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134回定期演奏会プログラム紹介〜交響曲第6番田園〜
こんにちは、千葉大学管弦楽団です。今日は演奏会のメインで演奏される
交響曲第6番「田園」
について紹介したいとおもいます!
交響曲第6番『田園』は、ウィーン郊外にあるハイリゲンシュタットで作曲されました。ひとことで言うと、ベートーヴェンがどんなに自然が好きだったかがわかる曲です。
「田園」は、当時37歳のベートーヴェンの指揮によって
交響曲第5番『運命』と共に初演されました。この「田園」と「運命」の2曲。同時期に作曲されたのに曲調が随分対照的ですよね。「運命」は、一音の無駄も許されない!という緊張感のある迫力を持っているのに対し、「田園」は、
自然が持つ開放感のある安らかさが溢れています。
曲調が正反対な一方で、曲の構成には似ている部分もあります。
冒頭に序奏がない点や、第一主題が8分休符で開始されている点、主題の終わりにフェルマータが付いていて一区切りされている点などです。
【常識を打ち破った芸術的作品】
通常、交響曲といえば4楽章構成です。しかし、『田園』は5楽章で構成され、第3楽章から第5楽章までは連続して演奏されます。これは古典派交響曲においては極めて異例でした。また、『田園』は、ベートーヴェン自身が標題を付けた唯一の交響曲でもあります。(「運命」はベートーヴェンが名付けたものではありません。)
交響曲に標題をつけることが一般的でなかった時代に、この作品に『田園』の名を冠し、各楽章に描写的な標題を付けたのです。
第1楽章「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」
第2楽章「小川のほとりの情景」
第3楽章「田舎の人々の楽しい集い」
第4楽章「雷雨、嵐」
第5楽章「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」
原文はこちらです。
第1楽章「Erwachen heiterer Empfindungen bei der Ankunft auf dem Lande 」
第2楽章「Szene am Bach」
第3楽章「Lustiges Zusammensein der Landleute 」
第4楽章「Gewitter, Sturm」
第5楽章「Hirtengesang. Frohe und dankbare Gefühle nach dem Sturm」
ベートーヴェンは「田園」において表現したかったこと。
それは自然が呼び起こす感情であって、自然の描写そのものを表現したわけではないようです。にしても第2楽章で登場する鳥の鳴き声や、第4楽章の迫力あるティンパニは、なかなかリアルです。
ちなみに、フルートがナイチンゲール(サヨナキドリ)、オーボエがウズラ、クラリネットがカッコウの鳴き声を歌っています。
このように「田園」は、ベートーヴェンの感性がたっぷり詰まった素敵な交響曲です。聴く際は、それぞれの楽章に込められたメッセージやイメージを意識してみてください。そうすることで、
ベートーヴェンの自然に対する愛情
がより一層感じられるでしょう。
小話ですが「田園」では、
極端に暇な楽器(笑)
があります。
トランペットは第3楽章の中間部から登場し、ピッコロ、トロンボーン、ティンパニは第4楽章から登場します。というかティンパニは第4楽章のみです。
「田園」の演奏時間は通しで約40分。そのうち第4楽章は約4分、第5楽章は約10分です。つまり曲の9割を聴く専として過ごしているパートが存在するということです……。寝過ごし事件が起こらないよう気をつけたいですね。
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