オートメーション化がお客同士のコミュニケーションを生み出す
何年振りかにガストに行った。
タブレットで注文すると、配膳ロボットが頼んだ食べ物を持ってきた。
生ビール、ポテト、ハンバーグ、コーンスープなどなど。
配膳ロボットから食べ物をおろすと、勝手に戻って行った。
隣とその隣の席に新しいお客さんが来る。
タブレットで注文し、配膳ロボットが持ってくる。
食べ物をおろしても、ロボットがなかなか戻らない。
すると、隣の人が隣の隣の人に「戻し方」を聞いている。
二人で「あーでもない、こーでもない」と言っているうちに、ようやく戻っていった。
二人ともが「なんかよく分かりませんでしたね」と言わんばかりに、何かを話している。
店員さんが食べ物を運んできていたら、この二人のお客は話すこともなかっただろう。
隣の人が食事を終えて、席を立つ。
その際に、「ありがとうございました」と一言添えて、会計に向かった。
ガストは、人材不足解消のためのオートメーション化であり、お客同士のコミュニケーションを狙ったものではないはずだ。
でも、見えないところで、お客同士のコミュニケーションという副作用が発生している。
ぼくは、学生の頃から「薬」に携わっており、薬には主作用があれば必ず副作用がある。
何かの目的のために行ったアクションにも、副作用と呼べる狙わなかった作用や反応があるのだろう。
薬では、臨床試験の段階である程度の副作用は把握できる。
しかし、使用症例が多くなると、未知な副作用にも遭遇する。
ぼくらのアクションにも、必ず副作用が起こるのだろう。
しかも、副作用には、良い副作用と悪い副作用がある。
ビジネスを発展させるために、両方の副作用を感度高く収集した方が良い気がする。
いや、根拠はないが、収集しなければならない。
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