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イーサリアムの上海アップグレードが完了

 ごく一部の界隈だけで盛り上がっているイーサリアムの上海アップグレードが波乱も無く完了したようです。アップグレードする前から話題になっており、始まったらイーサリアムの価格がどうなるかと注目されておりましたが、実際にはさほど大きな動きも無く通過。それも予想通りといえば予想通りですが。
 とはいえ、この影響は瞬間で終わるわけでは無く、これから数ヶ月にわたり続いていくと思いますが、実際のところ、よく考えられたスキームで作られているので、大きな影響と言うよりはじわっと効いてくる感じなのでしょう。
 ステーキングされていたイーサが引き出せるようになる、というのが大きなトピックではありますが、様々な状況により、いきなり大量のイーサリアムが引き出されてそれが換金されて暴落する、ということにはならないのでしょう。そりゃそうです。いろいろな要因が考えられますので。

 まず、ステーキングされた時点のイーサリアムの価格は今より高かったので、今引き出して法定通貨に変えると損をする。また、引き出せる額にも制限がある。さらに言えば、みんな一斉に引き出して現金化したら下がるのが分かっているので、誰も得をしないから、みんな様子見する。と言ったところなのでしょう。

 この先、イーサリアムが上がってくると、少しずつ売り圧力が高まって上がりにくくなることはあるかもしれません。
 一方、ステーキングからの引き出しが可能になることからさらなるステーキング量の増加も見込まれるとのことなので、結局、行ってこいであまり影響が無いというのが今のところの状況のようです。イーサリアムのユースケースが増えることが価値向上の基本なので、やはり期待はそこに行く気がします。

 アメリカが規制でガタガタしているので何かあれば一時的にボラティリティが増加するかもしれませんが、アメリカだけが世界、というわけでもないので、アメリカが変な規制をすれば、暗号資産の思想からしてアメリカから出て行くだけの話なのかもしれません。ビットコインは諦めているようですが、イーサリアムはまだ米国規制当局のターゲットになっています。とはいえSECとCFTCで見解が違うこともあり、先行きは不透明です。ビットコインと違ってイーサリアムは目指すところがワールドコンピュータなので、イノベーションの源泉としてのポテンシャルは大きいと思います。アメリカはその目を潰してしまうのか?というところも気になります。

 日本での感覚しか分かりませんが、過去に比べれば盛り上がりはとても小さい気がします。本当に界隈の人間だけが注目しているイベント、といったところでしょうか。傾向としては良い傾向なのかもしれません。バブルにつながらず落ち着いた環境の中で成長していく感じです。それもボラティリティが抑えられている原因の一つかもしれません。

 とにかく大きめのイベントをこなしたイーサリアムの今後に注目です。 

 これは余談ですが、年初来で見るとビットコインは8割上昇、イーサリアムは2倍上昇、S&Pは約7%、ナスダックは約15%、金は約11%。暗号資産の上昇率が圧倒的すぎて怖いですね。とはいえ、暗号資産のポテンシャルだと思いたいところです。

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