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NFT知見共有第3話「企業がNFT参入するメリットって何なの?」

【前置き】

日本のNFT界隈の健全な発展に向けて、私(仮想筋肉)がNFTに関する活動の中で得た知見は全て共有をしていきたいと思っております。
(この知見を得れたこと自体、本当に感謝ですし、NFT界隈への恩返しをしたいと思っています)

記事を書こうと思ったのは、企業がNFTに参入する際に、全体像や具体的な内容のイメージが湧かず、怪しい(失礼💦)方に騙されてしまう事例をいくつか目の当たりにしたためです。。。

このような悲しい事例は日本のNFT界隈の発展にはマイナスだと思いまして、基本的に私が知っている知見を共有させていただいて、
●企業がNFT事業参入前に重要なところを検討できるようにする
●目の前の相手が信用できる相手なのかどうかを判断できるための基礎情報を獲得する
ことを目的として、情報共有のNote記事を書くことにいたしました。

数話に分けて記載いたしますので、もし「こんな内容も書いてほしい」ということがありましたら、気軽に私のTwitterまでDMをくださいませ。

【各話紹介】

第1話 貴社のNFT発行の目的は何ですか?

第2話 (NFT参入にあたって考えるべき)NFTプロジェクトの全体像ってどういうもの?

第3話 企業がNFT参入するメリットって何なの? 

第3話「企業がNFT参入するメリットって何なの?」


今回は、そもそもの大前提として、「企業がNFT参入する際のメリットは何か?」 ということを記載します。
第1話の「貴社のNFT発行の目的は何か?」にも関係するのでよかったら合わせてお読みください。
NFT知見共有第1話「貴社のNFT発行目的は何ですか?」|仮想筋肉 CryptoMuscle/NFT界の執事|note

最近「NFTがこれから来るらしいよ」とか「当社もWeb3(メタバース)に参入だ!」という話もあるかもしれませんが、そもそも企業がNFT参入するメリットは何なのでしょうか?
冷や水を浴びせるようで申し訳ありませんが、きちんとここは考えておくべきかと思います。

「今やれば儲かりまっせ・・・!早くやった方がいいですよ!」 しか言わない人はポジショントーク or 知見不足なので、信用しない方がいいと思います。。。💦

さて、そのメリットですが、ざっと以下があるでしょう(第1話「目的」から引っ張ってきました。ほかにもありそうですがきりないので)
①直接的な収益獲得
②Web3文脈での自発的なファンの創造
③ブロックチェーンでのグローバル広報
④自社IP強化
⑤NFTの実証実験

以下詳細を記載していきます。

①直接的な収益獲得


これは単純に、NFTを販売した時の一次販売収益と、二次流通フィー(NFT界のメルカリみたいなマーケットプレイスがありまして、そこでの売買額×数%をフィーとして現在はもらえます)を得ることができます。
ただし、以下について気を付けなければいけないでしょう。

収益獲得について気を付けるべきこと①
そんなに簡単に収益があがるわけではないこと

そんなに簡単に売れる訳ではありません。
「だからNFTマーケッター入れるべきだ」というポジショントークにも騙されないようにしてください。
自称マーケッターに喰い物にされているプロジェクトも散見されます。

MEGAMI(さいとうなおきさんをアーティストに起用したNFT)プロジェクトで一次販売額はたしか3億円くらいだったかと。
CNP(CryptoNinjaPartners)のようにに二次流通額が多額になればフィー収入も夢があります。
BAYC(世界のトップNFTブランド)はたしか諸々で600億円くらいだったかと思います。(EHT価格や円の変動もあるので、ざっくりの数字とご理解ください💦)

 しかし、今の日本のNFTマーケットは、一次販売単価(売値)をNFT1つ当たり200円以下くらいに設定する激安単価が流行っていることもあり、なかなか収益化しづらい環境になっていますし、販売すれば必ずしも著名NFTプロジェクトのような収益が獲得できるわけではありません。

収益獲得について気を付けるべきこと②
→自社(だけ)が儲けようという文脈はWeb3のみんなで共創するという文脈に反する可能性があること

これは実は結構大事なことです。

今までのビジネスでは、ビジネスで獲得した収益は自社のものだったかと思います。(当然ですよね)
一方Web3は運営だけが頑張るのではなくコミュニティ全体(消費者(という言葉はちょっと違いますが))も一緒に盛り上げ活動をしていくもの。
なので収益はある意味で、みんなのもの、という性質を帯びていきます。

