英語書評 4/20(4/11-4/18)分
中央アジア・南コーカサス諸国の外国語記事を扱っています。
04月11日『カザフスタン:警察は石油労働者の抗議を蹴散らし、政府は落ち着くよう説得した』
https://eurasianet.org/kazakhstan-police-disperse-oil-worker-demo-while-officials-plead-for-calm
首都での賃上げを要求する抗議活動の鎮圧は、彼らの出身地である西部マンギスタウ州の産油地帯で更なる反発を生じさせた。地域住民は拘束された抗議者の解放を要求してエネルギー関連の庁舎や会社で座り込み集会を開催した。中央と地方の政府は抗議活動が拡大することを警戒しており、積極的な広報活動と早期の釈放で対応した。
04月11日『アブハジアの事実上の統治者はトビリシの抗議活動に思い悩む』
https://eurasianet.org/abkhazias-de-facto-rulers-fret-over-tbilisi-protests
アブハジア政府はジョージアの首都トビリシにおける親EU運動で野党が政権を奪取することを警戒して地域間の移動を制限した。野党勢力はNATO諸国と共に「第二戦線」を南コーカサス地域に展開して、アブハジア・南オセチア両政府の支配地域を奪還すると宣言した。ウクライナ政府は国内のロシア軍の戦力を分散させるため、開戦後からジョージア政府に領土の奪還を呼び掛けている。両政府の支配地域を含む南コーカサス地域のロシア軍はウクライナ戦線に移動しているが、ジョージア政府は平和的手段による返還を徹底してきた。しかし現在の連立政権は両政府と同様の陰謀論に陥っており、NATO諸国に対する非難を強めている。言論規制に反対する野党勢力の規模は拡大しており、政権移行の過程で紛争リスクを高める可能性がある。
04月11日 『トルクメニスタン:「ゴルフ」の湾流』https://eurasianet.org/turkmenistan-golf-stream
①大統領の祖母が死去したという情報は、閉鎖的な同国において例のごとく政府が最初に公表した。②夏季に旱魃が予想されるなかエリート層の危機意識には差異―一方でゴルフ場での休暇、他方で水処理への出資―がある。③選挙結果により衛星政党の議席が増加して、「政党政治」の側面を強調するため無所属議員の議席が減少した。④同国における女性の地位向上のための運動は全て官製で表面的である。ただし活動家や市民組織はその限りではなく貢献している。
04月12日 『ウズベキスタンでの既視感は国民投票が権力維持に過ぎないからだ』
https://eurasianet.org/deja-vu-in-uzbekistan-as-referendum-will-keep-strongman-in-power
カリモフ前大統領は実際の施策で失敗しており、計略と詐欺により生前まで権力を維持していた。現大統領は同様に憲法改正に関する国民投票で、大統領の任期と再選回数を拡大する。西側諸国が中央アジア地域に見出す戦略的価値は、同地域の権威主義を現在でも強化している。
04月13日 『アルメニア゠アゼルバイジャン国境の軍事衝突で7人が殺害された』
https://eurasianet.org/seven-killed-in-armenia-azerbaijan-border-clash
EU市民監視員の配置後で最初の軍事衝突により、ラチン回廊で相対する両政府に緊張が走った。第二次カラバフ戦争の既成事実化(国境化)を実行するため、アゼルバイジャンの警備隊はアルメニア領内に侵入しており、陣地構築の過程でアルメニアの警備隊を攻撃した。双方が軍事衝突や国境警備での捕虜に対する虐待や拷問を批難している。
04月17日「ウズベク人ブロガーによる食品用着色料と『超えてはならない一線』」https://www.rferl.org/a/uzbekistan-blogger-food-colorants-religious-debate-haram/32367499.html
ブロガーは流通しているヨーグルトに含まれる着色料が、イスラム教のハラムに抵触する可能性があると発信した。警察当局は「個人的な生活を楽しむ市民の権利」と「私的な経営者の権利」に干渉したとして同人物を拘束した。しかし別のブロガーは同製品がハラムに該当する根拠を示して、同人物の主張が正当だと主張している。同国ではイスラム教の急進主義を警戒しており、教義や実践は宗教団体ではなく政府が管理している。圧政を敷いたカリモフ前大統領の時代から自由化は進んだが、政治や宗教に関する言論の自由は現在でも脅かされている。一部のブロガーは治安当局と何かしらの関係があるが、そうではない他のブロガーは情報発信にリスクが付きまとう。
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