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「ストーン効果法」 ~原音再生 トランペット編~

最近はデスク上にノートパソコンを置いて、その両脇にブックシェルフ型スピーカを並べた形のオーディオシステムで音楽を聴いている人が多いようですね。おそらく、これでハイレゾのストリーミング音源を聴いているのでしょうが、果たして本来の音で聴けているのかがちょっと心配になります。セッティングに関して言えば、少なくともブックシェルフ型スピーカの「じか置き」だけはやめてほしいです。(硬質ゴムなどの)インシュレーターを敷くなどしてください。それだけでも音は改善されますが、スピーカの上にこの「ストーン」を乗せれば、音がガラッと変わりますよ!さらに、低音用のサブウーハを加えれば、それまでとは全然違う「いい音」になります。ヤフオクにストーンを出品していますので、ぜひ試してみてください。
https://auctions.yahoo.co.jp/list3/23764-category.html(⇒「その他」カテゴリー)

さて、今回はトランペットです。前にバンドでドラムスをやっていたと書きましたが、本当はトランペットをやりたかったのですが、いい音が出ず…結局諦めました(笑)。それぐらい、トランペットの音には魅力を感じています。ただ、トランペットもいろんな音が出ますので、ここでは好録音というよりも好演奏の方に重点をおいてソースを選んでみました。ですから、これといったリファレンス(オーディオの音質基準)のCDはないです。もちろん、音がいいのが絶対条件ではありますが・・。

はじめに紹介するのが、ジャズを好きになったきっかけともいうべき有名なアルバム、「クール・ストラッティン」です。これは、友人から聞いて(半分?)ジャケットの写真が気に入って買ったレコードですが、聴いてみると嵌りました(笑)。ご存知ない方のために簡単に解説しますと、ピアノのソニー・クラークがリーダーのクインテットで、トランペットがアート・ファーマー、アルトサックスがジャッキー・マクリーン、ベースがポール・チェンバース、ドラムスがフィリー・ジョー・ジョーンズの5人編成です。このレコードは本当によく聴きました。我がバンドのメンバーなどはアドリブをコピーしまくっていましたが、筆者もタイトル曲と、2曲目の「ブルー・マイナー」などは、アドリブが全部吹ける(口で?)ほど覚えてしまいました(笑)。このアート・ファーマーのトランペットは音がいいですね。当時のレコードとしては、録音もすばらしいです(ルディ・ヴァン・ゲルダー先生の録音です!)。現在はCDになっていますので、そちらの方をよく聴いています。(プレーヤーもないので・・)

アート・ファーマーといえば、今から36年前、筆者がニューヨークへ旅行したときに、有名なライブスポット「ヴィレッジ・ヴァンガード」でたまたま演奏しているのを目の当たりにして聴くことができました。感動しましたが、そのときメンバーにギタリストとして日本人が入っているのを見て、こんなところでも日本人が頑張っているんだな、と妙に感心したのを憶えています。このアルバムではトランペットを吹いていますが、その後はフリューゲルホーン、さらに晩年はアート・ファーマーが独自に考案したというフランペット(フリューゲルホーンとトランペットのあいのこですね!?)という楽器を吹くようになり、EJTとの共演アルバム「風のささやき」でもそれを吹いています。筆者はトランペットの鋭く伸びた音も好きですが、フリューゲルホーンのソフトで包み込むような音も好きです。このフランペットも両者を併せ持つということで、いい音ですね!聴き惚れてしまいます。

ジャズのトランペット奏者は昔からたくさんいますが、筆者が最初にその音に感銘を受けたのが、ドナルド・バードです。この人のトランペットの音は、高音が良く伸びていて、ソフトのなかにもブリリアントさがあり、すっかり魅了されてしまいました。オーディオ的に言っても素敵な音ですね(筆者には当然出せませんが・・!?)。アルバムもたくさん出していますが、なかでも「フュエゴ」というアルバムの3曲目、4曲目などがいいです。その後では、筆者が昔レコード店にCDを買いに行ったときに、店内にトランペットの凄まじい音が鳴り響いていて、誰かと思って店員に尋ねたら、(キャノンボール・アダレイの弟の)ナット・アダレイでした。自らのコンボで、コルネットを吹いていたんですね。さっそくCDを買って帰り聴いたのですが、演奏、録音ともに良く、すっかり気に入ってしまいました。その時のアルバムが「オールド・カントリー」というもので、その2年後に出た「マンハッタンの夜」というアルバムも軽快で乗りが良く、これは最近でもよく聴いています(3曲目、6曲目など)。

