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現金とビットコイン、どちらが安全資産なのか

このところビットコインの価格はずっとレンジ相場です。ビットコイン現物ETFが認められたり、イーサリアムの現物ETFが承認されそうだとかプラスの材料はあるものの、結局は米国の金利政策次第という感じです。
株もそうですが、リスク資産というのは金利が上がると下がり、下がると上がる。いわゆる現金(法定通貨)の価値と相対関係になっています。今の所ビットコインに代表される暗号資産はリスク資産に分類されています。法定通貨の方が安全であり、ビットコインはリスクがある。
現象面だけ見るとその通りで、ものの価値基準が現金で定められている以上、現金ベースでは上がり下がりがあるわけで、それはリスクがあると言って間違いはなさそうです。現金は現金を基準にすればいつまで経っても100円は100円ですから。

さて、現金ベースで考えるとその通りなのですが、それでも今はインフレです。つまり、物の値段がどんどんと上がっていく。相対的に100円で手に入るものが少なくなっていく。見方を変えると現金もリスク資産です。何もしないとどんどんと価値が下がっていく。それでも安全資産とみなされているわけです。
長期で見たときに、現金とビットコインはどちらが安全資産なのでしょう。明らかにビットコインの方が安全資産です。今の所は。たまたまかもしれませんが。
今はビットコインで物を買うのはなかなかハードルが高い。エルサルバドルにでも行かないと厳しそう。なので、物の値段に対してビットコインベースで考えるのはピンとこない。もし、無理やりビットコインベースで考えるとするとものすごいデフレ通貨になります。その昔は2000BTCを払ってやっとピザが注文できる程度でしたが、今や1BTCで高級車が余裕で買えたりします。
一方の円はどんどん下がっています。日本はずっとデフレ経済と言われていて、物の値段が上がらず、円ベースで考えるとあまり変化はありませんでした。とはいえ、昭和の時代から比べれば随分価値は下がっているように思えます。特に今はインフレ傾向が出始めたので、全てのものが上がっています。その昔、百円マックなるものがありましたが、今、マクドナルドで一番安いハンバーガーで170円します。それでも海外に比べれば値上がりは抑えられています。

という事実がありながらも、円は安全資産でビットコインはリスク資産です。ビットコインは通貨的性質を持つ物なので、株と違ってどちらかというと法定通貨に近い存在です。無国籍ということを考えると金に近いのかもしれません。株や債券は会社の業績に左右されます。最悪、倒産の危険もあるわけです。そういう点からするとリスク資産ということになります。
実は法定通貨や国債も同じようにデフォルトのリスクはありますが、その確率は比較的低いものなので、安全資産に分類されているのでしょう。

さて、ビットコインですが、別に会社の株ではないので業績というものはありません。デフォルトのリスクはネットワークが止まってしまうこと、なのですが、今のところその確率はかなり低そうです。仕組みからするとどちらかというと安全資産に近いと思われますが、まだまだ認識はされておらず、結局リスク資産という分類になっています。なので、金利が上がると売られ、下がると買われるという株と同じような動きになっています。
将来、もしかして中央銀行が金を買い集めるようにビットコインを買い集めるようになると動きが変わってくるかもしれません。今はリスク資産と見られていますが、何気にアメリカはかなりの量のビットコインを確保しているようです。中国も実はかなり持っているという噂もあります。

10年経ったらどうなっているか、楽しみにしておきましょう。

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