残光
当初はMyPlaylistシリーズとして考えていた本記事であるが、少し変更して想い出語りに１つお付き合い頂きたい。私は夜空メルちゃんの『夜空のとなりで』という楽曲が大好きである。この曲は2022年の9月9日に発表されたメルちゃん5番目のシングルで、メルちゃんの透き通った歌声と優しいギターのメロディが溶け合う、まるで音が沁み込んでくるように美しいバラード曲だ。
夜空メルちゃん。ちょっと天然なエンターテイナー、だけどここぞという時の頭のキレは特筆に値する。アーティストとしても目を見張るものがあり、バラエティに富んだオリジナル曲を多数リリースしている。私はメルちゃんのことを(お世辞ではなく)真の意味での天才アーティストだと思っており、正直なところホロライブで5本の指に入る実力だと思う。
だからこそ…先の発表には残念な気持ちがある。
これは戯れ言になるが、過去の件や発表されているかの事を考えると個人的には同情の気持ちもある。一方で、些細なことであっても情報漏洩は社会人として、組織人として御法度であり、今回の社の判断は至極妥当であると思う(ましては上場企業ともなれば、ね)。また、2018年から活動しているホロライブ1期生の、ましては1番手たる彼女がまさか…というところもあり、若干虚しさにも似た感情が渦巻いている。
けれど、旅路の終わりが誉められたものでなかったとしても、その道のりや各々感じた想いまで否定する必要はないだろう。1期生として黎明期のホロライブを支え、今日まで引っ張ってきたこともまた紛れもない事実であり、それはきっとメルちゃんを含む5人でなければ成し遂げられなかっただろう。また、私は自身をかぷ民と呼べるほど彼女を熱狂的に応援していたわけではないが、それでも彼女の配信やコラボで見るその姿に時に癒され、時に大いに楽しませてもらい、歌う姿に感動したのも純然たる事実である。そして配信や歌、紡がれる言葉のなかに、この『夜空のとなりで』の歌詞にある「誰かの光になれたなら」という想いが宿っているのを感じたのも事実だ。あの優しい想いは今も私の心のなかに残っている。例えそれが鏡像のまやかしであったとしても、目眩く日々で見た彼女は確かに私の光であった。
結局私はただの外野であり、事の全容を知ることはないだろう。とは言っても、今回の彼女の行いは事情はどうあれ、信じてくれた人への背信に他ならない。何より私もホロライブに推しがいる身。推しが悲しそうに話す姿やきっと自分も辛いだろうにファンをまず心配する姿を見ていると、哀しみと以前の(正直話題にすら出したくない)人ほどではないが、多少の憤りを感じる。豊洲NSSの場にいたあなた(たち)は彼女の涙を見て、あの言葉を聞いて、何も思わなかったのか感じなかったのか…なんて自分勝手なことを思ってしまう。
それでも、あの優しい想いをくれた彼女なら、きっとやり直せると信じている。あの声明文に書かれた想いは本物だと信じている。そしてまた誰かの光になって欲しいと…貴方ならなれるはずだと思っている。別の形でまた交わることがあるかは分からないが、貴方のこれからの旅路が幸せなものであることを祈っている。
えらそーなことばかり書いたが、哀惜と感謝の意を持って、今回はここで筆を置くことにしよう。
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