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フィリピン移住の前にこれをやろう―BEFORE YOU LEAVE JAPAN, WHAT YOU FIX?

フィリピン移住のビザが取れたら、次は非居住者になる手続きです。
発つ鳥、あとを濁さずの精神で行きましょう。

1.非居住者になりますか?

基本的なことですが、あなたがどこの国に住もうとも国籍は日本人です。
変えようと思ったら帰化する必要があります。
しかし、居住地を移住先に移すことはできます。
これを「非居住者」になるといいます。

国税庁の「居住者」の定義を読むと、日本国内に住所を持つか、一年以上居住する個人をいいます。
それ以外の人は「非居住者」になります。
ところが、実際は海外に住んでいるけれど、住所を日本国内の実家に移し「居住者」としている人もいっぱいいます。

「居住者」であり続けることと「非居住者」になることには、それぞれメリットがあります。

「居住者」であれば、今まで通り日本に所得税を納めなければなりません。
また、「健康保険料」「国民年金」の支払いを続ける必要があります。
払わないと滞納扱いになりますので注意)
一方、海外にいても日本の健康保険が適用され、病院にかかった場合、後ほど国保から医療費が補填されます。
海外では日本ほど国民健康保険が充実していないので、医療費のために「居住者」を選択し続ける人もいます。

一方、「非居住者」になると、日本で所得がない限り、税金を払う必要はありません。 
(所得を得た居住国に支払うことになります)
また、「健康保険料」や「年金」を支払う必要もありません。

数年前に富裕層のシンガポールへの移住が話題になりましたが、この「所得税」の軽減が目的でした。

ただし、非居住者になると、日本の証券口座で株式売買はできません。
マイナンバーも失効します。
口座開設を認めない銀行も多く、利用できる場合も非居住者向けサービスのある銀行を利用します。
また、日本に大きな資産を残している場合は注意が必要です。
いざ、日本から移動させようと思っても、金額によって振り込みを拒否される場合があります。
(僕はソニー銀行から住居購入用の資金を送金しようとしましたがNGになりました)

また、誤解がないようにしたいのは、「非居住者」になっても、これまで収めた「年金」の掛け金分は受給年齢がくると受け取ることができます。
決して掛け捨てになることはありません。

フィリピンのような日本に比べて物価の安い国に移るのであれば、医療保険の不安はあれど、高額の「税金」や「年金」の支払いを避けて「非居住者」になることをお勧めします。

「非居住者」の届け出は住んでいる市町村の住民登録窓口で手続きできます。
僕は世田谷区で行いました。
出国の2週間前から手続きが可能で、僕は提出した時、「まだ日本にいるのに、俺はもう住民じゃないんだなあ」と少し不思議な気持ちになりました。

2.銀行とクレジットカードの連絡先変更

いくら海外に移住するとしても、日本にある資産を一気に海外に移すことはなかなか簡単ではないでしょう。
国税庁も税金逃れを防ぐために近年は監視を強めています。
また、フィリピン政府もマネーロンダリングに非常に厳しく、高額な送金は理由を問われます。
そのため、移住当初は日本での資産管理を余儀なくされるのは仕方のないところです。

銀行口座維持のためには、国内の連絡先が必要になりますので、実家や連絡の取れる住所を登録しなおしてください。

また、海外から、自分の口座にアクセスする場合、インターネットバンキングが必要なりますので、必ず設定しましょう。
携帯のアプリからでも、出入金のオーダーが出せるようになったので、とても便利です。
本来は非居住者向けサービスに登録が必要ですが、日本国内の入出金だけであれば、連絡先を実家に登録しなおすだけで大丈夫でしょう。

この点はクレジットカードも同様です。
国内の連絡先を再登録する必要があります。
特に海外では新規にクレジットカードを作成するには、審査のハードルが高かったり、与信枠が非常に小さかったりするケースがあります。
既に日本で作ったクレジットカードがあれば、できるだけ維持することをお勧めします。

特に海外旅行保険を付帯しているカードは、いざという時とても心強いものです。
維持して損はありません。

これらの手続きは早めに進めてください。
審査期間を考えずぎりぎりに申し込むと、移住に間に合わなくなる可能性があります。

3.生命保険や医療保険も申請が必要

海外の生命保険や医療保険は費用が掛かるので、日本で入っている保険を海外で適用できるならそれに越したことはありません。

僕はもともと医療保険は都民共済に入っていました。
共済は掛け金も安く、余剰金が返金されるのでよかったのですが、非居住者は入れません。
唯一、こくみん共済が帰国予定があるという条件で加入を認めています。

「これは使える!」

と思って、問い合わせてみたのですが、フィリピンは外務省の「海外危険情報」のレベル3に相当する地域があるということで断られました!

