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BALLISTIK BOYZ『Back&Forth』インタビュー振り返りnote

先日、Culture CruiseでBALLISTIK BOYZに行なった4度目の取材。

以前に書いたnote同様、インタビュアーの視点で振り返ります。

ただこれは自分の頭の中を整理する備忘録と反省ノートなので、このnoteの主人公は終始ライター(聞き手側)である点をご承知おきください。

今回はリポストの縛りなどもなく無料公開しています。

▼今回はこちらの記事についてのお話です

別角度で魅力を伝える

これまでのインタビューでは、

  • 前編:楽曲制作

  • 後編:タイでの半年間やグループ活動

このような構成で語っていただくことが多かったです。

意図的な部分もあれば、あるいは実際に現場でも前編からインタビューを行うことが多いので、まずは取材の主軸である楽曲について聞くことを優先させてきたから自然とこの流れになった、という部分もあります。

現場の雰囲気は前編と後編では違った良さがあり、どちらもBALLISTIK BOYZが持つ大切で欠かせない一面だと思っています。

せっかく2記事に分けるなら、両方の視点からこのグループの魅力を伝えることを目指したいと常々思うのです。

前回まで、特にタイでの大変だったエピソードなどは後編で話してくださっていました。

そうとなれば、もしまた機会をいただけるなら、今度は前編でもタイでのことを聞いてみたい、と思っていました。

ここまでくると、聞かないと不自然な気もしてきた。

というわけで今回は、

前編→タイと「N.E.X.T.」のお話
後編→アルバム全体(+余裕があれば全国ツアー)

についてを軸にしようと考えました。

つまり、これまでとは逆転するような記事構成をイメージして取材に臨みました。

前回の振り返りnoteでは後編を掘り下げたので、今回は主に前編について展開していこうと思います。

前編 振り返りnote

奥田さんの言葉はとても胸に響きました。

私個人のXアカウントでpostした内容を見ていただくのが分かりやすいかと思うので貼ります。

(全員分この感じでpostしているので、他のメンバーの分はXをご覧ください)

辛い経験をファンに理解してほしいというよりは、現在の活動で得たことをいかに音楽としてアウトプットするかを、奥田さんは重視していらっしゃるように感じます。

その中にはポジティブもネガティブもあるのが当然で、都合の悪いものを包み隠していると、表層の上の方しか見えてこない。

だけどその累層の奥深くにあるリアルを伝えることで、やっと自分たちらしさが滲み出て、音楽性に変換されていく…といったことをイメージされているのかなと思いました。

ダンス&ボーカル界においては、音楽性をリスナーに理解してもらうまでには時間もかかります。そもそも音楽性を確立することもまた難しいのです。

しかしこうしてインタビューで紐解いていくと、7人いれば7つの賢い知恵が詰まっていますし、お互いの個性を尊重し合って日々作品を創り上げる姿が浮き彫りになります。

だからこそ展開図を広げるように、その扉の一つ一つ(メンバーの個性)を丁寧に開いて、軸となるものを自分の目で見て描写できるインタビュアーを目指したい、そう思いました。

「N.E.X.T.」について

今回の取材はアルバムのリリースが一番の目的なので、2記事ともに作品のことはしっかり聞くつもりでした。

中でも多くのストーリーによって生まれ、リリース以前からツアーでも披露されていた「N.E.X.T.」は、ファンの皆さんの思い入れも強いと思うので、必ず盛り込むべきだと思っていました。

この曲を知ることはアルバムを理解することにも匹敵するとも考え、アルバムの中で一番聴き込んだ曲です。

ただ記事構成に視点を置くと、1曲をここまで掘り下げるのなら、他の曲もそうしないとバランスが悪くなります。

他のライターさんであれば、時間配分も含め上手くバランスを取れるかもしれないですが、私は不器用なのでできません(要修正)。

ライターとしては褒められたものではないですが、今さら褒められようとも思ってないので、ここはファンとして突き進むことにしました。

特に、作詞・作曲を担当された深堀さんにはいろいろ伺いたかったので、前編では見出し一つ分くらいのブロックに文字量を割いても良いと判断しました。

その分、他の曲のことは後編の4人に聞けばきっとちゃんと返してくれるだろうという信頼のもと。

だからこそ前編で「N.E.X.T.」に時間も文字量も割くことが可能になり、3人全員にこの曲のことを聞いています。

砂田さんはこんな素敵なエピソードを話してくれました。

砂田:メンバーがゼロから作った曲を、グループとして歌ってリリースするというのが初めてだったので、大きな挑戦ができた作品だと思います。やりたいからできるというものではないし、今までの積み重ねや、周りの皆さんのおかげでできたことだと思うので、大切な曲です。未来ともサシで飲みながら話してたのですが、未来がこの楽曲を作ってくれた時に、僕は未来に今後も楽曲担当として曲作ってほしいな、任せられるなと思ったので、今後のBALLISTIK BOYZにとって大きなターニングポイントになる作品だと思います。

