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ジェンダーの黄昏

送別会の2次会でオカマバーに4人で行った。定年退職するヤマモトさんの送別会だった。
ヤマモトさんは冗談も言わぬ真面目な方で、仕事ぶりも堅実そのもの。
角野卓造に似ている。

店に入るとお姉さん(♂)が4人ついた。そのうち3人は見た目が完全に女性だったが、ひとりだけジャイ子そっくりの方がいた。

楽しい時間が過ぎ、酔いもまわり、そろそろ帰ろうかというころ。

気がつくと、ヤマモトさんとジャイ子はふたりで頬を寄せ合い、しっとりと語り合っていた。

ふたりとも、したたかに酔っている。

おじさんがおじさんの肩を抱き、胸をモミモミしながら、ささやき合っている。

よく見ると、それぞれの頬には涙がつたっている!

しかも、ヤマモトさんはジャイ子の耳元で、ラブミーテンダーささやきバージョンまで歌っている!!

はうあ!!!

ふたりとも、見た目のいかつさからは想像できない、めっちゃ優しいバイブスを出していた。

今ふたりが感じている情は、一体どんな情なのか…

愛情?友情?

そのどちらとも違う気がした。

深夜0時、あらためてジェンダーの奥深さについて考えた夜だった。

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