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プチレビュー ルヴァン vs湘南1st

 こんにちは、セレサポ神戸の亮太です。今日は、6/4日に行われたルヴァンカップの湘南戦のレビューを書きます。ちなみにまだテスト期間なので、気になるところだけを取り上げたプチマッチレビューになります。

セレッソのビルドアップと湘南のプレス

 この試合は前線のリーグ戦と違い、セレッソのビルドアップに対して湘南が高い位置からプレスにきました。セレッソはそのプレスを上手く交わすことができていませんでした。気になったのは図のようなシーンです。

サイドバックが狙われる

 ヨニッチから松田にパスが出ると、湘南がプレスのスイッチを入れます。この時、湘南の2トップは縦に並び、1人はヨニッチ、1人は原川をカバーします。こうすることで、真横のパスコースを切っています。

 また、湘南は中盤が3枚で、原川をトップがマークすることで、図で示した中盤のスペースでは常に数的優位を作っていました。ですから、松田から斜め前方へとボールを進めることは難しいですし、中央でボールを奪われてカウンターを受けるリスクもあります。

 この状態で、湘南WBが松田の縦のコースを切りながらプレッシャーをかけたとき、松田はパスコースを見つけられず、ボールを奪われたり、上手くボールを前進させることができなかったりということが試合を通して多かったです。

 これは名古屋戦でも起きていた現象で、セレッソがWBが高い位置を取ってくる相手に対して効果的にボールを前進させることができない理由のひとつです。

 では、これを解決するためには理論的にはどうすればいいかというと、

理論的な解決策

 原川がCBの間に落ちて3バック化し後方での数的優位を作り、セレッソの両サイドバックが高い位置をとることで相手WBを押し下げ、間のスペースでSHが後方からの縦パスを受ける、この形が理想的だと考えられます。なによりも、SBが高い位置をとることで相手WBを押し下げ、相手を押し込むことが有効です。

理想と現実

 しかし、これはあくまでも理論上の話です。現実を見ると、フォーメーションを可変することで起こる運動量の増加、後方でフリーになるヨニッチからいい縦パスが出てくるのか、毎熊、為田、パトリッキなどのサイドの選手は間のスペースで受けるよりも前方への飛び出しの方が得意ではないのか、などの問題点も出てきます。もちろんサッカーは攻撃だけのスポーツでは無いので、守備のことも考えて試合を進めなくてはいけません。

 また、昨日のゲームでは上記の湘南のプレッシャーに押されていましたが、セレッソを致命的なミスを避け、その結果湘南が後半にガス欠しセレッソペースになりました。悪い形を修正することだけが采配ではなく、しっかりと試合の流れを読むことも監督には求められます。

 ゲームのように全選手を自分でコントロールできる場合は、理論を追えばいいのですが、現実ではそうではありません。選手一人一人の特徴、チームの調子、ゲームの流れ、チームの予算などさまざまな制約があります。それをいかに理想に近づけることができるかが、監督の腕の見せ所ですね。

 そう考えると昨日の試合では、湘南に押されていたものの、悪く無い采配だった気がします。改めて、サッカーの監督はいろいろなことを考えた上で最善の選択をしなくてはいけない、難しい職業だなと昨日の試合を見て感じました。

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