「シンプル」は退屈か洗練か?【美容師の話し】

「賢者は複雑なことをシンプルに考える。」
ソクラテス

シンプルなデザインが昔から好きで、ヘアカットはどれだけミニマムに作れるかをいつも考えていました。

ただ単純に、華やかさに欠けていたとか、考える頭の良さがないとか、そんな都合の良い言葉を見つけては、言い訳の様にカットしています。

美容師を目指そうと考え始めた高校生の時。

当時は部活も途中で辞めてしまって、
たまにバイトする生活だったので、映画を1日2本とかよく観ているやんちゃな隠キャでした。

特にヨーロッパ映画にハマっていたのですが、60年代のジーンセバーグやツィギーの様なショートカット女性にすごく心打たれており、

「いつかこんな人にお近づきになりたい」

と、隠キャな田舎少年には、

「美容師しかない」
と、
モテない男の自覚から、
少ない頭のキャパシティの中で、この様に想像したものでした。

その当時のトレンドの髪型はまさにミニマムでシンプルなヘアデザインがベースとなっており、

今の自分のルーツとなっている事は間違いないでしょう。

カットに関しては、シンプルなカットはどこから見ても美しいというイメージがありますが、どこか遊びがなくてつまらないという印象もあります。

ファッションの話しになりますが、
「マルタン・マルジェラ 」という、90年代にイノベーションを起こしたデザイナーが、1997年に「エルメス」のデザイナーに就任した時の話しは有名です。

スラム街の様なところでヘアショーをやったり、服を運ぶ時にかけるクリーニングした後についてくるビニールをそのままドレスに仕立てたりと異端な事をやっていたマルジェラ が

エルメスに就任した後の初めてのファッションショー

シンプルすぎるほどのブラックドレス

淡々とシンプルな色味のドレスを纏って歩くモデルのショーに、プレスや業界はガッカリとしたそうです。

「エルメス」というブランドは世界一、洗練されたミニマムなデザインのブランドだと勝手に解釈しているのですが、そこにマルジェラ がデザイナーとして入っても、揺るぎなさはそこにありました。

個人的にはめちゃくちゃカッコ良かったのですが、ファッションの世界は華やかさや新しさが常に求められる世界なので、評価は難しい。

「シンプル」という定義は、
多くの世界の偉人が、考えているテーマの一つでもあります。

「シンプルで控えめな生き方が、誰にとっても、体にも、心にも、最善であると信じています。」
アルベルト・アインシュタイン
「シンプルさは最終的な目標です。 とてつもない膨大な量の曲を演奏したのち、その報酬としてシンプルさを手に入れることができる。」
フレデリック・ショパン

そんな事を思いながら、
今日の本題である、動画を撮りました。

とても長くなりましたが、これは
動画の宣伝です。

カット動画なので、美容師さんは見てみてください。

stay simple stay playful

ジョブズからパクって作った、僕の好きな自分の名言です。

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