![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/67552027/rectangle_large_type_2_bbb99a369b61ea278fddcd30c631c40c.png?width=1200)
ジェンダーの黄昏
送別会の2次会でオカマバーに4人で行った。定年退職するヤマモトさんの送別会だった。
ヤマモトさんは冗談も言わぬ真面目な方で、仕事ぶりも堅実そのもの。
角野卓造に似ている。
店に入るとお姉さん(♂)が4人ついた。そのうち3人は見た目が完全に女性だったが、ひとりだけジャイ子そっくりの方がいた。
楽しい時間が過ぎ、酔いもまわり、そろそろ帰ろうかというころ。
気がつくと、ヤマモトさんとジャイ子はふたりで頬を寄せ合い、しっとりと語り合っていた。
ふたりとも、したたかに酔っている。
おじさんがおじさんの肩を抱き、胸をモミモミしながら、ささやき合っている。
よく見ると、それぞれの頬には涙がつたっている!
しかも、ヤマモトさんはジャイ子の耳元で、ラブミーテンダーささやきバージョンまで歌っている!!
はうあ!!!
ふたりとも、見た目のいかつさからは想像できない、めっちゃ優しいバイブスを出していた。
今ふたりが感じている情は、一体どんな情なのか…
愛情?友情?
そのどちらとも違う気がした。
深夜0時、あらためてジェンダーの奥深さについて考えた夜だった。
了
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?