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メタとテスラの未来はどうなるのか

日経新聞の記事にザッカーバーグ氏とマスク氏の対比の記事が載っていました。イギリスのエコノミスト誌の翻訳記事のようですが、世間の見方はこうなのかなあと参考にしたりしています。自分の感覚とは違うところもあったので、少し自分なりの見方を残しておきたいなと思いました。

もしかしたら2年前なら正反対の内容を書いていたのでは無いかと思ったりします。2年くらい前、メタの株価はメタバースへの投資が重く、本業での稼ぎがアップルの施策により減少、株価も大幅に下がっていました。一方、テスラはモデル3の生産が順調に立ち上がり、S&Pにも採用され株価は上昇していました。
この時ザッカーバーグ氏はメタバースに投資しすぎでダメなんじゃ無いかとかFacebookのビジネスモデルは考え直した方がいいんじゃ無いかと結構叩かれてました。
一方、マスク氏は今と変わらずボロカスに攻撃はされていましたが、他方で世間や市場関係者に持ち上げられ株価は上昇し、本人が、株が高すぎると自重を求めていたりしました。

今はそれが逆になっています。この記事は少し誇張しすぎな部分があり、それが記事のかたよりを感じてしまいます。確かにメタの業績は良かったし、テスラは値下げしたり売上拡大の勢いが落ちてライバルも出現、業績は頭打ちになっています。
それは事実なのですが、テスラが未曾有の危機のような書き方で、それはさすがに言い過ぎな気がします。おそらくモデル3の生産立ち上げに苦労していた時に比べれば全然問題ないレベルだと思います。モデル3の生産立ち上げの時期は全く量産できず、工場の敷地にテントを貼って生産するとか、売り上げも売るものが作れないのでお金が入ってこないという会社存続の危機だったとマスク氏自身がのちに述べたりしています。それに比べればはるかに大きな企業になっていますし、キャッシュフローも潤沢であり、利益も上げています。
記事ではマスク氏は経験したことがないほどの挫折を味わっていると書いていますが、いやいや、本人に言わせればモデル3の生産立ち上げの時の方がはるかに苦しかったと思います。1月下旬に惨憺たる23年10−12月期決算を発表したと書いていますが、売り上げは前年同期比3%増の3兆7000億、利益は前年同期比2.1倍の1兆1600億円です。どうして惨憺たる決算なのでしょう。こんなに売り上げと利益を上げられる日本企業は数えるほどしかないと思います。これだけの業績を上げても惨憺たる決算と書かれるとはエコノミストの目は厳しいものです。

記事ではザッカーバーグ氏は株主の意見も聞いているしストックオプションも受け取ってないのに対して、マスク氏はストックオプションを大量に要望し報酬を否定されたデラウェア州に文句を言っていて、金のためにしか働けないような書き方をしていますが、それもちょっと偏った見方なのではないかと思います。おそらく当人たちは昔からそれほど言ってることもやってることも変わってない気がします。
ザッカーバーグ氏は株の保有比率は少ないですが議決行使権は過半を持つという特殊なやり方で会社を支配しています。そんなに聖人君子ではないと思われます。
マスク氏は言動が悪いようなこと書いていますが、昔から言動は変わらず言いたい事を言っていて、その度に物議を醸し出しています。つまり昔から変わってない。ストックオプションがもらえなくなりそうだからマスク氏のテスラに対するモチベーションが下がると書いていますが、マスク氏のモチベーションはそんなレベルの話ではないと思いますがどうでしょうか。

人格が変わったからメタは良くなり、テスラは傾いたというように受け取れなくもないですが、そんな簡単な話であれば会社の将来を占うのは簡単で株もみんな儲かってそうなものです。多分、これを書いた記者はザッカーバーグ氏は好きだけどマスク氏のことは嫌いなんだろうなと感じてしまいました。もしかして2年前はザッカーバーグ氏が嫌いでマスク氏が好きだったかもしれませんが。

さて、リーダーの資質はともかく、ビジネスとして将来性はどうなのでしょう。メタは業績が回復しましたが、果たして本物と思って良いのでしょうか。
メタバースは未だ道半ば、広告ビジネスは回復しましたが将来性は疑問です。ユーザとして感じているFacebookは以前より広告の表示頻度やおすすめが多くなった気がします。フォローしている人の投稿よりそっちの方が表示が多い気がしています。サービスとしてはヤバいんじゃないかとちょっと感じています。AIはかなりの技術を持っているようですがそれをビジネスにどう活かしていくのかが見えていません。もしメタバースと組み合わせることができるなら大きく成長する可能性はあります。
一方、テスラはどうでしょう。確かにBYDの追い上げは厳しく、新モデルは当分先、EV市場も頭打ち感が出てきています。しばらくは成長が踊り場になる可能性もありそうです。車の出来はユーザではないのでわかりませんが、このまま終わってしまうことはない気がします。浮上の可能性をかなり持っている会社だと感じているので、また業績が伸びる可能性はあるかと思います。マスク氏自身がテスラはAIとロボットの会社だと言っていますが、まだそこまで到達してない気がしますので、一般的には車の会社と認識されています。しかし、EVインフラの整備やAIとスターリンクを使った自動運転、ロボットによる生産性の向上などが実現すれば他に類を見ない企業に化ける可能性があります。そうなったらすごいなと思うところもあります。

先期の業績は2社で明暗が分かれましたが、3年先には今と全く違った風景が展開されている気がします。その時にこの時の記事の内容をどう見るか3年後に取っておきたいと思います。

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