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短編集「夜を飲む」について

1、ご挨拶

ひとつ前の記事で、「これ書いたら着手する、と言って、実際その通りにしなければ後で書くことを忘れる」という情けない宣言をしてしまったのですが、本当に忘れてしまうと困るので、すぐにこの記事の執筆に着手しております。

Writone(ライトーン)にて投稿した拙作、短編集「夜を飲む」について、こちらで、少し書かせていただきたく思います。
よろしくお願いいたします。


2、全体について

そもそもこの短編集は、友人が主催したごく小さなフリーマーケットイベントにて、頒布させていただいたものでした。
ページサイズはA5、中折本として作ったので、1冊のページ数は少ないものでしたが、できるだけ一つのテーマに沿って、けれどひとつひとつの話が異なった雰囲気になるように気を付けながら書いた覚えがあります。

この短編集のテーマは「夜と飲み物」。
1話ごとに異なる飲み物が、夜を過ごすおともとして登場します。
1話ごとに主人公となる人物が異なるため、短編連作ではなく、ひとつひとつが独立したお話となっており、どの話から読んでも楽しめる、という仕様になっていました。

また、装丁にも自分なりにこだわって、手作りの中折り本なので、ホチキスの針から読者様の指を保護するために、コーヒーやコーヒーミルが描いてあるマスキングテープを貼りました。

裏表紙には、「おやすみなさい、よい夜を。」という言葉……というか、願いを書きました。

3、第1話「コーヒー」について

もともと、この話の題名こそが「夜を飲む」だったのですが、全5話の短編集として作り直すにあたってタイトルを変更しました。
ブラックコーヒーは夜に似合う、という持論があるので、それをわかりやすく説明するために、ミルクや砂糖を入れた場合はどうなるのかという想像もさせてみました。
「目の前にある、この『夜』を、存分に、楽しむのだ。」という最後の一文で、夜という言葉がカギカッコつきで表現されているのは、時間帯としての夜と、「コーヒー」という夜の飲み物、という意味を込めました。

4、第2話「カフェオレ」について

ブラックコーヒーと同じく、カフェオレの話は絶対に書こう、と思っていました。
テーマに合う飲み物としてのチョイス、というだけでなく、単純に私個人がカフェオレが好きだからですね。
コーヒーと牛乳の比率を厳密に計算しながら作るのもすごくこだわってていいなあ、とは思うんですけど、自分だけが飲むときって、結構適当に作ってしまうことが多いので、その経験も反映してみました。
こだわってこだわって、徹底的に自分の好みに作るのも、悪くないけれど、でも、ゆるっと適当に作って、ゆるっと楽しむのも悪くないと思います。

5、第3話「ココア」について

ココアはマシュマロを浮かべて飲むのが好きです。
この飲み方を知ったのは、尊敬する作家さんの短編連作を読んだからですね。
長野まゆみさんの「宇宙百貨活劇 ペンシルロケット・オペラ」という短編集で、主人公の双子が、そういう風にして楽しんでいるシーンがありまして。
それに影響された部分が大きいですが、でも、泡立てた生クリームを浮かべるのも、さらにその上にチョコソースをトッピングするのも好きです。
要は甘い飲み物が好きなんですが……。
ココアも、昼というよりは夜、それも冬の夜にのんびり飲む飲み物だな、というイメージがあります。

6、第4話「ミルクティー」について

「ミルクティーはミルクだけで煮出した紅茶のことかと思っていた」というのは私の実体験です。
ミルクティーとチャイの違いについて調べた限り、インドでは大した違いがないけれど、日本人の認識では二つの間に違いがあるらしい、という記述をどこかで見かけたような。
文中に出てくる、「ティーポットを小刻みに揺らして茶葉からの抽出を助け、お客さんに出すのに適切な濃さの紅茶を作っていた作家」、というのは、かの有名なルイス・キャロル氏ですね。

7、第5話「ホットミルク」について

ホットミルクも、私にとっては冬の夜の定番の飲み物です。
最寄り駅の隣駅に、ミルクスタンド(牛乳屋さん)があって、そこで、ホットミルクを売っているんですよ。
帰りが少し遅くなった時や、指を温めたいときなど、ミルクスタンドに立ち寄ってホットミルクを飲んでいました。
お気に入りは蜂蜜入りのホットミルクでした。

ホットミルクを家で作るようになったのは、ミルクパンを買ったときからですが、ミルクパンっていいものなんですよね。
弱火でことこと温めているは寒いんですけど、でも、その分期待が高まるんですよ。
もう少し、もう少し、って温めながらわくわくして、温まったらたっぷり蜂蜜を入れるときの幸福感と言ったら、ちょっと筆舌に尽くしがたいですね。

8、総括

というわけで短編集「夜を飲む」について、自分なりに思うところをかかせていただきました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
もし、まだ「夜を飲む」を読んでおられませんでしたら、なんとなく、興味を惹かれたらでいいので、お読みいただけると嬉しいです。
下にリンクを貼っておきます。

というわけで、ここまでありがとうございました。

2022/5/5 菊坂遼哉/鍔木シスイ


9、追記

Writoneの急な閉鎖に伴い、リンクを削除いたしました。
「夜を飲む」に関しましては、カクヨム様にて近いうちに再公開予定です。

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