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ダイエットコーラ一筋だったアメリカ人ボスが、「午後の紅茶無糖」派になった理由

アメリカ生まれ、アメリカ育ち。
会議の飲み物はコカコーラ社のダイエットコーラ1択。
ダイエットコーラとダイエットペプシの違いがわかる男。

これは私が以前いた企業で企画スタッフとして勤めていた時に、部門のトップだったアメリカ人ボスのお話。

会社の売店には置いていないダイエットコーラ。彼の秘書はダイエットコーラを切らさないよう箱買いをして、部屋の冷蔵庫いっぱいに詰めていた。会議では必ずそこから1本取り出して持参するのがボスの日常。

だから、そんないかにもイメージ通りのアメリカ人ボスだった彼が「今紅茶にハマっているらしい。」という話を聞いた時には、正直ちょっと信じられなかった。

コーラのようなザ・炭酸飲料、ザ・清涼飲料を好むような人が、いきなり紅茶に趣向変えするなんて。本当に?

でも、その数日後、会議で目にした彼の目の前には、PC、iPhone、ノートパッドと並んで、午後の紅茶のペットボトルが置いてあった。しかも、「午後の紅茶 "無糖"」。

甘さと刺激の塊のようなコーラ一筋だった人が、一体どんな理由で甘くない紅茶派に? 

一番考えられる理由は「健康上の理由」だったけれど、どうやらそうではないらしい。

その頃、グループ会社があったインドを頻繁に訪れる機会があったボスは、もてなしとして紅茶を飲む機会があったらしい。そして、インドで出された紅茶の美味しさに感動したのだという。それまで眼中になかった紅茶が、一つの経験によって、一気に「毎日飲むならこれ!」に躍り出たのだ。

確かにインドの紅茶は美味しい。私もグループ会社に勤める同僚からお土産で様々な種類(茶葉やティーバッグ、そしてスティック状の容器に茶葉が入ったちょっと変わったティーバッグなど)のインド産紅茶をもらい飲んできたが、どれも間違いなく美味しかった。「インドのお土産は紅茶でお願いします!」と頼むくらい美味しかった。(お菓子類がもれなく日本人の口に合わない…というネガティブな理由もあったりするけれど。)

インドの経験から、紅茶という新しい飲み物に目覚めたアメリカ人ボス。
その後、いろいろなメーカーのペットボトル紅茶を試した結果、「これが一番美味しい!」という結論が出た。彼にとってのそれは「午後の紅茶無糖」だったのだ。

紅茶は美味しい。
ちゃんと美味しいものにめぐり合えれば、紅茶の美味しさはきっとわかる。
そして、「もっと手軽にこの美味しさを楽しめたら…」というティーラバーたちの贅沢な欲望に答えてくれるペットボトルティーがある。

会議のたびにダイエットコーラを持参するボスに対して、密かに「気が合わないな」と思っていた私だったけれど、この一件ですっかり、彼に対して親近感がわいてしまった。


そう、私もペットボトルティーならば「午後の紅茶無糖」派なのだ。



本日が「紅茶のある風景」投稿コンテスト最終日。
大好きな紅茶について思いのままに綴れる幸せ、それに対して「いいね」をもらえるという幸せ。
そして、美味しい紅茶が手軽にどこでも楽しめる幸せ。

この「ボスと紅茶のものがたり」は、そんな幸せな世界を作ってくれたキリンとnoteへの感謝状です。美味しい紅茶と素敵な企画をありがとうございました。




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