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The Guardian書評10月4週

10月19日『イスラエルのガザ攻撃に対する米国ユダヤ教徒の抗議で数百人が逮捕された』
  ユダヤ教徒の左派はガザ地区に対する爆撃と封鎖を非難して大統領府や連邦議事堂で抗議した。ユダヤ系団体は抗議活動に対する不支持を表明しており、米国ユダヤ教コミュニティにおける亀裂が拡大している。



10月21日『ロンドンで開催された親パレスチナ集会に約10万人が参加する』
 ベルリン市警は親パレスチナ集会が反ユダヤ主義やハマス支持に関連するという理由から禁止している。ロンドンでは治安部隊と抗議者の双方が制御されており、逮捕者も少なく大部分が平和的だった。ただし解釈に議論がある「川から海まで」という標語、ユダヤ教徒に対するヘイトスピーチの使用が確認された。ロンドンでは開戦前後でユダヤ教徒に対する差別的な犯罪行為が1350%、反イスラム教的な事件が140%増加している。内務省はシナゴーグやモスクといった宗教施設の周辺警備を強化し、抗議活動に対応する警察官を1000人増員した。


10月24日「反ユダヤ主義の拡大はドイツ人を『恐ろしい時代』に連れ戻す」
 2018年から反ユダヤ主義・ユダヤ教徒の生活問題を担当するクライン連邦政府長官は、ドイツ国内における反ユダヤ主義の拡大に対して強い懸念を示した。「ダビデの星」をユダヤ教徒の所有物に対する落書き、シナゴーグに火炎瓶を投げ付けるといった行為が確認されている。
 他方でクライン長官は平和的な親パレスチナ集会に対する警察活動が基本的人権を侵害する可能性についても言及した。ドイツ警察は学生のパレスチナ国旗や特定のスカーフ、「パレスチナ解放」の標語、親パレスチナ集会の禁止を予定している。フランスでは開戦直後は親パレスチナ集会が全面的に禁止され、現在も一部の抗議活動しか許可されていない。ユダヤ教徒とイスラム教徒が多いドイツ・フランスでは宗教間の紛争が更に激化する可能性がある。



10月17日『インド最高裁判所は同性婚に対する法的承認の決定を拒否した』
 性的少数者に対する差別の禁止を強調する一方で、同性婚の法的承認は議会で決定されるべきと判断した。2018年にインドは植民地時代に成立した同性愛を禁止する法律を廃止している。過去には同性婚に関して4種類の異なる判決が出されており、今回も裁判官5人の内2人が同性間の「シビル・ユニオン」を支持した。政権与党のバーラティヤ(インド)人民党は同性婚を「都会エリートの主張」と批判し、伝統的な家族観を護持する立場を示している。同性カップルは法的な近親者になれず、銀行口座の接続や相続の承認が行えない。


10月20日『スーダンで戦闘が首都ハルツームから拡大し、数千人の難民が危険な状態にある』
 ゲジラ州や南コルドファン州まで拡大したスーダン軍と民兵組織RSFとの戦闘が、首都から民兵組織が拠点を置く地域に南下した難民を危険に曝している。ダルフール州では特定の民族に対するアラブ系民兵組織の作戦が実施されている。全国での学校閉鎖は児童2000万人の教育機会を奪うだけでなく、北部の政府軍や南部の民兵組織の徴兵に利用されている。民政移管の計画に起因する4月15日の戦闘から68村落が壊滅し数千人が殺害され575万人が避難している。
 避難地域に対する国際支援は困難な状況に置かれており、同地域では致死性の高い伝染病の流行も確認されている。エジプトとトルコは軍事ドローンを政府軍に、UAEは軍需品を民兵組織に供給している。


10月25日『欧州の若者は地球を保護するため自動車の運転を辞めて小さな家庭を持つ』
 若年層は環境問題に寄与する生活習慣の変更に前向きで、より大きな(犠牲的な)問題解決の取り組みを好む傾向がある。また自国政府に期待する環境政策もより急進的な取り組みが好まれる傾向がある。過半数が環境保護のため自動車を所有せず、自転車や公共交通を利用すると回答した。また肉製品や乳製品の摂取を控えて、青果物の自給や主食化に高い関心を示した。約2割の若者は気候変動が人間の活動が原因だと考えていないが、他の世代と比較すると人的要因だと考えている。
 約3割の若者が航空旅行により高い料金を支払う意思を示したが、大部分が経済的な理由から10年以内に住宅や家族を持てないと危惧している。






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