星野 栞(.HALE)

写す、映す、書く。

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写す、映す、書く。

記事一覧

こどもたちの「だるまさんがころんだ」 パピコ 四角い窓枠の外は青く白い ピアノの音 これがずっとつづいたらいい。

ぐんぐん、漕ぐ漕ぐ。

暑い中、むすめが自転車の練習をしている。 お世辞にも、まったく乗れてるとは言えない、フラフラだ。 「補助輪なしでも乗れる」という自信が本人もまだ湧かないご様子で…

つたわる電話

メールやLINEで連絡することが増えても、電話でなくちゃいけないときってやっぱりあるなあ、と思います。 要件を伝えるっていう点では文字でも、声でも同じなんだけれど。…

いますぐじゃなくてもいいんだけど大切だよね、っていうことを、ひとつずつひとつずつ。心がちょっとずつ前に進んでくかんじ。

ずっと書きたかった。生活の他の部分をいくら満たしても。むずかしいことはぬきにして、言葉を編むことの楽しさをまたじんわりあじわっていこう。よろこびだ、これが心がよろこぶということだ。

お腹の中にある言葉に色をつけずに、こねくりまわさずに、ポンと出すのだ。それを嫌う人もいて、それを好む人もいる。いや、ほんとのところ他人はどうでもいいんだ。自分と、自分の腹の中と、そこから出した言葉を信じるのだ。

雨粒にピント 外走る人にピント 雨粒の中にある小さな街並みにピント 瞬きでシャッター

その存在があまりにまぶしくて、口元がゆるくあがる。言葉なく、ゆっくりと二度頷く。まるごといいよ、そのままでいいよ。そんな気持ちを込めて、うなずく。

ねえ、そらがさ、もしおーきなこっぷのなかで。しゅわしゅわののみものをさ、うえのほうからゆっくりそそいで。そんな、かわいー きょうのそら。

間違えても、怒ってても、泣いてても、出来なくても、遅くても、カッコ悪くても。それでもあなたが、だいじだいじ。

いつものラテ、いつものお兄さん。「いつもありがとうございます」の声。イヤホンからは「居場所なんてない」と鬼束ちひろが伏し目がちに歌うけど。ごめんね、わたしは、ほあんとしたきもち。

コンタクトレンズを忘れたわたしの目に映るのは、信号の、車のライトの、ぼんやり丸い灯。重なり、クリスマスのよう。みえないことも、それなりにいいのだ。それはそれはうつくしい、のだ。

耳をすます。何よりも、何よりも、自分の声に。感情の小さな揺らぎの根っこはどこにある?

エンドロール

おおきな川沿い。背の高い木々が、川に並んで続く。 朝日を背に、ゆるやかな傾斜、アクセルを踏みこむ。 前を行く車の車体を木々からの木漏れ日が、映画のエンドロールのよ…

おわりのはじまり、はじまりのおわり。まさにそんな数ヶ月。ゆるがないと思っていたものや場所が、こんなにもあっさりと変わって見せたことに驚き、喜び、少し寂しがっている。

涙がほっぺを つーすとんとすべっていった。つー すとん つーすとん おばあちゃんになって、しわしわになったら涙は、でこぼこ道を走るように流れるのかな。それとも、深いしわに、すうっとすいこまれていくのかな。

こどもたちの「だるまさんがころんだ」 パピコ 四角い窓枠の外は青く白い ピアノの音 これがずっとつづいたらいい。

ぐんぐん、漕ぐ漕ぐ。

ぐんぐん、漕ぐ漕ぐ。

暑い中、むすめが自転車の練習をしている。

お世辞にも、まったく乗れてるとは言えない、フラフラだ。

「補助輪なしでも乗れる」という自信が本人もまだ湧かないご様子で。

後ろから少し押す、「やっぱりだめ!」

また後ろから少し押す、「とめてとめてー!」

ご近所迷惑な音量でストップの指示をだしてくる。

乗れる立場から見ると、なんとももどかしい。

「ママついてるから!だいじょうぶ!」

「コツを

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つたわる電話

メールやLINEで連絡することが増えても、電話でなくちゃいけないときってやっぱりあるなあ、と思います。

要件を伝えるっていう点では文字でも、声でも同じなんだけれど。

伝えた直後の相手の反応が知りたかったり、すぐお返事が必要な件だったり。ただただ声が聞きたかったり。

わたしが仕事でお電話をかけるとき、気をつけていること。

1、いつもより少し落ち着いたトーンで。

2、向こうの理解度に合わせた

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いますぐじゃなくてもいいんだけど大切だよね、っていうことを、ひとつずつひとつずつ。心がちょっとずつ前に進んでくかんじ。

ずっと書きたかった。生活の他の部分をいくら満たしても。むずかしいことはぬきにして、言葉を編むことの楽しさをまたじんわりあじわっていこう。よろこびだ、これが心がよろこぶということだ。

お腹の中にある言葉に色をつけずに、こねくりまわさずに、ポンと出すのだ。それを嫌う人もいて、それを好む人もいる。いや、ほんとのところ他人はどうでもいいんだ。自分と、自分の腹の中と、そこから出した言葉を信じるのだ。

雨粒にピント 外走る人にピント 雨粒の中にある小さな街並みにピント 瞬きでシャッター

その存在があまりにまぶしくて、口元がゆるくあがる。言葉なく、ゆっくりと二度頷く。まるごといいよ、そのままでいいよ。そんな気持ちを込めて、うなずく。

ねえ、そらがさ、もしおーきなこっぷのなかで。しゅわしゅわののみものをさ、うえのほうからゆっくりそそいで。そんな、かわいー きょうのそら。

間違えても、怒ってても、泣いてても、出来なくても、遅くても、カッコ悪くても。それでもあなたが、だいじだいじ。

いつものラテ、いつものお兄さん。「いつもありがとうございます」の声。イヤホンからは「居場所なんてない」と鬼束ちひろが伏し目がちに歌うけど。ごめんね、わたしは、ほあんとしたきもち。

コンタクトレンズを忘れたわたしの目に映るのは、信号の、車のライトの、ぼんやり丸い灯。重なり、クリスマスのよう。みえないことも、それなりにいいのだ。それはそれはうつくしい、のだ。

耳をすます。何よりも、何よりも、自分の声に。感情の小さな揺らぎの根っこはどこにある?

エンドロール

おおきな川沿い。背の高い木々が、川に並んで続く。
朝日を背に、ゆるやかな傾斜、アクセルを踏みこむ。
前を行く車の車体を木々からの木漏れ日が、映画のエンドロールのように静かに流れていく。

おだやかな光と、優しい影。上へ上へ。

窓を少し開ける。

朝の、彩度の低い空の青から、透き通ったかおりが車に飛び込む。

君はどんな朝をむかえているのだろうな。
地下鉄のぬるい空気の中。足早な人の波の中。電子音

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おわりのはじまり、はじまりのおわり。まさにそんな数ヶ月。ゆるがないと思っていたものや場所が、こんなにもあっさりと変わって見せたことに驚き、喜び、少し寂しがっている。

涙がほっぺを つーすとんとすべっていった。つー すとん つーすとん おばあちゃんになって、しわしわになったら涙は、でこぼこ道を走るように流れるのかな。それとも、深いしわに、すうっとすいこまれていくのかな。