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サイバーセキュリティ国際会議CODE BLUE創立者、篠田佳奈氏が語る「成長するためのコミュニティ活用のススメ」

こんにちは!
CSC広報の竹谷です。

今回は、サイバーセキュリティクラウド(以下、CSC)のアドバイザーでもあり、日本発の情報セキュリティ国際会議「CODE BLUE」創立者である、株式会社BLUE 代表取締役 篠田佳奈さんにお越しいただき、新卒社員向けの特別講演として、これまで歩んできたキャリアや、今後のキャリアを歩んでいくための心得についてお話しいただきましたので、その中でも特に印象深かった内容をご紹介します。

篠田佳奈氏のプロフィール
株式会社BLUE 代表取締役
国際会議CODE BLUE発起人
国際トレーニング合宿:Global Cybersecurity Camp (GCC)発起人
国際CTFアジア予選 :Asian Cyber Security Challenge (ACSC)発起人
地域対抗国際CTF  :International Cybersecurity Challenge (ICC)実行委員
セキュリティキャンプ国際連携WGリーダー
千葉工業大学 変革センター研究員
セキュリティエンジニアを経て、㈱ネオテニーに参画、暗号・セキュリティの調査研究、新規事業開発支援に従事。その後、情報セキュリティ国際会議Black Hat Japanの企画・運営を経験。米国サイバー犯罪対策APWGのアジア・リエゾンとして活動。


コミュニティ活用の重要性

まず初めに、篠田さんから社外コミュニティを大いに活用しようという目的においてコミュニティの使い方についてお話しいただきました。特にサイバーセキュリティの分野では新しい情報が次々と登場するため、書籍が出版されるのを待っている間に、最新の動向を逃してしまうことがあります。一方で、コミュニティに参加することで、まだ広く知られていない情報にアクセスができるため、常に最新の情報をキャッチすることができます。
また、情報発信の大切さについても話していただきました。情報発信者に情報が集まるので、どんなに小さな情報も積極的に共有することが大切だとおっしゃていました。それにより、個人のブランディングが築かれ、それが企業のイメージ向上にもつながることがあるそうです。
私自身も情報共有の場はとても大事だと感じ、自身の知識が身につくだけでなく、他の人とのつながりも広がるので、積極的に参加したいと話を聞いていて感じました。

篠田さんが紹介したコミュニティの中から一部抜粋してご紹介します。

CODE BLUE
世界トップクラスの情報セキュリティ専門家による最先端の講演と、国や言語の垣根を越えた情報交換・交流の機会を提供する国際会議。
https://codeblue.jp/2024/

SECCON
情報セキュリティをテーマに多様な競技を開催する情報セキュリティコンテストイベント。
https://www.seccon.jp/2023/

OWASP
Open Worldwide Application Security Project とは、Webをはじめとするソフトウェアのセキュリティ環境の現状、またセキュアなソフトウェア開発を促進する技術・プロセスに関する情報共有と普及啓発を目的としたプロフェッショナルの集まる、オープンソース・ソフトウェアコミュニティ
https://owasp.org/www-chapter-japan/

世界のハッカーカンファレンス

これまで篠田さんが世界各国で参加してきたハッカーカンファレンスの積極的な試みについても紹介していただきました。
その中の一部をご紹介いたします。

自動車のハッキング

北京で開催されたテスラハックコンテストでは、実際にテスラの車が持ち込まれ、参加者がハッキングを行いました。このイベントには、中国の大学生たちが3人一組でチームを組んで挑戦しました。

攻撃と防御の自動化
DARPA(米国国防省)が主催するCyber Grand Challengeは、マシン同士のサイバー攻防戦です。マシンが自動で脆弱性を特定し、修正パッチを適用しつつ、他のチームのサーバーの脆弱性をエクスプロイトすることで最も効果的な防御システムを設計するコンテストです。このイベントは、システムの免疫能力を向上させる目的で開催されました。参加チームは米国在籍の7チームで、その中には留学中の韓国人と中国人のプレイヤーがいました。

