アフターデジタル
アフターデジタル、読み終わりました。まだ、自分なりに解釈とか実務に落とし込めていないけど、整理のために要点を。
ほぼ書き出しに近いのと、一部自分の考えも入っています。。。
1.事例
・エクスペリエンスと行動データが競争原理の根幹
-オフラインの行動が全てデジタルデータ化→保有かと活用が鍵
-データ量/人が重要。よってユーザー接点は高密度である方が望ましい。
-データをため続けるには体験品質(楽しい、便利、使いやすい等)の高さが重要
-データを活用することで適したタイミングで適したコミュニケーションが可能となる→更に体験が良くなる→更に接点が増える→データがたまる、というループが生まれる
・消費は顧客体験やジャーニーへ→デジタル時代のビジネスは寄り添い型
2.学ぶべき視点
・アフターデジタルとは「デジタルで絶えず接点があり、たまにデジタルを活用したリアル(店や人)にも来てくれる」→リアルの方がツール
・顧客との接点はハイタッチ、ロータッチ、テックタッチ
・オフラインとオンラインは既に溶け合って違いはなくなりつつある。顧客はチャネルで考えず、その時一番便利な方法を選びたいだけ→モバイルもPCもコンビニもユーザーインターフェースの一つに過ぎない
・データをできる限り集めフル活用し、プロダクトとUX(顧客体験、ユーザーエクスペリエンス)を如何に高速で改善できるか
・OMO(Online Merge Offline)では重要な考え方
-チャネルの自由な行き来→ユーザーは“状況ごとに”便利な方法を選びたいだけ
-データをUXとプロダクトに返す→これをしないと顧客接点が失われデータが取れなくなる
-リアルも含めた高速改善⇒全てはユーザー志向、顧客視点
・顧客志向でサプライチェーンをリビル→例えば、アリババのフーマー、飲食店のデリバリーサービス(店舗面積小で済むため良い立地、味に注力)
・無人店等は体験をよくするための撒き餌(リアル購買データのコンサルのような)
・属性データは普段の行動データが繋がって初めて意味・価値があるデータになる→例:20代女性は全部同じと言っているようなもの
・行動の持つ意味合いを読み取り、最適なタイミングで最適な情報提供ができて初めて意味がある
・デジタルで如何に接点を取るかという顧客志向の視点が必要→プロダクト中心に据えるのはNG
・データエコシステム→データ取得事業、マネタイズする事業等でデータを共有することでユーザーを吸着する経済圏
・データエコシステムを作るには…
-第一段階:ペネトレーション→デザイン、テクノロジー、ビジネスをデザインシンキングが包括
-第二段階:ディフージョン→スモールビジネスのデジタルトランスフォーメーションを支援することでPF向けUXができあがる
-第三段階:エボリューション→既存ビジネスに応用して再構築、オンラインを軸として近しいビジネスと連結=エコシステム
-第四段階:データドリブン:エコシステムで得た膨大なデータを獲得して高速改善しデータエコシステムを作る
-第五段階:ホリスティック・エクスペリエンス →7つの要素でバランスの取れた体験を。NPSでエコシステムにおけるサステナビリティを見る
・実現には(エコシステム内で)明確に各プレイヤーの役割や力学構造の定義を行う必要がある
★エコシステム×OMOが必要★
3.既存概念を新たな視座で
・データは公共財か私有財か?
