見たいぐらいでした。

つまり3Dならではの演出方法が進化してどんどん確立されていけばフル3Dの日常アニメーションも生まれてくるのではないでしょうか。

②アニメファン2Dアニメーション好きすぎ問題

これは表題の通り、アニメファンが手書きの2Dアニメーションが好きすぎるが故に、3Dアニメを見ている時「3Dより2Dで作って欲しかった」という感情がありそうです。これは日本の2Dアニメーターの皆様が正気の沙汰ではないくらい頑張りすぎているのが原因ですね。

ダンスシーンとかアクションシーンでカメラが激しく動いて回り込んでいるシーンを作画でやっているのを見ると見ている方が気が遠くなります。

その人にしか描けないような唯一無二のアニメーションも確かに存在して価値のあるものですが、素晴らしいものを摂取しすぎてファンの感覚も麻痺してしまっています。

もちろんこの文化も継承しつつ、前述したアニメ本来の「物語を伝える」という観点で素晴らしい表現である3Dアニメも偏見なくなり増えていって多様性が広がるのが健全な世界だと私は思います。

BanG Dream! It's MyGO!!!!!の話は?

本題として何が言いたかったのかというと、「上のような2つの理由を克服しているくらいBanG Dream! It's MyGO!!!!!のアニメーションのクオリティ高いよ!!!!!」ってことなんですけど長くなりすぎているので、一旦切ります。

次回は本当にBanG Dream! It's MyGO!!!!!の感想を書きますので、お暇な方はお付き合いください。


画像を使えてなかったので、個人的に印象的な7話の「頑張れ」の祥子ちゃんはります。根っこは誰よりもいい子なのに一体何があったんだ。13話を迷子のまま待ってます。

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