NPO法人Make Cancer History設立
はじめまして。NPO法人Make Cancer History(メイク・キャンサー・ヒストリー)副代表の星野と申します。
私たちは、がん患者さん、医療者、研究者がつながりを深め、お互いの経験や知恵を共有することで、がん医療が推進することを目的としています。
名前のMake Cancer Historyは、"がんを過去のものにしよう"という意味が含まれています。
今後、がん医療にまつわることや、医療者・研究者・がん患者・その介護者などのインタビューも載せていく予定です。
また、NPO法人の設立手続きについても書いていきたいと考えております。
Make Cancer History発足の背景
設立者のMatthew Dons代表はイギリス人で、16年ほど日本で暮らしており、現在は家族と東京に住んでいます。
8年前、イギリスの家族に会いに一時帰国していた36歳の時、ステージ4の大腸がんと診断されました。当初は余命7-9ヶ月と医師に言われたそうですが、日本で治療を開始することを決心し、それから8年間、ずっと日本でがんの治療を受けてきました。
彼は人体の知識すらほとんどなかった状態から、自分で必死に医学の勉強をして、医師と相談しながら自分の治療を決めてきました。
とはいえ、二人のお子さんの世話をしながら、手術(大腸がん切除+人工肛門造設、肝部分切除、人工肛門閉鎖)、化学療法、放射線療法(陽子線、トモセラピー)のほか、免疫細胞療法と治療を続けるのは、並大抵のことではなく、這うようになんとか進んできたと言います。
多くの医療関係者や友人たちの助けを得ながら、末期がんでありながら8年間生き延びて来た彼は、お世話になった日本の医療に貢献したいと思うようになりました。
例えば、医科大学の学生さんたちに、がん患者としての体験を講演したり、模擬患者として医療英語の講義の手伝いなどをしてきました。
しかし彼は、もっと日本のがん医療を飛躍させるような支援をしたいとずっと考えていました。
一人のがん患者としてだけではなく、日本語があまり話せない外国人患者として様々な医療機関にかかるうちに、日本の医療が持つ課題を感じるようになっており、それを解消すれば日本の医療は効率的に進歩できると思ったのです。
がん患者+外国人患者として日本の医療の課題に気づき、NPOを設立
彼は日本の医療は技術的に優れているものの、コミュニケーション不足から生じる課題が根強く残っていると感じました。
日本ではまだ、診療科や病院を越えた連携は限られており、同じ病院内でも患者の治療に関する連絡が行き届いているとは言えないことも多々あります。
特に、彼には言葉の問題もあったため、先生に他の病院を紹介したもらったとしても、その病院に予約を取り、受診するだけでも一苦労でした。
がん患者さんは限られた体力や時間の中、必死でより良い治療を求めますが、個人でできることは限りがあります。
医療機関の先生やスタッフの皆さんの多くは献身的ですが、日々の業務が大変忙しく、治療法に関する最新の情報にアップデートし、実際に臨床の場に取り入れていく時間や気力がないことも多いでしょう。
また、大勢の命を救うような結果を出した研究者でさえも、患者さんや医師からフィードバックを受けられる機会は限られています。
そこで彼は、がん患者さん、医療者、研究者をつなぎ、日本のがん医療が進歩することを願い、日本の仲間を集めて2024年7月10日にNPO法人Make Cancer Historyを立ち上げました。
がんの転移が拡大 それでも諦めない
しかし、NPO設立するとほぼ同時に、元々あった転移巣の拡大や、新たに肝転移も見つかりました。
元々は、腫瘍循環器科という新たな概念を解説する冊子をクラウドファンディングで発行する予定でしたが、友人やNPOのメンバーが協力し、急遽、Matthew代表の治療費を募ることにしました。
For Good クラウドファンディングページ:FOR MATTHEW! (2024/8/11まで)
Matthewは、まだこれからも治療を頑張り、諦めずにNPOの活動を続ける強い意思を持っています。
これからどうぞよろしくお願いいたします。
日本語Webサイト:https://www.makecancerhistory.jp/jp/
Facebook:https://www.facebook.com/makecancerhistoryjp
Free Online Course for Cancer Patients and Carers
https://www.makecancerhistory.jp/cancer-course/
(まだ日本語字幕をつけていませんが、がん治療の体験についてのビデオコースがあります)
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