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韓方茶ってなに?

 韓方茶についてよく聞かれる質問が、「何を飲んだら良いのかわからない」「何が自分に合っているのかわからない」「何と何をブレンドしていいのかわからない」です。
韓方茶は1種類から多くても4種類までしかブレンドをしない、とてもシンプルなお茶です。そんなお茶を自分の体調に合わせて淹れられるようになれば、ちょっとした不調もサッと治せたり、不調が慢性化する事を食い止めることができます。そう、セルフケア目的で飲むのが韓方茶なんですね。
 
𖤣 韓国伝統茶と韓方茶
 韓国伝統茶という言葉を聞いたことがあるでしょうか。伝統という言葉がついていますが、実は歴史はとても浅く、1990年代中ごろから、伝統茶というカテゴリーが作られたと言われています。このカテゴリーに入っているお茶は、柚子茶や生姜茶、棗茶などがありますが、もともと普通にお茶として生活に息づき飲まれていたお茶だそうです。そういう意味では伝統なのかもしれません。
 
 知り合いの韓国の方に伺ってみると、もちろん人によりますが、実際にはそんなに伝統茶を飲むことはないそうです。ただ、喉が痛い時はトラジ(桔梗の根)をオンマ(お母さん)が煎じてくれたとおっしゃっていました。

 これらの主な伝統茶の特徴は、一種類の材料で作られている事です。もちろん、そこに甘味やちょっとしたスパイスのような役割で他の材料が少量加わる事があります。ですので1種類から4種類程度で作られている事になります。お茶の名前を見てみても、柚子茶、生姜茶と、とても分かりやすい名前がついていますよね。
 
 では、韓方茶とはどんなお茶でしょうか?
先ほど触れた韓国伝統茶は珈琲や紅茶に変わる、お茶時間を楽しむ為のお茶です。お茶の主となる材料は葉、実、樹皮や根、穀類などが使われています。これらは韓方薬にも使われている物であり、それぞれに効能効果があります。その効能効果を求めてお茶を淹れる場合、韓国伝統茶の名前は韓方茶に変わっていくと考えても良いかと思います。

 先ほど、知り合いの韓国の方が、喉が痛い時にはオンマがトラジ茶を淹れてくれたと書きましたが、これは韓方茶のカテゴリーに入ることになります。

 韓方茶となると、一気に種類が増えていきます。韓方薬によく使われている材料(生薬)は600種類ほどあると言われています。600種類もの生薬を手に入れる事は不可能ですが、数種類の生薬ならば韓国では市場で簡単に手に入り、お料理やお茶として利用されています。まさに薬食同源の生活ですね。

 お医者さんに行って診てもらうほどの不調ではなく、しかしそれ以上悪化しないように市場で生薬を購入し、煎じて飲む。現代でいうセルフケアが韓国の生活に息づいている。とても魅力的ではありませんか!
私が韓方茶に魅せられた理由は、まさにこのセルフケアです。

 しかしながら、日本では実際そうはいきません。
薬機法上、生薬は漢方薬局に行かねば買う事ができないからです。ただその中でも、薬膳食材屋さんで手に入る「食品」があります。棗や枸杞の実、ハトムギなどがそうです。もっと手軽なところでは果物のミカンから陳皮を手作りする事ができます。他には菊の花や薔薇の花、さらには、スパイスとして販売されているシナモン(桂皮)、クローブ(丁子)などもそうです。その他、日本では健康茶として販売されている柿の葉茶、桑の葉茶など。そしてハーブティーとして販売されている薄荷(ミント)、蒲公英(タンポポの根)などがあります。 

𖤣 初めて処方された韓方茶
 私が初めて韓医師さんに脈診、望診、問診をしていだき、処方して頂いたお茶は【柿の葉・枸杞子・熟地黄】でした。当時、顔がよくほてり、赤黒い肌色になり、頭痛がする事が悩みでしたが、あっさりそれを指摘され「気が上っている状態」という事を知りました。素直に嬉しかったです。
その状態になったのはいつからか覚えてもいませんし、そんな体質だと思っていたので治る事はないと決めつけていました。

 これが、「自分を診てくれる」という初めての経験です。

 自分の状態を知り、お茶で治していく韓方茶。
普通なら、症状が出てから(発症したら)お医者さんに行く・・・というのが当たり前だった生活に、「病にならないようにセルフケアをしていく」という事を知った瞬間でした。

 セルフケアには「薬膳料理」、が日本では人気だと思います。 しかし、私にとって、お料理にセルフケアを取り入れるのはとても面倒でありました。
旬のものを、彩りよく、バランスよく、腹八分目で食べる。これで良いのではないかと思ったのです。もちろん、疲れ気味なら山芋を、頭痛がするからセロリ、などの取り入れは簡単ですが、スーパーでの値段や諸々に買い物が左右されてしまいます。しかも家族全員の体調を考えていたらキリがない。
その点、お茶はその人その人に合ったお茶を気軽に淹れる事ができる。
魅力的ではありませんか?

 中国や韓国では、東洋医学の部門も「中医師」「韓医師」として認められていますが、日本は違います。日本での東洋医学はすっかり西洋医学に変わってしまった為、そういった未病をケアするという考えがとても薄いように思います。実際、不調でお医者さんに行っても、「熱もないしなぁ、特に異常はないよ。また何か症状でたらおいで」と言われたことがあります。こちらとしては、症状が出る前に治したいんだけどなぁ・・・と思う事がよくあります。

 ならば、その伝統医学と言われる東洋医学を知って、自分をケアしていこうではないか、と思うわけです。中国や韓国では生活に根付いた知識があるのだから、そこを覚えてセルフケアです。
東洋医学の中でも、「治療」は専門医にお任せしたほうが良いと思っています。知るべきところは、「未病のケア」です。

 韓方茶で未病ケア。私が伝えていきたいところです

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

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