見出し画像

希望の音 ―ときのそらミニライブ感想―

 新しい音楽の形

7月16日から18日までの3日間を通して、様々なアーティストたちがYouTubeを使ってライブ映像を公開する企画『YouTubeMusicWeekend』が行われている。色々と制限されることが多いこのご時世だからこそ、アーティストが音楽活動をする上でYouTubeなどの配信サイトが改めて注目されているように思える。今回の試みは私を含めた多くの人がまだ見たことのない音楽に触れることが出来る、素敵な企画だと感じる。

そんな企画の中で深夜におこなわれる、音楽活動を行うVtuberに焦点を当てた『YouTube Music Weekend Midnight』という特集のなかに、我らがアイドル「ときのそら」ちゃんも参加し、ライブをおこなった。今回はその時の感想を綴っていこうと思う。

アーカイブがあるので、まだ見ていない人はぜひ!


 1.『Step and Go!!

  1曲目は『Step and Go!!』。誰もが先の見えない不安を抱え、混沌とするこの時代で、優しくて力強いそらちゃんの歌声と希望溢れる歌詞が心にそっと寄り添い、聴く者の背中を押してくれる名曲だ。

と、そらちゃんが言っているように、今回は3Dの全身を使ったパフォーマンスはないものの、おうちライブならではの身振りや表情を巧みに取り入れたライブとなっていた。

『Step and Go!!』では、サビでの「Everyday 解き放て」の歌詞でシャカシャカと腕を動かすところや、Cメロでの「止まない雨はないように」の歌詞のところで雨粒を手のひらで受ける仕草が印象的だった。

表情という点では、それまでのサビではキリッとした表情だったのに対して、ラスサビでは柔らかい表情になっているのに注目したい。 いつもの強くて優しいそらちゃんが音楽を通して垣間見えたような気がした。


2.『ブルーベリームーン

 『ブルーベリームーン』はとにかくカッコいい曲だ。PVもカッコいいのでぜひ見て欲しい!

先ほどの『Step and Go!!』とはうって変わって、疾走感溢れるロックテイストがカッコいいこの曲はそらちゃんの魅力を違う角度から見せてくれる。初めて聴く人はギャップに良い意味で驚かされるかもしれない。歌詞もカッコいい言葉が散りばめられており、前曲と同じく希望を歌ったエールソングと言える。

ロックなこの曲を引き立てるように、イントロやアウトロでの影を使った演出が光っていた。また、サビでのそらちゃんが手をグッとする手振りも良かった!


3.『ブレンドキャラバン』

 『ブレンドキャラバン』はキャラバン=隊商が示すように、皆を巻き込んで進んでいく、ワクワクするような曲だ。

かつてライブでやっていた、サビの部分で時計の針のようにグルグルするダンスは手振りという形で蘇った。あのダンスはこの曲を象徴するものだったので、こうした形でやってくれたのは嬉しい!そらちゃんも終始ニコニコゆらゆらと楽しそうだった! 


4.『IMAGE source』

『リア/リモシンパサイザー』や先の『ブルーベリームーン』が出るまでは、(私的に)そらちゃんのカッコいい系オリジナル曲といえばこの『IMAGE source』のイメージだった。

とにかくカッコいい(2回目)!ミラーや砂嵐の演出は曲をより引き立たせていた。『ブレンドキャラバン』同様、だいぶ久しぶりなこの曲は駆け上がるようなアップテンポが特徴な曲だ。今回の『IMAGE source』は今までのそれとは別格に思えた。まるでCD音源そのままで、そらちゃんの成長と可能性を感じた。

思えば約2年前にリリースされたメジャーデビューアルバム『Dreaming!』に収録されていたこの曲を初めて聴いたときは、そらちゃんの新境地を見た気がして歌詞通り「舌を巻い」たものだ。もう2年前になるのか…。


5.『花時の空』

 今回の選曲の中でもっとも驚いたのが、『花時の空』だ。この曲の原型は2018年1月に公開された『木の芽時の空』という最古のsoraSong(そらちゃんのオリジナル曲のこと)である。その後、作詞作曲した路地裏ロジック氏が2019年10月にアンサーソングとして2番以降を付けてリメイクしたのが、この『花時の空』だ。そしてそらちゃん自身の手で歌われたのが今年の5月なので、そらちゃんも後に述べているように、最古にして最新の曲ということになる。

この曲に関しては聴いてくれ、としか今は言いようがない。私は聴くたびにこれまでの歩みが走馬灯のように蘇り、言葉で上手いこと表現出来ない。感想と銘打っておいて非常に申し訳ないのだが、しっかりと感想が書けるようになるにはもう少しかかりそうだ。いわゆる「エモい」という言葉を使えば1発であるが、この気持ちをそんな短絡的な言葉に落とし込みたくはない。CDが届くまでにはなんとかします…。


6.『ゆっくり走れば風は吹く』

『花時』→『ゆっくり歩けば風は吹く』は我々そらとも(そらちゃんのファン)特攻のコンボだ。ライフがゴリゴリ削られてしまう。この曲はときのそらの歩いて来た、そしてこれから歩いて行く道を歌っている。『花時』もそうであるが、歌詞の1つ1つが心に沁みる。2番サビ直前の「誰かを演じてた 嘘はもうやめよう」という歌詞で、私はいつも2019.6.27の事を思い出して少しドキッとする。

歌詞ももちろん素晴らしいが、やはりオリジナルでのCメロまでの間奏部分の台詞が良い。今のそらちゃんに活動初期のそらちゃんはどう映っているのだろうか…。
サビの「見えてくるくる」の時のおててすき。


まとめ

  おうちライブはいわゆる既存の宅録に近いが、今までになかった新しいライブの形といえる。生ライブの臨場感と充実感は最高であるが、こうした形でのオンラインライブも、動くライブでは見辛い表情などを間近で見ることが出来、パフォーマンスも身振り手振りで表現することによって、従来のライブに負けないポテンシャルを秘めていると思う。今後が楽しみである。

今回のライブはすでにそらともである我々にとってはきっと思わぬ感動があり、初めて見る人にはバラエティに富んだ「ときのそらスターターセット」と言える内容であった。まだ知らない人への布教用にも良いかもしれない。

音楽は人と人の心を繋ぐものだと思う。1つの曲が時として人生を大きく変えることがある。こんな時代だからこそ、音楽を通してそらちゃんの強くて優しい心を知ってほしいと思う。誰かの想いは己を強くし、まだ見ぬ自分に出会えるかもしれない。自分がそうなったように。

最近はそらちゃんの配信に外国の方が来ることが多くなった。今回のライブから音楽が国境を越え、彼女の魅力がもっと多くの人に伝わってほしい……そんな事を考えつつ、今は「次も次もまた会える」ように、健康でいる約束を果たそうと思う。 

本ライブを企画して下さったYouTube運営さん、ホロライブの皆さん、共に応援したであろうそらともの皆さん、そしてそらちゃん!
素敵なライブをありがとうございました! 


感想はtwitterまで!