Web3はトークンを発行することが多いですが、これはプロジェクト全体が盛り上がれば運営だけではなく、トークン保有者も利益を享受できるという構造とも言えます。
そのような駆動構造とも言えますし、これは哲学ともいえるものかと思います。
株式会社が「株式」という発明で、所有と経営の分離を行い、収益獲得の機会や才能に資本が集まるという駆動構造、あるいは哲学で人類の前進を大きく加速させたように、Web3は上記のような駆動構造・哲学を持っています。

NFTもWeb3のような性質を帯びているということを把握しておくべきでしょう。
なので、最近日本のNFTマーケットで流行っている一次販売価額を激安にするNFTプロジェクトが人気になった、という背景もあると私は想像しています。
つまり、「運営が本来得ることができた一次販売収益をNFTホルダーに分けますよ」という共有の姿勢とも受けとれるということです。 (日本での激安価格も、最近はちょっと一服感もありますが、それはまた別の話とします)

収益獲得に際し気を付けるべきこと③
→NFTプロジェクトの価値が担保されているのは「デジタルデータの絵を売っておしまい」ではなく、「今後も継続するプロジェクトがあるから」だということ

これも実は大事なことです。
NFTコレクターがNFTに数万円数十万円(場合によっては数百万円数千万)を払うのは単なる絵を買って終わりでなく今後も「何かが」継続するという期待を含んでの値段であることが多いと思います。

って、すいません、「NFT」って範囲が大きすぎる言葉なので、ここでは全体で数千枚というようなジェネラティブ系NFTプロジェクトを指しているとご理解ください。
(アート系の1枚もののNFTはそれ単体で価値を見出されているとも言えるかもしれません)

話を戻して、、、大規模NFTプロジェクトでNFTを発行すると今後もホルダーに「何か」が継続してあると期待されることが多いです。

私はNFTの知見は界隈への恩返し・恩送りと思って全て公開すると決めているので書いてしまいますが、NFTプロジェクト(特にPFP(profile picture SNSのアイコン使用をメイン想定)系)の収益はざっくり半分がコアチームの収益、半分は今後のプロジェクト継続のためのプロジェクト遂行の予算とすることが多いです。

勿論プロジェクト継続に必要な額を残せばいいので半分でなくともいいのですが、コアチームがほぼ全てを取るプロジェクトは「運営が儲けるためのものだったの?」という目で見られ、スキャム(詐欺)とか、ソフトラグ(意図的にゆっくり消えていく事)じゃないのという批判を受けることがあります。

ここは企業の既存ビジネスとは脳・発想の転換が必要なところかと思います。
冷や水を浴びせるようなことを書いていたらすいません。
ですが上記のような文脈を理解することはNFTに企業進出する上で非常に重要なことだと思います。

まとめると、
●そんなに簡単に収益あがらないよ
●運営だけ儲けるぞ、ということが透けると批判されるかもよ
●プロジェクトがすぐ終わること前提だと批判されるかもよ

ということでした。(最初からそう書けよ、って話ですね💦)

②Web3文脈での自発的なファンの創造


「①直接的な収益獲得」は簡単なものではないとすると、企業は②以下のメリットを追求することもよいのではと思います。(正確には、①+②以下の合わせ技、ですね)
上記①で書いたように、NFTはWeb3の文脈も踏んでいるので、NFTホルダーがファンになって、運営と一緒に盛り上げてくれるということを起こしえる構造となっています。

これにより、自社IPのファンが増える、ツイッターなどSNSで自主的に活動してくれるということは、企業からすればマーケティング面でとても心強いことではないでしょうか。

また、そのような新たにうまれたファンが、貴社IPのNFT以外の既存ビジネスで何らかの商品を購入してくれる可能性もあります。
私は企業がNFT参入することは、このように既存ビジネスへの良いフィードバックを得ることが重要なのではと思っています (これを意図的に狙って起こしていきたいですね)