https://culture-cruise.com/bbz-backandforth1/

“未来ともサシで飲みながら”?…今すごいパワーワードをさらっと言ったね?  何ならそこ掘り下げたいんだけど。

砂田さん、前回の“MANATOとカラオケ(from BE:FIRST)”しかり、無自覚なのかすごいことをさらっとおっしゃる方です。

でも安易に聞かない、欲しがらない、全部聞きすぎないが自分の鉄則。

“MANATOとカラオケ”を話せばどれだけ切り抜かれるかも分かっているだろうに、“未来に今後も曲作りを任せたい”という話は、目の前に当人の深堀さんが座ってて、横には奥田さんが座ってて、NY留学時代からずっと一緒にいるおふたりの視線をガッチガチに受けて話しているわけです。

インタビューとはいえ、腹を割って話すことには躊躇いもあると思います。いわば幼なじみの前で本音を打ち明けている状況だと察しますので。

本当にただ素直に話してくれる場合と、実は後のことまですごく考えて発言する場合とがあるのが砂田さんです。

「大切な曲です。」までで終わっても十分すぎる回答なのに、あと一歩踏み込んで話してくれることは、インタビュアーにとってありがたすぎる情報になります。素晴らしいプロです。

普通のメディアなら“未来とサシ飲み”の方に走るのが正解なんだろうな。

でもここでそちらに走れば、深堀さんの感情の波は引いて、集中力もリセットされてしまいます。

所要時間を計算すると、後で戻って聞く余裕もない。

そんなワードは聞かなかったかのようにスルーして、すぐに深堀さんに答えを求めました。

でもスルーしてよかったです。最終的に深堀さんが話してくれた言葉に、気付かされることがたくさんあったので。

深堀:「Drop Dead feat. TRINITY」でコラボさせてもらった、BOTCASHさんとの出会いがあって、そこからすごく刺激を受けました。普段やっていなかった音楽をやらせてもらって、直接プロデューサーさんと話す機会を初めて与えてもらって、趣味でずっとやっていたものの、作品を出そうとはまだ思ってなかったんですけど、空いた時間を勉強に使えたので、成長することができたと思います。だからこそメンバーも認めてくれたんだと思っています。

https://culture-cruise.com/bbz-backandforth1/

深堀さんはコツコツ勉強を続けてきて、それを知っているメンバーに対しても「認めてくれた」のだと表現しています。

まずはメンバーさんから認めてもらうことを、深堀さんは大切に考えていたのだと気付きました。

この言葉は、自分にとってすごく価値のあるものでした。

一番身近にいる人に行動を理解してもらうことも、作品を受け入れてもらうことも大切。

メンバーにパフォーマンスをしてもらって、ファンの皆さんに受け入れてもらうまでが完成の道のりなのだと感じました。

自作曲なら何でも万歳ではないですし、そもそも創作ができても、組織では自由にリリースできるわけではありません。

グループ活動の根幹を、深堀さんは理解されていらっしゃるのだなと思いました。そして慎重に発言されているのも感じます。

クリエイターの気質と両立させるのは想像以上に大変だと思いますが、深堀さんやBALLISTIK BOYZは、それすらも拠りどころにできるアーティストになっていくのだろうと思いました。


ちなみに後編でも「N.E.X.T.」のことを聞いていますが、あえて視点をずらして、松井さんではなく海沼さんと日髙さんにお聞きしました。

加えて後編では、予想以上にツアーへの意気込みをしっかり伝えてくださったので、ここに対する自分の探究心もまた湧いてきました。

本当はまだまだ聞きたいことがあったのですが、いつものように時間の壁に阻まれたので、また呼んでいただけたらいつか続きを聞きたいと思います。

今回も素敵なお話を聞かせてくれたメンバーさんと、まっすぐに受け取ってくださった読者の皆さんに感謝したいです。

次はBALLISTIK BOYZともゆかりの深いグループにも取材のバトンを渡せそうなので、良いコンテンツが作れるよう反省と準備を重ねて臨みたいと思います。

カバー撮影:小山恭史


最後までお読みいただきありがとうございました!

▼このnoteで取り上げたインタビューはこちら

▼前回のインタビューで感じたこと

▼過去の反省ノート(2023.5)


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