134回定期演奏会プログラム紹介〜魔笛〜

こんにちは、千葉大学管弦楽団です。
前回のアルルの女の曲紹介はいかがだったでしょうか。

今回は、演奏会の最初に演奏する、モーツァルト作曲の

「魔笛序曲」

について紹介します!

「魔笛序曲」は、非常に軽快で冒険的な雰囲気の曲です。大地を駆け巡るようなエネルギーが感じられ、これから始まる物語に期待してしまうことでしょう。まさに演奏会の始まりにふさわしい一曲だと思いませんか?

【晩年に書き上げた最高傑作】

モーツァルトの『魔笛』は、1791年に作曲・初演されたオペラです。モーツァルトはこの年の12月5日にウィーンで亡くなったため、これが

生涯最後のオペラ

となりました。モーツァルトがこの曲を作曲することになったきっかけは、劇団の座長・シカネーダーからの依頼でした。シカネーダーの台本とモーツァルトの作曲によって出来上がった『魔笛』は、ストーリーが非常にわかりやすく、大人気のオペラになりました。今でも相当な人気があり、日本でも海外でも年間舞台上演数でトップに入る作品です。

【『魔笛』はこんなお話】

舞台は時代不詳のエジプト。
主人公のタミーノ王子は大蛇に襲われていました。
そんなタミーノを夜の女王の配下の3人の侍女たちが助けてくれました。
そしてこんなお願いをします。
「夜の女王の娘であるパミーナが、ザラストロという悪人に攫われたので助けて欲しい。」
パミーナの肖像画を見せられたタミーノはパミーナの美しさに一目惚れ。
魔法の笛を持って、パミーナを救出しに向かいます。
何度も試練を乗り越え、タミーノはパミーナと結ばれました。

〜Happy End〜


実際は、2時間半に及ぶストーリーです。タミーノのお供でお調子者のパパゲーノやパミーナの母である夜の女王、実は悪人ではなかった?神官ザラストロなど魅力的なキャラクターがたくさん登場します。また、単体でも有名な「夜の女王のアリア」や「パパパの二重奏」は魔笛に登場する曲です。気になった方はぜひオペラ本編もチェックしてみてください。

【フリーメイソンの三和音】

序曲の冒頭では、弦楽器の重厚で力強い和音が3回演奏され、響き渡る和音が物語の神秘的な要素を予感させます。これは「フリーメイソンの三和音」と呼ばれ、全曲を通じて大きな役割を果たしています。フリーメイソンは16世紀後半から17世紀初頭にヨーロッパ各地で作られた友愛結社です。モーツァルトも、モーツァルトに作曲を依頼したシカネーダーも共に信者でした。「フリーメイソンの入会の儀式では目隠しされた志願者は扉を3回叩く」ということに関連して、全曲にわたって【3】という数字に支配されています。実際、劇中の多くの曲は調性が変ホ長調で♭が「3」つで、ほかにも「3」和音、フレーズの「3」度の繰り返しが度々現れます。

登場人物たちが色んな冒険に巻き込まれて、どんどん面白くなっていくという予感が、この序曲には詰まっています。単体でも楽しめる「魔笛序曲」。ぜひ耳を澄まして、大冒険のはじまりを感じてみてください!

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