エンドロール

おおきな川沿い。背の高い木々が、川に並んで続く。
朝日を背に、ゆるやかな傾斜、アクセルを踏みこむ。
前を行く車の車体を木々からの木漏れ日が、映画のエンドロールのように静かに流れていく。

おだやかな光と、優しい影。上へ上へ。

窓を少し開ける。

朝の、彩度の低い空の青から、透き通ったかおりが車に飛び込む。

君はどんな朝をむかえているのだろうな。
地下鉄のぬるい空気の中。足早な人の波の中。電子音と会話とクラクションの海の中。

凛と前を向き、変わらずに、自分の足で生きているのだろう。

この日々がどんな未来に繋がるのか、今はわからないけど。


今の自分、嫌いじゃないよ。
君もどうか、そうでありますように。

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