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運のいい人はひとり勝ちしようとしない


アフリカのクロサイ。
 
個体の能力でいえば、最強の種といってもいいくらい、凶暴で攻撃的、巨体をもちながら、移動のスピードも速く、非常に戦闘や競争 に強い動物です。 
 
しかし、向かうところ敵なし、のようなこのクロサイも、ひとたび環境が激変する と、真っ先に絶滅危惧種となってしまったのです。
 
 
クロサイは、個体の戦闘能力が高いので、成体になってしまえばその後の生存競争で命を落とす危険がほとんどありません。
 
この条件下では、少なく産み、その子の面倒をしっかり見て、強い成体に育てることがいちばんの生存戦略となります。 
 
たくさんの子を産んだほうが有利なのではないか、と思う人もいるかもしれません。 
 
しかし、子をたくさん産むと、母体への負担が大きく産後の母親が狙われやすくなる 確率が高くなってしまうのです。 
 
さらに、せっかく母親が体力や時間や労力を使って子を産んでも、
親の目が届かないほど多くの子がいると、成体になる以前の子が、
いちばん狙われるリスクの高い状 態ですから、
ライオンやハイエナに襲われて、命を落とす危険が高まってきてしまうのです。 
 
 
つまり、クロサイは、弱肉強食のアフリカで、少数精鋭の子を育てる、という戦略で生き残ってきたのです。
 
しかし、これが仇となりました。 クロサイは、個体の能力がきわめて高いためか、群れをつくることがありません。 
 
また、子どもも少ししか産みません。
 
最適の戦略のようにみえます。
 
しかし、これは 過剰適応といってもいい、危険な状態であったのです。 
 
 
クロサイを絶滅危惧種にまでしてしまった環境の変化、それは、
「ヒトの出現」で した。 
 
これはクロサイにとって、天敵が現れた、などという生やさしい出来事ではなく、 天変地異に近いような大事件だったのです。
 
なぜなら、天敵の出現であれば、少しずつ時間をかけてまたその条件に適応していけばよいのですが、ヒトはクロサイに、適応しなおす暇を与えませんでした。
 
 
自然の適応力を超えるスピードで、ヒトはクロサイの生きる環境を破壊していったのです。まるで、突然地球に落ちてきた、巨大な 隕石のように。 
 
こうなると、過剰適応してしまっているクロサイは、環境の激変には耐えられません。
 
あっという間に、絶滅危惧種になってしまいました。


生き残るためには他者を思いやる社会性が必要、と述べました。
 
しかし、他者を思いやるだけでは生き残ることはできません。 
 
たとえば企業は社会の役に立つことが大前提ですが、
自社の利益を度外視し、ひたすら社会のことだけを考えて活動していたら、いずれは倒産してしまうでしょう。 
 
自分は何も食べずに、ほかの人に食べ物を与えつづけていたのでは、
いずれは病に倒れてしまいます。 
 
つまり、生き残るにはまず自分が勝たなければなりません。
 
しかも勝ちつづけなければならないのです。 
 
 
ではどうしたら、他者への思いやりをもちつつ、勝ちつづけることができるのでしょうか。 
 
そのコツは、勝ちすぎないこと。 
 
 
「過剰適応」という言葉があります。
 
生き残っていくためにはもちろん、環境に適応 する必要があります。
 
しかし、過剰に適応しすぎてしまうと、それがかえって絶滅のリスクになってしまうことがあるのです。
 
 
 「最適より好適」という言い方もあります。
 
最適はベスト、好適はベターという意味。 
 
「最適より好適」とは、

「最適な戦略をとると、一時期は勝てるものの、

長期的なスパ ンでみると滅びてしまう可能性が高い。
 
よってベストよりベターな道を選ぶべき」という意味です。 
 

 
 中野信子
『科学がつきとめた「運のいい人」 』(サンマーク文庫)  より

ひとり勝ち…自分さえ良ければ
エゴの想い

最後は自分を滅ぼすことになる。

周りを思いやる気持ちを持つと
結果ばかりを追いかける価値観から離れていけるということでしょう。

ひとり勝ちより みんなで良くなる。

ひとつ勝てたら 誰か(周り)への貢献を考える。

ちょっと本の主張と私の見解違ってますが、
自分と同じように 周りへの思いやりがあることが
最終的に自分を生かすことになる。

どんな場面でも長い目でみれば この法則にあてはまるこ思います。

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