逆にいうと、NFT参入のデメリットとして、NFT参入を失敗してしまうと、ファンが生まれるどころかアンチが生まれ、既存ビジネスへの悪影響が発生する可能性もあります。
このようなデメリットも、NFTを愛する私(我々)なので、きちんとお伝えしたいと思い、記載をいたします。

③ブロックチェーンでのグローバル広報

これも、②に近いものですね。 ブロックチェーンは、その仕組み上、国をまたいで、物理的な距離をすっとばして、相手(NFTホルダー)に届けることができます。
これは当たり前なようで、すごいことではないでしょうか。
(きっと、企業でIPマネジメントをされている方はとても実感いただけるのでは)
IPのマーケティングをするときは、グッズも漫画もアニメも、基本的には国境に影響されます。
日本国内に向けてのマーケティング施策は、国外に届くことは難しいでしょう。(というか、そもそも、想定されていないはずです。日本国内向けに漫画を出版したものが、たまたまアメリカで販売されることがほぼない、ということと同義です)

ですが、ブロックチェーンはもともとがグローバルに共通のプラットフォームであるため、いきなり海外に届けることができるのです。

これが、閉じたブロックチェーンではなく、イーサリアム等の著名なパブリックチェーンを利用したほうがいいい、と言われる理由の1つでもあります。

勿論、正確には、グローバルといっても色々な言語・国ごとのコミュニティがあるので、簡単に届けられるわけではないのですが、これまでの他世界でのマーケティングに比べれば、グローバルに届けられる可能性は格段に上がるポテンシャルがあります。

④自社IP強化

これも、上記と重なるので手短に。
貴社のIPの展開として、漫画・アニメ・グッズ等々と、色々なエリアで施策をされているのではないでしょうか。
その新たなエリアにNFTを位置づける、ということです。
別にNFTだけに特化する必要はありません。
NFTをたくさんの施策の中の1つに位置付ける、ということです。
これぐらいの方が健全ですし、既存ビジネスとの連携も取りやすいのではとも思ったりいたします。

⑤NFTの実証実験

これも手短に。 NFTによって、自発的なファンの育成や、既存ファンの行動強化、ファンの行動履歴の特定等々、様々なことができる可能性があります。 私はNFT専門なので詳しくはないですが、トークングラフマーケティング等々と言ったりしますよね。

企業体力があるのであれば、黎明期の今、こういったことに投資をしてみる、ということも非常に面白い施策だと思います。

最後に

以上、 「企業がNFT参入するメリットって何なの?」について記載させていただきました。 色々と冷や水を浴びせるようなことも記載したやもしれず申し訳ありません。 ですが、界隈が健全に発展してほしいと思っているので、良いことも、悪いことも、全て本音を記載したつもりです。

色々記載しましたが私自身NFTが好きで界隈が発展してほしいと思っている人間です。
NFTはまだまだ黎明期で色々なメリット・可能性に満ちていると思います。 このわくわくするNFTの世界を探索してみませんか?
ということで今回の記事を締めたいと思います。

NFTへの感謝と溢れんばかりの愛を
BIGLOVE


【著者紹介】

仮想筋肉
SoudanNFTコミュニティ代表。NFTを好きなため、日本のNFT発展のために微力ながら日々活動をしております。

SoudanNFTコミュニティ

日本最大級の規模を誇るNFTコミュニティ。2021年10月の設立以降も、自ら大規模NFTの発行・運営・IP管理を行い、その知見とリソースを活かした企業のNFT進出支援(全体設計・コミュニティマネジメント・マーケティング等々)や他NFTプロジェクトへのアドバイザリーを多数手がけていることが特徴です。
取引先企業から背中を押していただき、2022年8月には『株式会社SoudanNFT』を設立しました。
NFTクリエイターがお互いに悩みを相談(Soudan)し助け合い世界に挑戦していく場を創るというビジョンから設立されたコミュニティであり、「NFTの発展のため、いつでも誰からでもどんな相談でも受ける」を合言葉に運営されています。

企業のNFT進出支援や他NFTプロジェクトへのアドバイザリーを行うことで、NFT界隈が健全に一層大きく発展することに貢献したいという思いから日々活動をしているため、NFTに関する各種お問い合わせ、アドバイザリーのご依頼、当方IPを活用しての協業のリクエスト等々に喜んで対応いたします。

(参考)SoudanNFTプレスリリース一覧
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/106563












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