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《今週のプリンス読書会 #081》1984 Week 30: 映画のプレミアと「アメリカ」

Duane Tudahl さんの(『PRINCE AND THE PURPLE RAIN ERA STUDIO SESSIONS: 1983 AND 1984』)を1週間分ずつ読む《今週のプリンス (What Did Prince Do This Week?) 読書会》で聞いたことのメモと感想です。
2024/7/28配信分。読書範囲は、MONDAY, JULY 23, 1984〜FRIDAY, JULY 27, 1984

今週は映画『Purple Rain』のプレミア上映があるのですが、その前にプリンスは『Around the World in a Day』(1985/4/22にリリース)に収録の「America」のベーシック・トラッキングをしました。


アメリカ

プリンスとザ・レヴォリューションのジャムから「America」のレコーディングが行われた様子が書かれた1984年7月23日の章は、とても読み応えがありました。

The song had been introduced several days earlier during a rehearsal in which the entire Revolution locked in on a groove that they played for five hours.

MONDAY, JULY 23, 1984
Duane Tudahl, PRINCE AND THE PURPLE RAIN ERA STUDIO SESSIONS: 1983 AND 1984

「レボリューションのメンバーは数日前のリハーサルで初めてこの曲を聴かされ、全員で5時間みっちりこのグルーヴを演奏させられることになった」という準備を経て、7/23のベーシックトラッキングとなりました。演奏は20分以上続くのですが、テープが足りなくなったので21:46の長さになったロングバージョンが12インチに収められました。テープに録音していた時代ならではです。詳しくは『PRINCE AND THE PURPLE RAIN ERA STUDIO SESSIONS: 1983 AND 1984』でぜひ読んでいただきたいです。

タンバリンについては、ドラム・テックのBrad Marshが、その場でタンバリンを渡されて、数分かと思いきや数十分も、刻みを叩き続けることになり、「my hand's just about falling off(手がもう少しで落ちてしまいそうだった)」と書かれていました。

Tamborine」にに注目してアルバム『Around the World in a Day』を聴いたとき、「Tamborine」に続く「America」では、勢いでタンバリンが使われているのか?と思ってしまいmしたが、「America」の録音の方が先でしたし、テックさんを使っていたと知り、印象が変わりました。

イントロ部分は、ミックスのときにターンテーブルを遅くする効果(実際にはテープの再生スピードを遅くした)を入れたとのこと。4回か5回のスローダウンが入っていると思いますが、非常にカッコいいです。

読書会では、MVも話題になりました。Around the World in a Dayはツアーがなかったので、Purple Rain後の新しいプリンスの姿を「America」のMVで初めて見たという話が出ました(「Raspberry Beret」のMVの方が「America」より先なのですが、これは特殊テーストなので別枠扱いで、ライブ感や音楽性においてPurple Rainとは違うプリンスを比較した場合のお話でした)。「髪が短い!」と驚いたというコメントもありました。ドラムを叩くプリンスというのも貴重だとも。

読書会では、歌詞やシングルのジャケットから、プリンスの愛国心についても話し合われました。

個人的な感想ですが、プリンスのメッセージ・ソングは、メッセージがストレートではなくて、難しいなと思います。何かひっかかるという程度の状況を提示するだけで、でも、それを聴くと考えさせられてしまう、という歌ばかり。そして、たいがい建設的な考え方なような気がしていますが、今後もしっかり聴いていきたいです。あと、『The Beautiful Ones』も熟読したいです。

MTV プレミアパーティー

読書会プレイリストにも入っているMTV Premiere Partyの様子。

アルバムがリリースされて、映画も公開され、インタヴューでツアーの予定があるかと聞かれたウェンディが「Yes! Yes! Yes!」と気合を入れて答えているように(鬼のようなリハーサルで準備していますから、自ずと気合も入るでしょう)、パープル・レインがまさに盛り上がっていく時期です。個人的にはリアルタイムではまったく映画を無視していたので、後からこの状況を知って驚きました。

リトル・リチャードが、「(Prince) is me in this generation. … Michael Jackson is me. The Beatles is me. All of them are me!"」と言ってプリンスにプレゼントする聖書を持ってきていたのは印象的で、読書会でも話題に登っていました。このあと、エディ・マーフィーはリトル・リチャードのコメントを借りてジョークにしています。

中学生当時に見ていたとしてもリトル・リチャードの言っていることは分からなかったと思います。「プリンスは、この時代の俺だ。マイケル・ジャクソンも俺だ。ビートルズも俺だ。みんな俺だ」という言葉は、若い者たちの活躍と成功をとても喜んでいるのではないか。聖書のプレゼントも心からの激励なのではないかと感じました。歳をとってから見ると、感想も違ってきます。


読書会の動画(1984 Week 30)
https://www.youtube.com/live/DaGfGAf9APs?si=K7TeEvNGGL42pJkA

読書会プレイリスト(1984 Week 30)
https://youtube.com/playlist?list=PL6YE_-qkWwSmThAfpln3kifKAbUhzGrj6&si=IcI6eb98OMQeQv46

読書会のサイト

https://www.polishedsolid.com/what-did-prince-do-this-week/

https://bookclub.polishedsolid.com/

Duane Tudahlさんのサイト

https://www.duanetudahl.com/welcome

https://www.duanetudahl.com/prince-book

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