見出し画像

私、実は結構、夏が好きかもしれない

夏は嫌い。

太陽はどこまでも容赦なくて、紫外線に弱い肌は、ちょっと浴びただけで皮が剥ける。
1分も歩かないうちに滲む汗で身体は気持ち悪いし、立ち上る熱気でクラクラしそう。
かと思えば、電車やお店は冷房が強烈で、あまりのギャップに全身が悲鳴を上げているのがわかる。

「冷たいものばっかりだと夏バテするよ」なんて言われなくたってわかってるけど、ホットティーよりアイスティーだし、熱った体を冷ますためにアイスクリームは欠かせない。それで結局夏バテして、それみたことかと自分で反省するところまでワンセット。

挙げればキリがないほどに、苦手な要素が詰まっている。
私にとって夏とはそういうものだった、ずっと。


でも、最近気がついた。
ギラギラして目を開けるのすらしんどくなりそうな真夏の世界でも、そこかしこに目を奪われる景色があることに。

青空に伸びる空色の紫陽花

紫陽花


保育園の七夕飾り(本当はもっと色とりどりで華やかなのだけど、短冊が見えちゃうので端っこを)

保育園の七夕飾り


都会の片隅の涼、福徳神社の風鈴飾り

福徳神社の風鈴


お気に入りの小皿に乗せた西瓜ふた切れ


西瓜


水面のような、ゼリーのような、空のグラデーション

夏の午後の空


どんなに暑くても、どれだけ身体が怠くても、思わず足を止めてしまう景色。この一瞬を切り取りたいと思う風景。

自然が与えてくれるものもあれば、夏という季節を少しでも心穏やかに過ごすために人が考え受け継いできた工夫もある。
多くの人の手によって紡がれ繋がれた季節の言葉もある。

そういったひとつひとつが、熱気に溺れそうな世界から私を引き上げてくれる。

連日の猛暑を報じる天気予報にうんざりしたら、毎日ひとつ好きな夏の風景を探すことにしよう。
まだ梅雨明けしていないという事実を知って驚いている、2023年7月22日の関東にて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?