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張碩(チャン・ソク)詩選集、つくっています

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韓国の詩人・張碩(チャン・ソク 장석)さんの日本オリジナル詩選集を、戸田郁子さんの翻訳で2024年夏に刊行します。このマガジンでは、訳者の戸田郁子さんと編集者・五十嵐真希さんが、…
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#韓国文学

デビュー作「風景の夢」にまつわる話

「7080」という単語は、日本でも知られているかと思う。「昭和レトロ」のようなものかと解する…

編集にまつわる、あれこれ(3)

 編集作業で特に悩んだのが訳注の入れ方です。詩人と訳者と読者が詩を通じて交感し共感し合う…

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韓国の詩的環境と張詩人のブックコンサート

 2016年初冬の光化門広場は、朴槿恵大統領を断罪せよとロウソクをかざす人々でにぎわっていた…

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編集にまつわる、あれこれ(2)

 日本語版オリジナルの詩選集のつくり方は、大まかにいって2つの方法があります。1つは、韓…

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教育共同体から住居共同体へ

 張碩詩人の家は、京畿道龍仁市の郊外にある。ソウルの江南からの交通の便も良くて、現在は周…

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編集にまつわる、あれこれ(1)

 張碩詩選集の編集を担当している五十嵐真希です。ふだんは翻訳を主に行っています。そのよう…

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詩の翻訳にまつわる、あれこれ

 張碩(장석 )詩人の邦訳詩集の作業が進行中だ。夏頃には出来上がるだろう。金承福さんから邦訳の依頼を受けたのが2023年7月だったから、ちょうど1年がかりで実現の運びとなる。  詩人は1957年生まれ。1980年に朝鮮日報の新春文芸で詩人としてデビューを果たした。その後40年の沈黙を経て、2020年に初詩集を刊行し、2023年に4作目となる詩集を発表した。邦訳詩集はこの4冊の中から、61編を選んだものだ。  金承福さんは張詩人の詩集を読んだとき、「病んだ時代への治療薬のよ