見出し画像

思い出の真栄田岬

人間、水に潜るときには息を止める、という当たり前のことをやっちゃいけなかった。

口から息を吐いて、口から息を吸う。

それを続けるだけでずっと潜っていられるって、頭ではわかっていたつもりだったのに、

できないのだ、それが。


脳がバグる。


プチパニック。


必死に立ち上がると、雨は激しさを増し、雷鳴が聞こえている。


こんな日にスキューバダイビングとか、ありえないっしょ。


もういいよ。もう帰ろうよ。



チャレンジ一回目はこんな感じ。



インストラクターのおじさん(確実に私より若い)が

「息を吐くことだけ考えてね。吐いたら吸えるから大丈夫。」

ってとっても優しい沖縄弁で手を取って言ってくれる。

付き添いの次男くん(スキューバ4回目)は後ろから私を支えながら、多分笑っている。


チャレンジを繰り返し、何とか長く潜っていられるようになって
見えた沖縄の海の中。





結局私は深いところまでは行けず、
浅瀬で這いつくばって潜ってたんだけど、それはそれはきれいな海だったよ。

黄色い魚に指をパクってされたよ。

深い所を覗いたよ。

覗いただけだよ。


海から上がるとボンベが重すぎて歩けない。

捕らえられた宇宙人みたいに、おじさんと次男くんに両脇を支えられて岸までやっとたどり着いた。

足のガクガクが止まらない。

沖縄なのに寒い。

だけど


おもしろかった、ありがとう、沖縄の海。



小一時間で終わった私の人生初のスキューバダイビング。

できれば晴れた日に潜りたかったけど、土砂降りで雷が鳴ってる中でってのもいい思い出だべさ。



ホテルに戻ってから、スマフォに送られてきた水中写真の私を見て次男くんが言ったさ。


「かあちゃん、死にかけて漂ってる人じゃん。」



ほんとだ。死にかけてる。

潜ってないじゃん。

目がいっちゃってるわ。


みんなで笑った。



笑える思い出は素敵だ。




まだまだ思い出あるので、次回につづく。


           したっけ。


この記事が参加している募集

海であそぶ

読んでいただきありがとうございます。サポートしていただけたら幸せです。たとえ出来心だったとしても…。絵の具の購入費に使わせていただきます。