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web3という名のweb2

web3という名の下で国の政策にも取り入れられており、なんやかやとプロジェクトが動いているようですが、最近、見ているとweb3という名前の元でweb2と何が違うのかよく分からないものが増えてきている気がしています。でも批判する気はありません。そもそもweb3の概念は分かりづらく、説明もしづらくやっかいなので、web2的仕組みを取り入れた方がビジネスに直結すると思うからです。

世の中が盛り上がるためには猫も杓子もというような混合雑多な状況が必要だと思っていますので、こういう動きはあってしかるべきだと考えています。そういう意味ではまだまだ盛り上がりが少ない気がしますね。

そもそもweb3というのは分散がキモだと思うので、組織を作ってそこにお金を集めるという中央集権的企業と相性が悪いと思っています。web2の世界というのはまさにこの中央集権の最たるもので、GAFAMといった企業が総取りする構造になっています。それに対してweb3は自分の情報は自分で持つ、というのが基本なのでこの仕組みとは正反対です。
という基本は脇においておかないと、お金を儲けてビジネスしたい人が参入しないので、それでは困ります。そこで、web3的基盤の上にweb2的ビジネスを載せてしまおう、というのが今のweb3戦略になっている気がします。

web2的ビジネス

今のweb2システムは、ある会社が巨大なサーバを持ち、その上で彼らのプロダクトを動かし、そこにデータを集めて、そのデータに基づいて商売をする構造になっています。Googleとかメタがわかりやすいですが、彼らは広告代理店です。宣伝したい人と何か情報を求めている人を効率よくマッチングする代わりに手数料を取っているという手数料総取りビジネスモデルです。それでも広告を出したい人と情報を得たい人、それぞれが満足しているのでうまく回っているということです。
ビジネスの基本は何かを提供し、対価を得るということですが、その対価を一手に集めるというのをいかにうまく作るかというのがキモです。インターネットの発展により、デジタルなネットワーク上でそれが出来る様になりました。つまり、自分のところにアクセスしてくれれば、欲しい情報を提供して上げるから条件を出してください、と言われて自分の情報を提供しているわけです。一方、自分たちの商品を買って欲しい人たちは、お金を払うから興味のある人を集めてくれ、といって広告費を払います。この中間業者がとてつもなく美味しいわけです。

web3的web2ビジネス

本来のweb3はこの中間業者をなくしてしまう仕組みです。情報をマッチングする仕組みを誰かの巨大サーバでは無く、ピアツーピアのネットワーク上でやってしまう仕掛けです。そしてそこに関わる費用のやりとりは誰かが総取りするわけでは無く、みんなで、ユーザも含めてシェアするというものです。しかしそうなるにはそれぞれの役割を担う人たちが均等に広がっていかないと普及しません。そこで、まずは分散の仕組みだけ使って、上で中央集権的な普通のビジネスを展開するというのが今のweb3と言っているモノの主になっている気がします。

簡単に言うと、何かしらトークンを発行してお金を集め、そのトークンを持っているといいことがあるから将来値上がりしますよ、といってビジネスを始めるというモノです。古くはICO、今はIEOが主となっているパターンです。何かしら価値のあるプロダクトを世の中に出すので資金を調達して開発する。そのプロダクトが世に出て流行れば、トークンの価値が上がるので出資した人たちが儲かるというパターンです。ブロックチェーンを使っていますがやっていることは普通に株式発行と同じです。ただ、ブロックチェーンを使うのでトークンの発行が簡単ですし、ばらまくのも簡単です。このパターンは結構あります。だからSEC(米国証券取引委員会)が大半の暗号資産は証券だと言っているゆえんです。
これのアレンジ版がステーブルコインの発行といえるかもしれません。ただしステーブルコインの場合は何かしらの付加価値プロダクトの開発が伴ったり、発行した人の努力によりステーブルコインの価値が上がったりはしないので、証券というには無理がありそうです。ステーブルコインはいわゆる現物資産のデジタル化の一種かもしれません。RWAと言われているものの一つです。

NFTも結局、web3プロトコル上で元々なんらかの価値のあるものを確定し、やりとりするだけなので、web3上で動いているweb2なのかもしれません。と考えていくと、web3プロトコル上でweb2的ビジネスを行っているものがたくさんありそうです。

web3と言えるモノはなに

web2的ビジネスでweb3プロトコルが普及するなら、どんどん出て来てもウェルカムであり、それはそれでありだと思います。そうすることにより誰かに一極集中することが少しずつなくなっていく気もするので証券性はともかく酸いも甘いも出てくることを期待しています。
そして、気がつくと、GAFAMが形を変えているというのを夢想しています。Braveブラウザというものがありますが、あれは少し将来の形を先取りしている気がしています。ユーザ側の視点に立つと、広告をクリックしたり表示したりすると広告主から報酬がもらえるというモノです。広告主からすると自分たちの商品に興味を持ってもらうために広告宣伝費を払っているので、もし、その効果があるなら費用負担もいとわないと思いますし、それがターゲットとするユーザに行くのは抵抗感が無いと思われます。
また、ユーザとしても報酬がもらえる、かつ、自分に興味のあるアイテムが表示されるなら抵抗感が少ないと思われます。つまり、今までGoogleが総取りしていた費用をユーザに還元するというモノです。自分がどのサイトに行ったとかどういう情報を見たとか検索したとか言う自分に関する情報はすべて自分の管理下にあり、必要なときだけその情報を開示する。その情報に基づいて最適な情報をネットワーク上から提供されるというのが分散ネットワークで実現されている、という世界がやがてくるかもしれません。そこにはAIが絡むかもしれませんが、その費用も誰かが総取りするのでは無く、分散された開発者に分配されるような世界です。もしかしたらAIプログラム自体もAIが開発しているかもしれません。

真の分散が実現しAIが広まれば違う世界が広がっているかもしれません。その手前で、web3的web2が流行っているかもしれませんけど。
最後に、私が参考にさせていただいているweb3についてのバイブルを紹介しておきます。とはいえ、理解するのが結構難しいです。私も2割も理解してないかもしれません。




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