他にも、昔からよく聴いている、いわゆるヴィンテージジャズのアルバムでは、(筆者の好みもありますが)デューク・ピアソンの「ザ・ライト・タッチ」というアルバムでのフレディ・ハバード(2曲目、3曲目)、「カリスマ」というアルバムでのリー・モーガン(4曲目)、「ザ・シング・トゥ・ドゥ」というアルバムでのブルー・ミッチェル(1曲目)、などが挙げられます。なお、トランペット演奏で思い出される曲としては、ハービー・ハンコックの「カンタロープ・アイランド」が有名ですね。我がバンドでもレパートリーに入っていましたが、後年US3という英国のグループがロックのリズムに乗せて大ヒットさせました。乗り乗りで、気持ち良く踊れる曲です。

「ジャズトランペッター」というと欠かせないのが、みなさんよくご存知のマイルス・デイヴィスですね。この人のミュートトランペットは、右に出る人がいないというのが異論のないところでしょう。その音は、本当に脳天に突き刺さるように鋭く響きます(ツィータのテストにもなります!?)。有名なアルバムが数多くありますが、なかでもキャノンボール・アダレイとの「サムシング・エルス」というアルバムの1曲目「枯葉」や、コルトレーンが参加した「サム・デイ・マイ・プリンス・ウィル・カム」というアルバムのタイトル曲、3曲目、4曲目などがいいです。録音も60年前とは思えないほど鮮明ですね!

一方、フリューゲルホーンで魅力的な音を出しているのが、ダスコ・ゴイコヴィッチというボスニア出身のアーティストです。何回も来日しているので日本でもおなじみのトランペッターですが、この人も好録音のCDが多く、よく聴いているのはテナーサックスを加えたクインテットによる「ソウル・コネクション」というアルバムです。ピアノのトミー・フラナガンも参加していますが、テナーサックスとのアンサンブルが心地よく、特に3曲目、5曲目や、ミュートした6曲目、7曲目の音がいいです。比較的最近では、ボサノバナンバーを集めた「ユーロ・サンバ」というアルバムが録音、演奏ともに良く、タイトル曲、2曲目、4曲目、10曲目でのミュートトランペットは高音も良く伸びていて綺麗で、マイルスより暖かみ(?)があり、心地よく響きます。(昔マイルスにアドバイスを受けたそうですが・・!)

よく聴いているアルバムで他にも音がいいのは、ルイ・スミスというトランペッターの「アイ・ウェイティッド・フォー・ユー」です。これは、ジャケットにU-87という超有名なノイマンのコンデンサーマイクの写真が大きく載っていたので、好録音間違いない(!?)と思って買いました(笑)。案の定、良く録れていて、3曲目(タイトル曲)、6曲目のミュートトランペット、8曲目などが特に(録音が)いいです。

日本人のトランペット奏者では、黒田卓也という人に注目しています。この人は数年前にテレビのCMで見かけて、いい音を出すトランペッターがいるな、と思って調べてみたら、現在ニューヨーク在住で活躍しているとのこと。昨年来日(帰還?)して朝のテレビ番組に生出演し、演奏しているのを見たのですが、やはりいい音を出していました。聞けば、愛用のトランペットは古いもので修理しながら使っているとのこと、本人もこの音が至極気に入っているようです。つい最近も(今年の2月)、横浜アリーナでのMISIAのライブコンサートでバックバンドの音楽監督として参加し、自らも演奏していましたが、本当にすばらしい音を出していました。前段でも書きましたが、こういう日本人が外国で活躍しているのを知るとうれしくなりますね!誇りに思います。

突然ジャンルが変わりますが(笑)、トランペットは映画やテレビドラマなどでその甲高い音が効果的によく使われますね。例の「必殺シリーズ」でも使われていましたし、歌謡曲や演歌のイントロなどにもよく使われています。筆者が過去に最も衝撃を受けたのが、森進一の「襟裳岬」です。このトランペットには正直感動しました!(笑)。吉田拓郎の曲に、実にぴったりフィットしていましたね。こういう使い方もあるんだ、と思いました。今でもこのイントロを聴くとすぐ曲が浮かんできて、当時を思い出してしまいます。あとは、テレサ・テンの「空港」や「晩秋」でも、イントロの煌びやかなトランペットの音がよく映えますね。実は、筆者は台湾版のCDを持っているのですが、どういうわけか日本版より音がいいんですね。マスターテープ(音源?)の違いによるものなのでしょうか!?『女性ボーカル編』では漏れてしまいましたが、テレサ・テンも好きなのでよく聴いています。(カラオケでもよく歌ってます!・・笑)

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