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FOMC終了後の市場動向

FOMCが終わり、パウエル議長の会見が終わった結果、米国株式は下落、ビットコインなどの暗号資産も下落、債権は上昇(金利は低下)という状況のようです。

FRBの声明としてはそれほど内容にサプライズがあったわけではないのですが、その割には市場は動きました。それまで上昇していた反動なのかもしれませんが。
それにしても市場の反応は少し過剰のような気もします。パウエル議長は金利は据え置き、利下げの検討は始める、でも3月に利下げする可能性はあんまりないよ、というような発言だったようです。まあ事前に予想されていた内容とあまり相違はないのですが、利下げへの期待が大きく、3月に利下げはしない可能性が高いよという部分に過敏に反応したのでしょうか。

市場というのはわがままというか子供のようなところがあって、予想はしてるけど期待はしていて期待通りにならなかったらご機嫌を損ねる、という感じがしてなんとも言えない感じです。
市場参加者というのは当然大人の集まりなわけですが、その総意を反映した市場の動きというのはまるで駄々っ子のような動きをします。もし、期待以上のことがあれば、有頂天になって上昇することもあります。そういう感じで見ていると、さもありなんというような感じで少し穏やかな気持ちにならないでしょうか。

確かに、市場はドルベースで動くことが基本になっているので、ドルの金利政策が相場の乱高下につながるというのは当然の話ではあるのですが、少し見方を変えて、フラットに考えたときに、今回は利下げの見込みが少し後ろ倒しになった、ということで他の資産に対してドルが上がったという見方もできます。
一方で、ドルが上がった割にこのブログの執筆時点では円は下がっていません。つまり、為替レートは円安とはならず、どちらかというと円高気味です。
これはおそらく、ドルの金利政策は変わらず、円の方は引き締めの準備が始まったという相対的な関係性によりそうなっているのではないかと想像しています。今回は素直に双方の金利政策の方向性に従ったのかなと。

一方、株と暗号資産は当然のことながら相対的に下げています。これも当然と言えば当然なのですが、暗号資産も資産の仲間入りをしたのかなという気もしています。素直にアメリカの金融政策に連動するというのは金融市場に組み込まれ始めたと考えることもできます。
短期的には確かにドルの金利が下がらない限り、相対的に暗号資産は上がらないのですが、長期的に考えるとビットコインの数量の増加スピードに比べて金利引き締めとはいえドルの数量の増加スピードははるかに早い。つまり、ビットコインが発行される量に比べてアメリカドルが刷られる量の方が多いはずです。普通に考えるとドルに対してビットコインは上がり続ける可能性が高い。ビットコインに限らず、株も発行残高が増えず、企業価値が変わらないなら上がり続けるはずです。もちろん株の場合は企業業績や今後追加で株が発行される可能性もあるので先行きはわからないですが、ビットコインの場合は発行数量とペースが固定されているのでドルの発行が止まるか超引き締めで数量減とならない限り、相対的にビットコインに対してドルの発行量は増え続けるはずです。

と綺麗な理屈を並べるとビットコインは上がって然るべきなのですが、そこは水物で、ビットコインに対する評価は今後どうなるかわからないのでなんとも言えません。ちなみに金も埋蔵量が限られているので理屈上はドルに対して上がり続けるはずなのですが、これもわかりません。埋蔵量が限られているという話は現在の調査の中での話です。過去に石油の埋蔵量は限られていて枯渇すると言われていましたが、シェールオイルの開発により、埋蔵量が増えました。金も同じようなことが起こらないとも限りません。

ドルの発行数量が増え続けることと、ビットコインの発行量が固定されていることはほぼ間違いないと思われますので、その理屈の上で、両者のレートが今後どうなっていくか見ていきたいと思います。
ちなみに円高が徐々に始まるかもしれませんね。これも見ていきたいポイントです。


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