TDL40周年改革でわかる「実は、CS不存在企業だった」事実を読み解く


ご好評をいただいている「CS気づき」ランチレッスンの今週のテーマは「TDL40周年の改革をCSで読み解く」でした。多くの方にお昼のひと時をご一緒いただき、ありがとうございました。読み解きをしていた弊会代表の石川は、やけに楽しそうでした。ディズニーランドに行きたいモード全開でした。(笑)

 満足度を高める3ステップを使って読み解くと、ステップ2は「価格変動性が導入され、価格を選べる(価格は値上げ傾向)、かつ年間650万人の入場者を減らすことを宣言しているので、①質の良いゲストがふえる。②キャストの負担も減るのでサービスの質があがる」ということになりました。「なりました」って変ですよね?石川が読み解きをしているのに。

実は、この読み解きには、TDLファンのSNS投稿記事分析を反映させているのです。お客様の目線で読み解くということです。どうやら、ファンの期待は十分に40周年改革に組み込まれているようです。デイパレードがかなりグレードアップされ、休止していたダンスが復活し、キャストのゲストとの接点回数が増え、歓喜するゲストの様子が、メディア放映の画像にありました。

4月10日の読売新聞オンラインの記事には「オリエンタルランド広報部の田中淳一マネジャー(45)は『客数を追い求めるだけではダメだとコロナ禍で気づかされた。混雑を緩和することでゲスト(客)の体験価値向上に努めたい』と話している。」と書かれていました。
 
「えっ?うそ?客数を最優先していたの?!」と怒りを感じる方もいるかもしれませんね。ですが、長く株価が上がらず、新しいゾーンを開発する資金に窮していたオリエンタルランドとしては、一択の選択だったのでしょう。CSの真実と意義はここにあるのです。CSとはかけ離れた場所に、企業の真実があったということです。

まぁ、兎にも角にも、年間650万人に入場者を減らす決断をし、ゲストの満足度を高める、というCSの基本にやっと立ったということです。それでも「えっ?ディズニーのCSは有名だったでしょう?」とお思いになった方もいるでしょう。ディズニーランドのCSはディズニーランドという事業の性質によるエンタメ性と運営会社であるオリエンタルランドのCSとの2つに分けて考えることが必要です。後者は残念ながら、欠落していたことは前述のとおりです。
さらに「キャストが親切に教えてくれた」というゲストの満足の声に一言申し上げるとしたら、その行動自体は「CS」というほどのことではなく、むしろ時代遅れのCSと言えます。

「お土産ショップの混雑状況を質問したら、大体のことを教えてくれた。そのうえ、今日のチケットがあると、アトラクションを待ちながらお土産を購入することができ、入場者だけがキャッチできるお土産情報もわかる。しかも、宅配サービスも申し込むことができる」つまり、「効率よくアトラクションを楽しむプランを立てることができる」情報を提供してくれた、となってこそ、CSの実践行動なのです。

では、ステップ3はというと、「新しいアトラクションゾーン」の誕生でしょう。そして、そこで経験する「思ってもみなかった、言葉にしたこともない」エンタメ性の発揮により機能的価値が高まり、それに相応しいサービスマニュアルが意味的価値となり、感動に近い顧客体験となるのでしょう。ステップ3は企業の総力で創れるものですね。

 というわけで、TDLを楽しみながら、CSで読み解いてみましょう。CSって、ビジネスの総合力になりますよね。

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 次回、ランチレッスンは4月26日です。


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