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【雑文】 深夜に警察がピンポンを鳴らす 2

息子は、昨夜の警察の来訪話をおもしろがっているけれど、私たち親としては、この案件、息子がターゲットにされているのかも、と考えると不安なもの。
息子には、昼間でも自転車置き場やマンションの死角になるようなところ、人気がない場所に行く時は周りをよく見渡すこと、もし、誰かがじ〜っと見ているようなことがあれば、すぐにその場から離れるよう申し渡しておきました。

息子たちも連日、家にこもっているので特におもしろい話もなかったようで、この一件を友達にチャットで知らせると格好のネタになりました。

親友のひとりが、息子に「キミ、夢遊病者なんじゃない?」と言い、息子も『もし、ボクが寝ている間に本当はマンションをよじ登っていたら?』とまんざらでもない様子でした。
そして、サイエンスクラスの課題で息子は「sleep walk」をテーマにしてリサーチし、学期終わりに提出したとか。
不審者よ、ありがとう! 息子に濡れ衣を着せようとしたあなたのおかげで、我が子はリサーチネタを得て、見事にレポートを仕上げました。

さらに、本当に偶然というか世間は狭いというべきなのか、犯人を特定できるちょっとした事件が起こりました。

ベランダ侵入が起こり、明けたその午後。

息子はクラスメイトAくんに誘われて、近くの公園にキャッチボールをしに行きました。
すると、息子たちと同じぐらいの年恰好の男の子二人が近くでやはりキャッチボールをしていたそうです。
その子たちが投げるボールはキレがあり、グラブさばきもうまくて息子たちの目を引きました。
ひとりの男の子が、「オレ、昨日の晩、やってもうてん」と言ったのを、息子のバッテリーAくんが聞きつけ、微妙にその子と距離を詰め、さらに聞き耳。
「・・・・警察が来ててさ」
「顔、見られたし」
「バレなかったらいいけど」
「絶対怒られる」
と言うようなやりとりが。
Aくんは、犯人は絶対この人だ!と確信し、キャッチボールを終えておしゃべりするふりをしながら、息子と二人でこのキレのあるバッテリーをさり気なく観察しました。
坊主頭、白いスニーカー、「昨日の夜、やってもうた」、これで息子たちの中では、犯人はこの人、と決定づけられました。

帰宅した息子がおかしそうにこの出来事を話してくれて、私たちもその子が侵入者である可能性がかなり高いと納得し、犯人がとりあえず中高生であることに安堵しました。

さて、その後、警察においてこの件がどのような捜査状況にあるのか気になるところ。
犯人はこのマンションの住人なのかどうか。

もらい事故的な立ち位置の我が家では、夫がマンション管理会社にこの件を連絡しました。
警察からは何も知らされていなかったそうで、管理会社の人が夕方やって来ました。
その人は、「こちらに伺う前に7階の方を訪問してきました」と言い、やはり7階住人はきわめて普通の人で、昨夜、私たちが警察から聞いたことと同じ内容を話したそうです。
7階の人、認知症?なんて疑って失礼しました!
新しい情報としては、ベランダ侵入者は、「家を抜け出して、これから友達と集まる」と言っていたとのこと。
管理会社の人曰く、おそらく、玄関から出入りすると親が起きてしまうのでリビングルームからベランダに出て、柱などを伝って7階に行ったのだろう、と。

しかし、その子がどの階のどの部屋に住んでいるのか分からないけど、ベランダ伝いでは絶対に外廊下に出られないし、仮によそから侵入したとしても地上階からわざわざ一度、7階にあがったことになります。何のために?

聞けば聞くほど疑問が湧く行動。

私たちが管理会社の人にいろいろと質問しているうちに、この人は7階の人とやりとりして、かなり犯人を特定できているんだろうな、と感じました。
しかし、プライバシーがあるので多くは語れないのだろう、と。

先述した同じマンションのママ友からの続報で、犯人はなんと、我が家のすぐ上階に住む一家の次男だと判明。
7階の人とも会えば立ち話ぐらいはするので、この件について聞いてみたんだそうです。すると、7階のご主人が、「いや、実は2回目でね。1回目の時に、『危ないからもう絶対したらダメだよ』って言っといたんだけど、またやったから今回は警察に通報したんだよ」と。
1回めは見逃したけど、2回目はお灸を据えたのかな。
「403の次男くんとうちの娘、同じ中学校なのよ。野球部で、不良ってまでは行かないけどやんちゃグループに入ってるし、校則の白いスニーカーでしょう。間違いないよ」

点と点がつながった気がしました。
息子が偶然、キャッチボール中に聞いた会話の主たち、管理会社の担当者の奥歯にモノが挟まったような物言い、そして、独自に動いてくれたママ友の聞き込み。

うちの息子と同じ学年の男の子か・・・。
なるほど、このマンションの部屋番号に詳しいわけだ。
自室の番号は言わずに、ひとつ下の我が家の階を答えるなんてなかなか知能犯。自分ちの番号を言うと、夜中に家を抜け出していることが親にバレるもんね。
だけど、4階から1階に降りる方が断然楽なのに、なぜ一度7階にあがる?

それは置いといて犯人が特定された今、私としては、犯人がうちの息子のことを知っているのかどうかが気になるところ。
前にも書いた通り、上階の次男くんとうちの息子は別の学校に通っているので、接点は全くありません。
キャッチボールをしていた時も、特にこちらを見るようなこともなかったそうです。

しかしアレですよね、警察も深夜に突然ピンポンを鳴らし、寝ている住人を起こして事情聴取しておきながら、結果、関係なかった我が家に「夜分にすいませんでした」と菓子折りの一つでも持って謝りに来てくれるとこちらの気分もいいのに、何のフォローもなしって、どうなの?

「番外編」に続く。

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