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まさに波乱。 CL第3節 インテルvsバルセロナ マッチレビュー

第2節でバイエルンに敗れてしまい、グループステージ突破のためになにがなんでも勝ち点で並んでいるインテルとの一戦を制したいバルサ。マジョルカ戦をなんとか1-0で勝利し、悪くはない雰囲気でジュゼッペ・メアッツァへと乗り込む。

それではインテル戦を振り返っていく。

多くの方に読んでいただきたいので、拡散していただけるとありがたいです。

スタメン

インテルは予想通りの5-3-2。欠場したブロゾヴィッチとルカクの代わりにチャルハノールとホアキンコレアが出場。また、右WBはデュンフリースではなくダルミアン、GKはハンダノビッチではなくオナナが起用された。っ要注意選手はやはりエースのラウタロとIHのバレッラ。

バルサはスタートポジションは4-3-3。マルコソアロンソはバイエルン戦と同じようにスタメン出場。シャビがただプレー強度だけで選んでいるとは思えないからCLだけマルコソアロンソを重宝する理由がなにかしらあるのかも。

いつもと違うのはWGがいつもと左右入れ違えになっていること。リーグ開幕戦のラージョ戦で試して失敗した右デンべレ左ハフィーニャの形。あとからも触れるし、試合を見ていた人なら一目瞭然だと思うが、これがまあ失敗失敗。

いきなりの3バック&左ハフィーニャ

この試合でシャビが仕込んできたのが3バック。今シーズンはソシエダ戦のみで使用。マルコスアロンソが高い位置を取ってセルジロベルトが低い位置で組み立てに参加する左肩上がりの形。その上左サイドにハフィーニャ。さらにマルコソアロンソが左サイドの高い位置を取るため、ハフィーニャは必然的に左のハーフスペースでプレーすることとなる。いろんな意味で不慣れな形でインテル戦に臨むことになった。

シャビが3バックを採用したのはおそらくビルドアップ時に後方での数的優位を作り出したいため。セルジロベルトを下げることで瞬間的に3バックを作り出し、ビルドアップのスムーズ化を狙った。シャビはもしかしたらバルサはボール保持時に2-3-5っぽくなる形に対してインテルの5-3-2はがっちり噛み合うからそれを嫌って3バックを採用したのかも。ただ、後半から方針を変えていつものように2-3-5っぽくなったが、インテルが前からハメに来るようなチームではなかったために案外苦労はしなかった。むしろ効果的プレーができていたとは言えないものの、セルジロベルトが5-3-2の脇に入り込んでクロスを上げるとこまではいけていた。(クロスの質やクロス、デンべレへのパス以外のプレーバリエーションも求めたい)

ここまではまあ理解できるが、意図がよくわからなかったのはハフィーニャを左のハーフスペースでプレーさせたということ。僕を含め多くの人のハフィーニャに対するイメージは右サイドでボールを受けてカットインドリブルを仕掛けたりスルーパスを狙ったり、クロスを上げるようなものだと思うし、それが彼の強み。しかし、このポジションでのプレーは左利きのハフィーニャにとってはどの強みも出せなくなる。できたとしても精々クロスぐらい。この試合ではボールロストも多く、インテルにとってはやりやすかっただろう。

あと1つもったいなかったのは、ぺドリの仕事の割合として組み立てが多かったということである。この試合ではブスケツとダブルボランチを組んでプレーした。ぺドリのことだからこのポジションでも抜群に上手いのだが、ぺドリのチャンスクリエイト能力を考慮すると、やっぱりゴールに近い位置でボールを触ってほしいという気持ちがある。

そう考えるとインテル戦でのぺドリとガビのプレーポジションを入れ替えてもよかったのかもしれない。ただダブルボランチとなるとあのポジションの最適解はデヨングになる。

一概には言えないが、もしかしたら僕たちとシャビの認識しているそれぞれの選手の強みというものは少しずれているのかもしれない。ハフィーニャをハーフスペースでプレーさせたことも、ぺドリを低めの位置で起用したのも僕たちが知らない一面を見て判断したのかもしれない。

外回りのパス回しと明らかなアイデア不足

インテル戦で顕著だったのはボールがインテルの守備ブロックの外側を長い間走っていたということと、まともな攻撃手段がデンべレのドリブル突破だけだったということ。

当たり前のことだが、ブロックの外側でどれだけボールを回されても守備側からすると全く怖くない。インテルの選手を動かすことができず、ボールだけが走っている状態だった。なおさら5バックなら横のスライドはそれほど苦にならず、インテルが感じた脅威は少なかったかもしれない。

デンべレの仕掛けはある程度の脅威をインテルに与えることができたかもしれないが、結局デンべレでしかまともに攻めれないならインテルとしてはあまり怖くはなかったと思う。

どちらもこのような結果になってしまったのもやはり先述した低いぺドリの位置が大きく影響していたのかなと思う。

ぺドリはライン間でボールを受けてスムーズに前を向くこともできるし、前を向いてからのアイデアも豊富。この2つの問題を解決するためには必要不可欠な存在なのだ。

ただそれでも、インテルの守備ブロック(特に中盤の3枚)の粘り強さとプレー強度はさすがだなと感じた。ムヒタリアンなんかは前半からセルジロベルトがボールを持つとそこまで出て行ってプレッシャーをかけるし、デンべレがボールを持つと対峙するディマルコに縦を切らせて中を切るためにプレスバックもする。

インテル戦で出たボール保持時のアイデア不足は、これまでリーガの格下相手に対して個人技でなんとかしていたツケが回ってきたような感じ。もちろんタッチライン際で待っているデンべレやハフィーニャへボールを届ける過程も戦術ではあるが、ボールを届けた後がまだまだ個人技頼みになっていてデザイン性が見られない。個人的には後半からの流れのようにSBをもっと効果的に使ってほしいなぁと感じた。

さすがにシャビもこんなとこで終わるような監督じゃないし、まだまだ戦術の向上の余地はあるはず。せっかくボールを持てるチームなんだから主体的相手を動かしてゲームを有利に進めたい。

疑惑の判定

まあおそらくこの試合の1番の論点はこれ。バルサ側として主張したいのは
・ぺドリのゴールの取り消し
・デュンフリースのハンド
・チャルハノールのブスケツに対するファール
の3つ。
ここではあーだこーだ言うつもりはないけど、やっぱりオンフィールドレビューなりしてほしかった。特にデュンフリースのハンドは取られても全くおかしいものではなかったわけだし。

バルサとしても抗議文を出すことになっているらしく、これを機にいい方向に転んでくれることを願うのみ。

まとめ

疑惑の判定が覆らなかったというわけで認めたくないけど負けは負け。GS突破が一気にきつくなってきた。けど、来週カンプノウでインテルを迎え撃つ。ここで勝てなきゃほんとにまずい。ある意味追い込まれているけど、ある意味カンプノウでの意地を見せつける絶好の機会。大幅な戦術的変更はできないかもしれないけど、インテルのやり口は掴めた。今回の敗戦を踏まえてシャビはきっといい方向へもっていってくれるはず。

今回はここまで。次回はセルタ戦です。
多くの方に読んでいただきたいので、拡散していただけるとありがたいです。

では。

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