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スカイメイト運賃に世話になっていた頃の話

JALにはスカイメイトという運賃があるが、スカイメイトとは、満12歳以上26歳未満の人が当日に空席がある時のみ乗れるという運賃設定のことだ。空港で、スカイメイトカードを出して、乗れる保証は無いけれど、搭乗口の近くの空席待ちカウンターまで行き、手荷物を預けるなら預けて、じっと番号を呼ばれるのを待つ。台風の前後だと振替の影響でかなり満席に近くなるのだが、ちなみに私は空席が無かったことがない。たいていは空港にふらっと行って次発に乗れた。今はスカイメイトをあてにした旅は難しいだろうね。

私がスカイメイトを利用していた頃は、那覇-羽田、片道約10,000円だった。当時、時給600円でバイトをしていたので、
1週間のうち平日は600円x8時間x5日=24,000円を稼いで、土日に東京に遊びに行く、という弾丸トラベラーでもあった。当時は体力があったのでだいたい夜中の2時とか3時になったら渋谷か新宿の24時間営業の牛丼屋かファーストフード店で、小一時間目を閉じて、店員に追い出されたら隣の店に移動するというのを体力が回復するまで2回か3回繰り返した。不思議なもので、だいたい空が明るくなりかけて来る頃に体は1番疲労を感じるのだが、街は時間帯によって変化し、そのグラデーションを楽しむことが好きだった。だいたい日が完全に昇る45分から30分前頃が、淀んだ夜の街の空気から朝の澄んだ空気に変わり、酔っ払いやホームレスのようななにやってんのかわからないオッサンたちが減り、配達するひと、出勤するひと、朝の体操をするひとたちが現れる。真逆のエネルギーの入れ替わりを肌で感じることができた。

なぜ行き先が東京だったかと言うと、大阪も街としてはすごく好きだけど、大阪は1人で歩いてると割と色んな人が話しかけてくるのでめんどくさくなってきて、東京にした。東京は、良くも悪くも他人に無関心でいてくれるのでその点は良かった。地方都市では、ファーストフード店も24時間営業してないし、すぐに警察を呼ばれて家に帰れ、と言われただろう。未成年だったし。

ちなみに、いくら貧乏旅行でも金が思った以上に消えるのですぐにやめたのでご安心を。

東京で、私が最も高いな、と思ったのが実は電車賃で、初乗りが130円ぐらい?だから安いだろうと思ってバンバン利用していると、1日に1,000円ぐらい使ってしまうので、山手線半周ぐらいなら歩いて移動した。金はないけど時間はあるから。それはけっこう楽しい経験だった。こんなに近いのに、駅作るの?って驚いたし、2,3分の移動で街の様子が変わることも新鮮だった。

うちの子らが同じことをするとしたら、止めはしないけど心配はたくさんするだろうね。決してオススメはしませんが、アドバイスとしては、安心安全は金で買えるものだということ。自分なりの最低限ラインを持ち、そこに出す金は惜しまない方が良い。世界中、どこに行く時でもそこの意識は常保つこと。

(タイトル写真はこの文を書いた場所。強風に煽られながら港の公衆Wi-Fiをつかまえたので。移動中には懐かしいことが急に思い出される。)

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