・データ規制や保護だけではなく新しい技術を生み出す緩和にも目を向けるべき
・AIに処理させる上で、アルゴリズムのリスク:アルゴリズム・フェアネスも存在
・アフターデジタルにおいてはリアルチャネルは密にコミュニケーションが取れる貴重な接点
・顧客体験を刺激したり、テーマパーク化した店舗でそれを実現(旗艦店もその一部?)→これらにより、人に自慢できる体験の提供が差異化要因→ソーシャルの時代は、人に教えたくなるような圧倒的体験が貨幣となる
・無人化店舗も会計が一瞬で終わり支払いを意識しないだけで、従業員とよりコミュニケーションを取れる温かいサービスを提供する店舗が生き残っている→ジャック・ドーシー「シンプリファイズ・ザ・ワールド」:決済はやらなくてはいけない行為でこれを短縮したり不可視化できれば本来の人間対人間のコミュニケーションや物語の交換に戻り、意識が一瞬で繋がることができる→レアな顧客体験に繋がっていく
・機能価値の提供だけではなく、「感情価値」「関係性価値」の提供がポイント
・体験はコピーされない
・アフターデジタル時代の顧客体験は、ユーザーのリアルペインを解決するために、一人ひとりにきめ細やかな対応ができるか、そこから如何に人間対人間のコミュニケーションを築いていけるか
・おもてなし等も顧客の体験を1回の単一接点で終わらせず、ずっと継続し、高速で改善できる:常時接続による「いつでもデジタル上で会える」。
・ユーザーにその世界観の上に乗ってもらい、そこで如何に自発的にコミュニケーションや体験を創り出していくか→環境やシステムを設計することによって生まれる体験価値
4.日本企業の変革を考える
・アフターデジタル時代のビジネス原理は以下の二つ。
①高頻度接点による行動データ×エクスペリエンスのループを回す
②ターゲットだけではなく、最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供する
・①はハイタッチ、ロータッチ、テックタッチで分けて考える
・②は行動データに基づいた顧客理解と即時性の重要性が高まっているということ
・これらを満たし、体験全体での価値提供を可能にすることが重要(従来は製品単体で価値提供するのみ)→常時寄り添い方になる
・「データのやり取り」が新たなインフラとなり、決済プラットフォーマーがトップに君臨し、エコシステムが構築されるのではないか
⇒但し、日本においては決済手段が多岐に渡りすぎていて、圧倒的なトップに君臨する決済プラットフォーマーが確立されないのではないかと思う。最も近いのがSuicaを持っているJR東日本だと思うが、特性上、決済単価が非常に低く、利用シーンが限定されているのでこれも困難と推測。。。
・各社はこのエコシステムで自社がどのポジションを確保するのかという視点が必要になってくる
・このようにデータのやり取りが社会インフラとなっていく
・企業が行うべき変革は以下の3レイヤー
①【全社戦略/ビジョン】社会/顧客を主語に。常に寄り添い、「最終的に顧客にどのような体験を提供し、どのような状態になっているのか」を会社全体で共有できるようにする。
②【事業戦略】「状況に基づいたターゲティング」。ジョブ理論に基づく(クリステンセン著書より)状況志向でソリューションを考える。
③【ビジネスモデル】製品もただの接点の一つ。バリューチェーンからバリュージャーニーへ。そしてのそのジャーニーで顧客からの吸着度を高めることが重要。そのために接点を獲得し、得たデータを各タッチポイントに還元していく。KPIとしてNPSが有効:自社サービスから離脱が一番痛手であるため
・日本企業がこれに対応し変わるにはボトムアップ型で以下を実行。
①経営レベルで世界観を認識する
②同じイメージを共有して実行するラインを作る
③行動データ×エクスペリエンスのクリックウィン(小さい成功)を作る
④その事例を大義名分に組織構造やデータインフラを整える
・バリュージャー二―を作るには「UXグロースハック」「UXイノベーション」が必要→UXグロースハックをしっかり実践し、そこで得た資産をUXイノベーションに活用。
・UXグロースハック内でUX企画を行うが、それにはサービスの価値、体験価値の改善が必要。そこで行動データを時系列で並べた「モーメントデータ」に変える必要あり→これで一般の人にも使いやすいデータとなりUX企画の難易度が下がる?
・UXイノベーションの本質は、人々がずっとその新たな接点を使ってくれるかどうか。そのポイントは以下の3つ。
①体験の連続性:他接点との連続性がないと使われない
②行動観察:人の行動を観察し、そこから発見点を得る
③デザインシンキング:プロトタイプを使った試行錯誤
【エクスペリエンス型競争社会ではエクスペリエンス×行動データの変革を行うことが重要なため、OMO型バリュージャーニーのビジネスに変える必要がある。それを実現するための方法として、グロースチームによってUXグロースハックとUXイノベーションを起こすボトムアップ型アプローチが有効である】