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仮想通貨の規制はうまくいくのか

 世界の金融会合の場でまた仮想通貨の規制の話が出ています。ちょっとずつちょっとずつ金融業界に影響を与える存在になってきたと言うことなのでしょう。

 日経の記事にも同じ話がありました。

 この記事の中で、少し面白かったのが、インドが提案した理由です。

インドは通貨主権の確保を目指し禁止も視野に交渉に臨んだ。

日本経済新聞の記事の抜粋

 やはり、気にしている点はここですね。いつも、暗号資産規制の話になると、理由はポンジスキームだとか裏付けが無い資産だとか言うのがあがりますが、もしそうなら価値もつかないし、別に気にしなくても良いはずです。しかし、気にしているって言うことは価値があることを認めていると言うことにつながります。通貨主権が侵されると思っていると言うことです。
 そこで思い出したのが中世ヨーロッパのギルドです。なんとなく、中央銀行を中心とした今の通貨制度とギルドが重なるなとずっと思っていました。ちなみに中世ヨーロッパのギルドについてchatGPTに聞いてみました。

中世ヨーロッパにおいて、ギルドは職人や商人などの同業者が集まり、職能の維持・発展や社会的地位の確立を目的として結成された組織です。以下に中世ギルドの成立と崩壊について詳しく説明します。

【成立】
 中世初期には、同業者同士が集まり、相互扶助的な結社を形成することはあったものの、ギルドが形成されるのは中世後期以降のことです。この時期になると、町や都市が発展し、商業や手工業が盛んになりました。このような状況の中で、同業者同士が集まって組織を作ることが、より重要性を増していったのです。
 ギルドは、職人や商人などの同業者が集まって、共通の目的のために組織を作り、その組織の中で業界のルールや慣習を守り、職能を発展させることを目的としていました。また、ギルドは、同業者同士が助け合い、互いに知識や技術を伝え合う場でもありました。

【崩壊】
 ギルドの崩壊は、産業革命以降の時代に入ってから始まりました。産業革命によって、大量生産が可能になり、製品の生産コストが下がったことから、ギルドに代わる新しい生産システムが生まれました。また、近代的な法律や制度が整備されたことも、ギルドの組織形態が時代遅れになっていく一因となりました。
 18世紀には、フランス革命によってギルドの解体が進められ、職人や商人たちは自由競争の中で生き残りをかけることになりました。その後、19世紀には、工場制度や大量生産が進展し、ギルドの役割は完全に失われることになりました。
 しかし、ギルドは、職人や商人たちが相互に助け合い、技術を伝承する場として、中世ヨーロッパの経済や文化に大きな影響を与えたとされています。

chatGPT

 なんか、これを今の中央銀行制度に当てはめて見るとそっくりな感じがします。ギルド=中央銀行制度、産業革命=web3、生産システム=金融システムと入れ替えると、そのまま使えそうな文章が出来上がりそうです。未来になってからで無いと検証できませんが、23世紀くらいに中央銀行制度についての歴史を振り返ると上記のギルドに似た記述がされているかもしれません。

 今の中央銀行制度が万能で未来永劫続くという保証はありません。もし完璧な仕組みなら、そもそもみんなで集まって議論する必要もないはずなのです。しかし、実際はいろいろ問題があって、その都度、会合が開かれています。すべてが解決されているかというと、ほとんど解決されていません。インフレはなかなか収まらないし、今は新興国の債務問題がまた浮上しています。これって1980年代に米国のインフレを抑えるために金利を上げたときと同じような流れです。毎度のことという感じでしょうか。
 おそらく、仮想通貨を禁止にしてもG20で解決しようとしている課題は全く解決しないでしょう。なので、ギルドの時と同じような匂いがしてならないのです。暗号資産は産業革命に匹敵するパラダイムシフトになるかもしれません。規制を強化するでしょうが、禁止したって、どうせ、どこかの国が裏切ります。禁止にはならないでしょうけど。

 圧力が上昇する瓶に必死で蓋をしている関係者の構図が浮かび上がってちょっと笑ってしまいます。


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