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感情は体のどこから生まれて来るのか。

▶︎感情は体のどこから生まれて来るのか。(雑学編)028

人の感情は身体のどこから生まれてくると思いますか?脳でしょうか?心臓でしょうか?脳は情報処理をしている臓器ですから感情が生まれている場所とは考えにくい。では心臓はどうでしょうか。

胸が痛い
胸が熱くなる
胸が躍る
胸が騒ぐ

など「胸(心臓)」と感情を繋げる言葉は沢山あります。しかし心臓=心という概念は元々キリスト教のものです。キリストの人類に対する愛の象徴である心臓を示す言葉として、聖心(せいしん・みこころ)があります。なるほど確かに心臓は感情が生まれる場所と言えそうです。

ところが昔の日本人は感情が生まれてくる場所については心臓ではなく別の臓器をイメージしていたようで、それがなんと「腸」なのです。かつて日本人は腹の中に考えや心の動きが収まっていると考えていました。

腹が黒い
腹が据わる
腹が立つ
腹を抱える
腹を決める
腹を割る

など感情と腸を繋げる多くの言葉があります。日本の侍が自害する方法に切腹がありますが、当時、人間の腹には霊魂と感情が宿っているという思想がありました。己の真心と潔白を示すために腹を裂いて腹中を見せるのが切腹の意味だと言われています。ちなみに相撲の行司が現在でも腰に脇差を挿しているのは、もし勝敗の判定を間違えた場合には切腹して責任を取るという昔のしきたりの名残りなのだそうです。

第六感のことを英語で「シックスセンス」と言いますが、もうひとつ同じ意味で「ガットフィーリング」という言葉があります。ガット「gut」とは腸の事で、西洋でも感覚的に腹に霊魂が宿っていると感じていたのかも知れませんね。

最近の科学でも腸と感情の関連性が分かって来ていて、ある殺人者の腸を解剖したところ非常に多くの悪玉菌が見つかったという事例がありました。悪い感情に悪玉菌が引き寄せられたのか、あるいは逆に悪玉菌が巣食っていたから悪感情が生まれたのか、その因果関係にはとても興味をそそられます。

演技の発声法に「胸式呼吸」と「腹式呼吸」がありますが、それぞれどういうシチュエーションで使うか想像してみてください。「胸式呼吸」の場合は「切ない気持ちを訴えるとき」「切羽詰まったとき」「浮ついた気持ちのとき」「嘘をつくとき」などがあります。では「腹式呼吸」の場合はどうでしょう。「覚悟を決めたとき」「穏やかな気持ちで相手を諭すとき」「しみじみとした気持ちで自分語りをするとき」「誠意を込めて話すとき」などさまざまですが、その時々のシチュエーションによって高い声と低い声を使い分けることで役の意志や意図が明確になります。ぜひ活用してみてください。

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