AI Cyber Challenge

DARPAとトップAI企業が共同で開催する人工知能とサイバーセキュリティを組み合わせたソフトウェア開発コンテストは、重要インフラやサプライチェーンにおける無数のオープンソース脆弱性に対応可能なAIシステムの開発を目指しています。このコンテストには、総額18億円の賞金が設定されており、技術的な革新と才能の発掘が期待されています。準決勝は2024年のDEF CONで行われ、決勝は2025年のDEF CONで開催される予定です。

新卒社員と共に探るエンジニアや社会人としての心構え

講義後、篠田さんから四つの質問を投げかけられ、新卒社員と一緒に対話形式で議論をしました。始めは中々発言に勇気が必要だったのか、すぐには答えられませんでしたがフランクにお話してくださる篠田さんの優しさに徐々に新卒社員のみなさんからの発言も増えていきました。
まずは篠田さんがエンジニアや社会人に必要な心構え4つについてお話がありました。

◆強いエンジニアとはなんでしょうか?
今日お話ししたコミュニティに出ようが、出まいが、研修や研鑽を怠らないエンジニアが強いエンジニアであると私は考えています。

◆仕事を生む力とはなんでしょうか?
信頼を生むためには、「言葉と行動の一貫性」が必要と言われるようですが、私自身はそこまで一貫しているとは言い切れません。ただ、嘘を言わない人というのは私が得ている信頼の一つだと考えています。信頼にも色々な種類があります。「この人だったら3日以内でやりきるだろう」「この人だったら技術でやり遂げるだろう」などがあげられると思います。
仕事とはギャップから生まれていきます。ギャップをどのように架け橋をかけるかがビジネスとなります。そのギャップを見つけるには自ら動かなくてはいけません。私の考える仕事を生む力とは行動することだと考えています。

◆人と話すうえで大切にしていること
CODE BLUEの学生スタッフを例に挙げると、技術だけを見ているのではなく人をマネジメントしたことのある人を重要視しています。なぜマネジメントをしたことがある人を採用しているかというと、一つはチームで行動するという前提がCODE BLUEではあるためです。また、もう一つはマネジメント経験者は人の苦労が分かっているという点です。その経験は部活でも学校のプロジェクトや文化祭でもジャンルは問いません。その際に、意見が違ってしまうことやチームをまとめることに苦労していたと思います。その苦労を分かっていることは重宝すべきポイントだし、全体を理解している人は自分で仕事も見つけ出してくれます。人には役割などもあるので全員がそうである必要はありませんが、そういう人はとてもありがたいなと思います。

◆イノベーションスキルとはなんでしょうか?
これは仕事を生む力に近いかもしれませんが、1から2、2から3と変化を生み出すことです。変化を生み出しながら人を巻き込む力だと思います。ですが、実は何よりも大切なのは「情熱」です。私もこれまで色々なことを興してきましたが、周りの人が賛同してくれた根底には「世の中を良くしたい」という気持ちがみんなの中にあって、コミュニティやビジネスなど手段は人それぞれですが、共感してくれたことで実行できたのだと思います。これがイノベーションスキルの一つであると思います。

一番大切なのは「情熱」と熱く語った篠田さん。聞いている新卒入社も篠田さんの熱い思いを受けて目がさらにキラキラしていました。最後に質疑応答の時間があり、新卒社員からの質問をいくつかご紹介します。

今回の特別講演は、新卒社員にとって情報セキュリティの重要性を理解し、これからのキャリアでどのように活用できるかを学ぶ絶好の機会でした。CSCでは、社員が常に最新のトレンドや技術を学び、成長し続けられるよう、今後も様々な機会を提供していく予定です。

次回のイベントも、さらに有意義な内容をお届けできるよう努力してまいりますので、ぜひご期待ください!


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