ざんねん!!

チューリッヒ生命など永住者でなければ可能としている保険会社もありますが、HPを読む限りではいろいろと条件がありそうで微妙ですね。

上記の通り、日本の保険は基本的に居住者を対象にしたものです
そのため、医療保険のような掛け捨ての保険は移住の場合解約となり、生命保険のような終身保証型は払込済保険への変更が必要になります。
生命保険は日本国内の連絡先を新たに設定する必要があります。
払込み済保険にした場合、保証がなくなるのではなく将来解約金が戻ってくるので、住所変更は必ずしておきましょう。

4.株式口座は解約する

先ほど述べたように、「非居住者」になると日本の証券会社を通じての取引が難しくなります。
実際には、登録住所を実家に移し、日本にサーバーのあるVPNを通じてアクセスすれば、そのまま取引は可能でしょう?
しかし、法令で禁止されているので、トラブルは避けた方がいいと思います。
僕は3つあった株式口座をすべて解約しました。

尚、日本で取得した株式や金融書品は取引を行わず、そのまま休眠口座にして維持することも可能です。
将来的に日本に戻る計画がある人なら、バフェット気分でそのまま寝かせておくのもいいでしょう。
思わぬ利益が出るかもしれません。

海外で活発に売買する場合は、フィリピンならCOLFIRST METROBPI Tradeといったフィリピンの証券会社に、グローバルであればインタラクティブ・ブローカーズのような証券会社に新たに口座を開く方がいいでしょう。

5.送金手段を確保しよう

2で述べたように、非居住登録をすると日本国内の銀行口座からの海外送金に制限がかかります。
これは、日本に資産や収入があり、海外に暮らす人々にとっては煩わしい問題です。
また、銀行の海外送金手数料は割高です。

そのため、フィンテックを使った海外送金会社に登録しておけば便利です。
非居住者でも国内送金は可能ですから、自分の口座から送金会社の口座に生活資金を振り込み、そこから自分の海外口座に振り込んでもらうことになります。

有名なところはTransfer WiseWorld Rmitの2社があります。
また、フィリピン専門であれば、Gcash Remitがいいでしょう。
これらの会社は送金レートもよく手数料も安いので、お勧めです。
登録にはパスポートコピー、マイナンバーの提出など審査に時間が掛かるので、海外移住を決めた時に口座を開いておくといいと思います。

尚、ソニー銀行の「Sony bank WALLET」やマネーパートナーズの「マネパカード」といったマルチカレンシー口座から、デビットカードで引きだすという方法もあります。
僕は「Sony Bank WALLET」で試してみましたが、海外ATMの利用手数料を考えると少額の引き出しでは割高になります。
フィンテックの利用をお勧めします。

6.メールアドレスの整理

意外と大事なのが、使っているメールアドレスの整理です。

みなさん、プロバイダーを通じたメアドの他に、GmailやYahooメール、outlook.comなどのウェブメールを複数持っている方が多いのではないでしょうか?
フィリピン移住後も日本国内のドメインサービスを使い続けるのは割高です。
日本のプロバイダーを解約して、セキュリティのしっかりしたウェブメールに集約していきましょう。
ちなみにフィリピンではGmailの普及率が高く、連絡先として登録しても信用度に全く問題はありません。

僕は、Gmailをメインのアドレスに、Yahooメールをショッピングやリサーチのアドレスに使い分けています。
これによって、大量に届くスパムメールをYahooに集約しています。

7.電気、水道、ガスの解約

住居を引き払う日までに解約をお忘れなく。
すべてネットで手続きできる時代になったので便利ですね。

以上、出国の日までに片づけておきましょう。
ひとつひとつタスクを完了させていくうちに旅立ちの日が近づいてくるのは楽しいものです。

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